映画『TOKYOタクシー』のタクシーセレモニーが、10月20日、東京タワーのもとで行われ、主演の倍賞千恵子をはじめ、共演の木村拓哉、蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、山田洋次監督が登壇した。
山田洋次監督の91本目 となる最新作『TOKYO タクシー』は、タクシー運転手の宇佐美浩二と客の85歳の高野すみれが東京・柴又から、神奈川の葉山にある高齢者施設までの間、すみれの思い出の場所を寄りながらタクシーで旅を共にする、 “たった一日の旅”が偶然出会った二人の心、そして人生を大きく動かしていく様を描く物語。高野すみれを倍賞千恵子、宇佐美浩二を木村拓哉が演じ、さらに蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、イ・ジュニョン、笹野高史など多彩な豪華キャストが集結した。
イベントでは、劇中同様に木村が実際にタクシーを運転し、助手席に倍賞千恵子を乗せて東京タワーに登場! 木村のエスコートで倍賞がファンの待つピンクカーペットに姿を現すと、会場は熱狂的な歓声と拍手に包まれた。
続けて、カーペットには若き日の主人公すみれを演じる蒼井優、すみれの夫で結婚後に態度が豹変していく小川毅役の迫田孝也、木村演じる浩二の妻・宇佐美薫役の優香、浩二の娘・奈菜役の中島瑠菜、山田洋次監督も登壇し、さらに会場のボルテージがあがった。
撮影時以来の木村の運転するタクシーでのドライブとなった倍賞は「木村さんは凄くまじめな方。本当に運転がお上手なので安心して乗れました」と、木村に絶対的な信頼を寄せていた様子。
木村も「撮影以来のこの車の運転なので、懐かしいなという感覚でした。劇中は倍賞さん演じるすみれは後部座席にお座りになられていたので、今回のように助手席に乗っていただくというのは新鮮でした」としみじみ。
さらに「登場前に(蒼井)優ちゃんからは『木村さんできればバックでお願いします』と言われたんですが、ぶっつけ本番なので正面から停めさせていただきました(笑)」と登場前の裏話を明かし、苦笑い。
『ハウルの動く城』以来21年ぶりの共演だが、実写作品では初共演となった倍賞と木村。
ほとんどのシーンが二人きりのタクシー車内でのやり取りだった撮影を振り返り、倍賞は「『ハウルの動く城』ではほとんど会わなかったんです。プロデューサーの方に『せっかく木村くんがいるんだから一日くらい一緒の日をお願いします』って言って、一日だけ一緒にアフレコしました。その時もあんまりお話しなかったですけど、今回は毎日タクシーの中でお話させていただいたので、とても満足でした」とにっこり。「木村くんはとても勉強家で何かしら常に考えている優しい方です」と語る。
木村も「幼少期から倍賞さんを拝見していたので、山田組で毎日ご一緒するというのは格別な想いでした」と万感の思いを口にすると、倍賞は「そこまで言われると困っちゃうなあ」と照れながら笑顔を見せた。
7年ぶりの山田組への参加となった蒼井は「今までは緊張の方が前にきてしまっていましたが、今回は自分の殻を破りたいという想いがありました。先輩方の胸を借りて楽しんで撮影できたので、そしたら終わるのが本当に寂しくて・・・。来年あたりに同じメンバーでセルフリメイクしたいです(笑)。そのくらい素敵な山田組の皆さまとの撮影でした」と回顧。
そんな蒼井と過去に共演している倍賞は「優ちゃんとは、彼女が10代の時にご一緒していたんですが、あまり一緒にお芝居することはなかったんです。今回ご一緒できると聞いて『やっと一緒にお芝居できる!』と楽しみにしていたんですけど、撮影ではほとんど会わなくて。それでも蒼井さんがすみれの若い時を素敵に演じられていたので、安心して歳をとれました」と称える。
蒼井も「私がどう演じても、その先に倍賞さんが待ってくださっているという安心感があったので、思い切り演じることができました」と、憧れの女優である倍賞との念願の共演を振り返った。
蒼井演じるすみれの人生をかき乱す癖の強いキャラクター小川を演じた迫田は「私の演じた役はいわゆる“昭和の男”で少しバイオレンスな一面もあったんですが、迫田孝也の心の内としては、蒼井さんにおんぶにだっこで頼りきり、甘え切った撮影現場でした。山田組の撮影は私にはまだ緊張が強くて、OKが出ても『これでよかったのかな?』と思いながら蒼井さんを見ると、ニコニコしているので『多分よかったんだな!』と自分を慰めながらの日々でした」と懐かしそうに語った。
そんな迫田に、蒼井は「私たちは重たいシーンが多かったんですけど、迫田さんのお人柄のおかげでずっと笑いの絶えない現場でした」と感謝。すかさず迫田が「じゃあ私も褒めますけど、蒼井さんが受け止めてくれたから思いっきりできたんだよ」と睦まじい姿を見せた。
山田組初参加となった優香は「全体のクランクインの日が、私のクランクインの日だったので緊張に包まれている現場でした。それでもすべてのスタッフさんが『山田監督のために』という精神で撮影されていたので、幸せな夢のような時間でした」と充実感を滲ませる。
木村と優香の娘役の中島は「台本を頂いた時から緊張していましたが、木村さんも優香さんも家族のように温かく迎えてくださったので、撮影中も楽しめることができました。泣いてしまうこともあったんですけど、すごく楽しく温かく撮影に臨むことができました」と、感慨。
そんな豪華キャストを迎えて、山田監督は「僕の書いた脚本でお芝居する二人を見るというのは、僕にとってはとても楽しみでした。昔から映画界では『いい脚本ができて、気に入ったキャスティングが揃えば、8割方その映画は成功している』と言われています。この作品は僕なりにいい脚本ができて、素敵なキャストが集まってくださっている時点でうまくいっていると自分に言い聞かせていました」と作品に自信をのぞかせていた。
【ストーリー】
毎日休みなく働いているタクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)。娘の入学金や車検代、家の更新料など次々にのしかかる現実に、頭を悩ませていた。そんなある日、浩二のもとに85歳のマダム・高野すみれ(倍賞千恵子)を東京・柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送るという依頼が舞い込む。最初は互いに無愛想だった二人だが、次第に心を許し始めたすみれは「東京の見納めに、いくつか寄ってみたいところがあるの」と浩二に寄り道を依頼す る。東京のさまざまな場所を巡りながら、すみれは自らの壮絶な過去を語り始める。たった1日の旅が、やがて二人の心を、そして人生を大きく動かしていくことになる―
【作品概要】
出演:倍賞千恵子 木村拓哉
蒼井優 迫田孝也 優香 中島瑠菜
神野三鈴 イ・ジュニョン マキタスポーツ 北山雅康 木村優来小林稔侍 笹野高史
監督:山田洋次
脚本:山田洋次 朝原雄三
原作:映画「パリタクシー」(監督 クリスチャン・カリオン)
配給:松竹
©2025映画「TOKYO タクシー」製作委員会
Remake rights: courtesy of Pathé- Une HIRONDELLE PRODUCTIONS
Based on the film “UNE BELLE COURSE” written by Christian Carion and Cyril Gély directed by Christian Carion
© 2022 – UNE HIRONDELLE PRODUCTIONS – PATHE FILMS – ARTEMIS PRODUCTIONS – TF1 FILMS PRODUCTION
11月21日(金)全国ロードショー