Open Close

李相日監督、井口理の歌声にゾッコン!「井口さんじゃなきゃダメ」 吉沢亮は“藤娘”シーン大幅カットにショック!?「一番練習したのに・・・」映画『国宝』特大ヒット記念舞台挨拶

DSC_5272

映画『国宝』の特大ヒット記念舞台挨拶が、7月25日、東京・109シネマズプレミアム新宿にて行われ、主演の吉沢亮と李相日監督が登壇。さらに、主題歌を務めた井口理(King Gnu)、原摩利彦がサプライズで登場し観客を喜ばせた。

作家・吉田修一自身が、本作の歌舞伎指導も務めた中村治郎の元で3年の間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を血肉にし、書き上げた小説「国宝」を実写映画化。本作は、任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記。

父を抗争の末に亡くし、上方歌舞伎の名門・丹波屋に引き取られ、稀代の女形として脚光を浴びていく主人公・喜久雄を吉沢亮、上方歌舞伎の名門・丹波屋の御曹司として生まれ、喜久雄の親友でありライバル、俊介を横浜流星、上方歌舞伎の名門・丹波屋の看板役者である花井半二郎を渡辺謙が演じ、さらに高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、見上愛、田中 泯ら豪華俳優陣が華を添え、原作者・吉田修一が「100年に一本の壮大な芸道映画」と認めた作品。李相日監督がメガホンを取り、脚本は『コーヒーが冷めないうちに』『おおかみこどもの雨と雪』などを手掛けた奥寺佐渡子が務めた。

DSC_5206

DSC_5204

6月6日の公開から7月24日までの49日間で観客動員510万人、興行収入71.7億円の特大ヒットを記録し、100億円突破も狙う勢いの本作。大ヒットを受けて吉沢は「本当に感謝しかないです。凄いなと」としつつ、「(映画を)観た方からの感想の熱量がとてつもなくて。この作品に集中して観てくださったんだろうなということが伝わる言葉をたくさんいただきますし、どの現場に行っても『”国宝”観たよ』と言っていただいて、本当に凄い広がりになっているんだなと肌で感じています」と感激しきり。

DSC_5208

第78回カンヌ国際映画祭をはじめ、トロント映画祭のスペシャルコンペティション部門にも選出され、海外での配給も決定するなど、日本のみならず世界中から注目を集めているが、李監督は「トロントはヨーロッパやアジアとはまたちょっと違う文化圏なので、どんな反応が返ってくるか楽しみですね。北米の映画ファンにとっての一番大きな窓口となるので、アメリカの人たちにどう届くのかアピールしていきたい」と意気込んだ。

DSC_5196

この日は、会場の観客と映画に関するQ&Aを実施。喜久雄の背中の入れ墨についての質問には「あれは描くのと、シールの2パターンがあったんですが、8割が描きでしたね」と監督。吉沢は「描くほうは、4時間くらいかかるんですが、僕はずっとうつ伏せで寝そべっていて。もう首がバキバキになるんですよ」と苦労を語りつつ、襟からちょっとしか見えないのに描いたのもあって。(これは)シールで良くない!?っていうのもありましたね」と笑った。

また、クランクアップの時の気持ちを問われると、「今まで味わったことのない複雑な感情だった」と振り返る吉沢。「いつも(他の作品が終わるときは)達成感が強く出るんですが、今作は達成感ともちがう、寂しいとも違う、いろんな感情がぐちゃぐちゃになって涙しそうになりました」と続けると、監督が「泣いてましたよ」と、当時の吉沢の様子を話し、「(吉沢くんは)撮影中に苦しいとか、しんどいとかあまり言う人じゃなかった。たぶん彼の中で喜久雄という人間をずっと内に抱えながら生きてきたんだと思う。それが終わりましたといってすぐ抜けるものでもない。非常に印象的な瞬間でしたね」と回顧する。

その時は、すでに撮影が終わっていた横浜流星も駆け付けたそうで、吉沢は「1年半一緒に稽古を積み重ねてきたので、『いい作品になるといいね』という言葉を交わしたと思います」と明かしていた。

DSC_5210

印象的なシーンの中に喜久雄がビルの屋上で舞うシーンがあるが、この場面は台本とは違うアドリブだったとのこと。「3テイク撮って、3テイクとも違うものだった」と監督。吉沢は「森(七菜)さんの『どこ見てるの?』というセリフが、喜久雄という人間の核心を突かれたような感覚があって・・・自然にポロっと出てきた(セリフ)という感じ。それが3テイク目で、とても印象的だったのでそれが使われて嬉しかったですね」としみじみ。

