映画『リライト』の完成披露試写会が、5月19日、東京・有楽町朝日ホールにて行われ、主演の池田エライザをはじめ、共演の阿達慶、橋本愛と、松居大悟監督、脚本を務めた上田誠が登壇した。
SF史上最悪のパラドックスと評判を呼んだ法条通の小説「リライト」を原作に、監督・松居大悟と脚本・上田 誠(ヨーロッパ企画)がタッグを組み、映画化。
高校時代に 300年後からやってきた未来人・保彦と出会い、恋に落ちる美雪を主人公に、現在、過去、そして未来、時を翔けめぐり<リライト>される運命の行方。ノンストップで解き明かされる驚愕の真実のその先に、大人になった美雪たちが見たものが明かされる<タイムリープ✕<青春ミステリ>。美雪を池田エライザ、300年後の未来からやってきた保彦を映画初出演となる阿達慶、“史上最悪のパラドックス”を紐解くキーパーソン・友恵を橋本愛が演じる。
この日、初めて一般の観客に作品が披露されることに、池田は「台本をいただいたときから、皆さんの感想や考察が凄く楽しみになるなと思っていました。(映画を観て)どういう感情になるんだろうなと、心待ちにしていました」と期待に胸を躍らせる。
一足先にイタリアで開催されたワールドプレミア上映に参加した松居監督は「イタリアの方たちが前のめりで観ていて、阿鼻叫喚で感じたことのない状態でした。(日本の)皆さんがどう感じらるか気になるところです」と、満席の会場を見渡した。
300年後の未来人を演じた阿達は「最初はどういう感じなんだろう・・・と、疑問しか生まれなかったんですが、もうそのこと自体が実質感というか、ちょっと武器として未来人に使えるところがありました。なので、作り込みすぎず、自然体でいることを常に意識して頑張りました」と、難しい役と向き合った様子。
今回の役作りで池田は「これまではあらゆる特殊な役を演じていきて足す(+)ことが多かったんですが、今回は引き算して引き算して臨んで、『これはもうすっぴんでは?』と思うくらいで。事務所の方にも『いいんですか?これ(すっぴん)で出ちゃいますよ!』と。あとは楽しく高校生らしくシャキシャキとやりました(笑)」と、これまでにない役どころの挑戦を楽しんでいた。
橋本は「保彦くんとは10年(歳)くらい離れているのですが、同級生という役がらなので、(阿達の)若さを盗みながら演じたりしていました」と笑いつつ、「保彦さんの自然体でピュアでイノセントな感じがいい具合に宇宙人感があって。未来人ね。そういった得体の知れない空気感にとても助けられました」と、阿達の存在感に感謝する。
広島の尾道でロケ撮影された本作。池田は「目の前に海が広がっていて、振り向くと山があって長い1本道があって。ここで不思議なことが起きても頷けちゃうっていう空気のなかでロケができたので、スーッとこの世界に馴染むことができた気がします」と振り返る。
監督も「街頭も少ないし、道も細いし、風も吹いていてとても穏やかな空気で、まるで時間が止まっているような感覚。そこで起きるタイムリープというものが、皆さんをどう旅に連れて行ってくれるだろうかとことを感じています」としみじみ。
上田は「原作の史上最悪のパラドックスを抱えているような、タイムリーの中でも変化球みたいな作品を映画化したら面白いなと思って松居監督に相談したら、監督が尾道で撮影したいと言い出して。この映画の聖地でこんな作品を撮ったら、もうここに足を踏み入れられなくなると思ったんです。でも、尾道で撮影し全国で上映されるにふさわしい、エバーグリーンみたいな積算をもった王道の青春モノにもできるんじゃないかと考えを変えていったんです」と、脚本を書きあげるまでのストーリーを説明した。
3人の演技について、監督は「池田さんと橋本さんが同じ画角の中に撮るということは、映画監督なら必ずやりたいことでと思う」と諸手を挙げて絶賛すると、池田と橋本が互いに握手をして笑顔を見せる。
阿達については「僕も300年後の未来人なんてわからない。そこに、顔がとけちゃうような、初めて甥っ子に会ったみたいにニヤニヤしちゃう、心を持っていかれちゃう子が来た。これできっとクラスの謎の転校生が成功する、作品の展開があり得ると感じて、阿達くんに出会えたから遂行できた」とコメントし、阿達を称えた。
また、イベントでは「どんな本でも出版できるとしたら何がいい?」という質問が。上田は「映画のノベライズ版も出ていますが、シナリオ本がまだ出ていないので出したいです」と答え、池田は「飼っている猫の写真集」と。監督も「尾道にいる猫の本」と言い、橋本は「“グミガエル”ってめっちゃ可愛いカエルがいるんです。その本にします」とすると、阿達は「僕は“あだちねこ”というのがあって。本当は犬を描きたかったんですけど、上手く描けなくて猫になっちゃいました。なので、『“あだちねこ”の大冒険』とか」と答え、ファンを沸かせる一幕も。
さらに、<タイムリープ✕青春ミステリ>という本作にちなみ、登壇者の学生時代の写真と合わせて「リライトしたいエピソード」も発表。池田は「ケンカするほど仲のいい親友との時間を過ごしてみたい」とし、橋本は「怒られても言葉を返すことができなかった繊細に今だったら理詰めでやり返してみたい」と。阿達は「高校時代の写真がなかったので、(事務所に入所する前の)中学生の時の写真です」と愛犬とのツーショット写真を披露。「イベントにもあまり参加できなかったので、もっとお友達を作って高校生ぽいことしたいなと。青春を謳歌できるようにもうちょっと頑張れたらと思います」と、述べていた。
映画『リライト』
【STORY】
高校3年の夏。美雪は、転校生として現れた未来人の保彦と恋に落ちる。彼はある小説を読み、この時代に憧れて
タイムリープしてきた。7月21日、10年後にタイムリープした美雪は27歳の自分から一冊の本を見せられ、「あなたが書く小説」と告げられる。それは保彦がこの時代にやってくるきっかけとなった小説―。タイムリープから戻った美雪は「物語を書いて、必ず時間のループを完成させる」と約束し、保彦は未来へ帰っていった。10年後、作家になった美雪は小説を完成させたが、運命の日に高校生の美雪は現れなかった。いったい何が起きたのか?さらには美雪の小説に盗作疑惑がかけられ、同じ物語がほかも存在することが明らかになる。
“私だけの物語”のはずだったのに?なぜ10年前の美雪は現れなかったのか?
保彦がこの時代にやってくるきっかけとなった小説を書いたのはいったい誰なのか―?
出演:池田エライザ、阿達 慶、久保田紗友、倉 悠貴、山谷花純、大関れいか、森田 想、福永朱梨、若林元太、池田永吉、晃平、八条院蔵人
篠原 篤、前田旺志郎、長田庄平(チョコレートプラネット)、マキタスポーツ、町田マリー、津田寛治、尾美としのり、石田ひかり、橋本 愛
監督:松居大悟/脚本:上田 誠
原作:法条 遥 「リライト」(ハヤカワ文庫)
主題歌:Rin音「scenario」
音楽:森 優太
製作・配給:バンダイナムコフィルムワークス
コピーライト:©2025『リライト』製作委員会
公式サイト:https://rewrite-movie.jp/
公式X(旧Twitter):@Rewrite_movie
公式Instagram:@rewrite_movie
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6月13日(金)全国公開!