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吉沢亮、6年ぶりの受賞に感慨! 手話演出担当が「手話演技が日本一!」と大絶賛も、30歳で中学生を演じる苦労も!? 【15回TAMA映画賞授賞式】 藤竜也とともに最優秀男優賞受賞!

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「第34回映画祭TAMA CINEMA FORUM」の「第16回TAMA映画賞」の授賞式が、11月30日、東京・多摩市のパルテノン多摩 大ホールにて行われ、最優秀男優賞に、吉沢亮と藤竜也が輝いた。

2009 年にスタートしたTAMA映画賞は、前年10月から当年9月に一般劇場で公開される作品及び監督・キャスト・スタッフを対象に、市民ボランティアの実行委員が選考し、「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰。受賞者にはトロフィーは藤原彩人作の「宇宙(SORA)を抱える像」が送られる。

最優秀男優賞は、本年度最も心に残った男優を表彰。本年度は、吉沢亮(『ぼくが生きてる、ふたつの世界』『キングダム 大将軍の帰還』『かぞく』)と、藤竜也(『大いなる不在』))が受賞した。

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吉沢の受賞は「『ぼくが生きてる、ふたつの世界』において、さまざまな感情が込められた手話で親子の日常をとても自然に映し出して、観客を物語へと引き込んだ」という理由から。

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吉沢は「6年前に最優秀新進男優賞をいただいて、30(歳)になるのを目前に受賞させていただき感無量です」と受賞を喜んだ。長い年月を演じたことについて、「今年30(歳)になる男が中学生になるのは大変でしたね(笑)」と照れつつ、「監督から『もう少し声を高くしてくれ、今おじさんがいた』と言われて・・・」と苦笑いし、会場を沸かせた。

また、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』では、コーダ(CODA)として育った青年を演じ、手話にも挑戦しているが、手話をするうえで「眉毛のや口角の動かし方で文法が変わるんです。手話でコミュニケーションをとるには表情が豊かでないといけないんですが、僕が演じた五十嵐大は表情が出づらい寡黙な人。手話の上での表情との矛盾が大変でした」と苦労を語った。

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ここで、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』で特別賞を受賞した呉美保監督も登場。もとより吉沢の演技ファンだったいう監督は、「吉沢さんのお芝居は多面的なので、もっと(見れるものが)あるだろうと。新しい吉沢亮が見れるんじゃないかと思ってプロットの段階でオファーしました」と、吉沢に魅了されていたよう。吉沢も「いつかご一緒したいと思っていた監督。お話をいただいて凄く光栄でした」と笑顔を見せていた。

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さらに、監督は「(出演を)快諾していただいた段階で、何も心配していなかったですが、手話の表現と彼の成長を見たかった。その希望を軽々と越えて行ってくださいました」と吉沢を絶賛。

また、この日登壇した手話演出を担当した方から「手話の演技をやらせたら“日本一”」とお墨付きをもらった吉沢。「水面上は苦労ない顔をしているが、水面下では一生懸命水かきをしている白鳥のよう」と努力を惜しまない姿を称えられると、「手話演出のお二人と監督と2ヶ月間みっちりと練習させていただき臨ませていただきました」と胸を張った。

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さらに、「来年は2つくらい映画の公開がありますので、観てやってください(笑)。これからも変わらず好きな作品、愛せるような役をやっていきたいと思います。頑張りますのでよろしくお願いします!」と意気込み、さらなる活躍に期待を持たせた。

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また、藤の受賞は「『大いなる不在』において、虚構へ溶けゆく中で愛する者との別離を予感する「瀕死の王」の姿を観る者の脳裏に焼き付けた」という理由から。

藤は、『大いなる不在』で元大学教授で認知症を患う・陽二を演じたが、「長年俳優をやっているので山道を歩いているようです。いい加減くたびれてきまして、足も痛いしね(笑)。でも、今日はTAMA映画賞という人から肩を叩かれて、私に冷たい美味しい水を『元気出して』と言って渡していただいたようで。生き返りました。ありがとう」と、受賞を喜んだ。

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撮影時の苦労を聞かれると、「僕は、振り返るのが嫌いでね。映画が終わると台本を引き裂くのが大好きなんです」とジョークを飛ばしつつ、『大いなる不在』の完成作品を観て「根こそぎ持っていかれた」と脱帽したそうで、「台本を読んでみたら面白くなんですよ。どこが面白いんだろうと」と。「でも(完成作品を)観たら凄かった」と感動したことを吐露。「(俳優をやって)何年経っても自分は台本を読む力がないんだなぁと思いました(笑)」と言って、観客の笑いを誘っていた。

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また、「演じることに苦労はなかった」と話し、「陽二さんが勝手にやってくれたので楽でした。まぁ半分僕も認知症と戦っていますのでやりやすかったんじゃないかな」と笑い飛ばし、役を生きていた様子。

さらに、観客に向かって「映画を愛してくださってありがとうございます」と改めて感謝の気持ちを口にしていた。

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◆『第16回TAMA映画賞』受賞作品・受賞者一覧
【最優秀作品賞】
『夜明けのすべて』
『ぼくのお日さま』

【特別賞】
呉美保監督 及びスタッフ・キャスト一同 (『ぼくが生きてる、ふたつの世界』)
押山清高監督 及びスタッフ・キャスト一同 (『ルックバック』)

【最優秀男優賞】
藤竜也 (『大いなる不在』)
吉沢亮 (『ぼくが生きてる、ふたつの世界』『キングダム 大将軍の帰還』『かぞく』)

【最優秀女優賞】
上白石萌音 (『夜明けのすべて』)
河合優実 (『ナミビアの砂漠』『あんのこと』『ルックバック』『四月になれば彼女は』)

【最優秀新進監督賞】
近浦啓監督 (『大いなる不在』)
山中瑶子監督 (『ナミビアの砂漠』)

【最優秀新進男優賞】
松村北斗 (『夜明けのすべて』『ディア・ファミリー』『キリエのうた』)
齋藤潤 (『カラオケ行こ!』『瞼の転校生』『からかい上手の高木さん』『正欲』)

【最優秀新進女優賞】
森田想 (『辰巳』『朽ちないサクラ』『サユリ』『NN4444』『愚鈍の微笑み』『正欲』)
早瀬憩 (『違国日記』『あのコはだぁれ?』)