他にも、歌舞伎の演目のシーンが多く撮影されているが、「カットされてしまったシーンはあるか?」という問いに、吉沢は「一番練習したのは最初の“藤娘”なんです。あれ、本当はあの後20分弱踊っているんです。でも、最初のたぶん17秒くらいしか使われてなかったんでちょっとびっくりしました」と、李監督をチラリ。監督は「本当に、泣く泣くですよ」と苦笑いするも、「すり足、鶴亀、そして女形の初めの踊りとして“藤娘”の練習を始めたんです。一番長く練習した演目だったので、ちょっと自信があるというか、“見てくれ!”という感じだったので・・・」と大幅カットを悔しがっていた。

DSC_5246

さらに、後半では主題歌歌唱を務めた井口理(King Gnu)と、音楽を担当した原摩利彦がサプライズで登場し会場がどよめく。最初に依頼を受けた井口は「まず、ラッシュを観て“歌、要らなくね?”と思いましたね。すでに完璧でした。それだけにプレッシャーでした」と素直な感想を吐露。それでも「井口さんの歌がなくちゃダメですよ」と声を揃える監督と原。監督は「男とも女とも言えない表現の声が欲しかった」と言い、吉沢も「最後のシーンで、そこから降りてくる(井口の)声が素晴らしかった」と絶賛。原も「現代神話のようにしたかった」と、その意図を語る。井口も映画を観て「邪魔なく(歌を)入れたいと思った。(出来栄えに)やって良かったなと思いました」と満足げ。

DSC_5260

DSC_5237

間奏の部分は井口のアドリブだったそうだが、「20~30テイクやって、ファーストテイクが使われたんです」と言い、「実は僕、他人の前で歌うのが苦手で・・・」と、井口のまさかの言葉に、吉沢も「わかる。僕も屋上のシーンのリハでスタッフさんが50人くらいいて、マジでやりづらかった(笑)」と、井口の気持ちに同調した。

DSC_5252

DSC_5262

また、友人でもある吉沢の印象的な演技について、井口は「神社のシーンで、もの凄く恐ろしい顔をしていた。普段は見せない顔。ゾッとしましたね(笑)」と述べ、「あと、渡辺謙さん演じる花井半二郎が事故に遭ったと聞いたあと、喜久雄と俊介がモリモリ食べているシーン。」あ、半二郎さん元気だったんだ・・・とホッとしました(笑)」と感想を話し、「嬉しいなあ」と監督を喜ばせていた。

最後に、吉沢が「この作品は、役者さんのお芝居だったり、カメラワーク、ライティング、そして音楽と、1つの作品として総合芸術としてのクオリティの高さが大きな魅力の1つだと思います。公開から1か月半経った今もこうしてたくさんの方に愛していただいていて、これからももっとこの作品が広がっていけば嬉しいです」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。

KH_honp_RGB

<ストーリー>
後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた。

この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄は、抗争によって父を亡くした後、
上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。
そこで、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介と出会う。
正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人。
ライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていくのだが、
多くの出会いと別れが、運命の歯車を大きく狂わせてゆく…。

誰も見たことのない禁断の「歌舞伎」の世界。
血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切り。
もがき苦しむ壮絶な人生の先にある“感涙”と“熱狂”。

何のために芸の世界にしがみつき、激動の時代を生きながら、
世界でただ一人の存在“国宝”へと駆けあがるのか?
圧巻のクライマックスが、観る者全ての魂を震わせる ――。

<作品概要>
タイトル:『国宝』
原作:「国宝」吉田修一著(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
脚本:奥寺佐渡子
監督:李相日
出演:吉沢亮
横浜流星/高畑充希 寺島しのぶ
森七菜 三浦貴大 見上愛 黒川想矢 越山敬達
永瀬正敏
嶋田久作 宮澤エマ 中村鴈治郎/田中泯
渡辺謙

製作幹事:MYRIAGON STUDIO
制作プロダクション:クレデウス
配給:東宝
コピーライト:©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会
公式サイト:kokuhou-movie.com
公式X:https://x.com/kokuhou_movie
公式Instagram:https://www.instagram.com/kokuhou_movie/

『国宝』旋風、吹き荒れる!大ヒット公開中!