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『渇き。』公開記念舞台挨拶!愛か?劇薬か?2014年最もヤバい問題作に賛否真っ二つ!

『告白』の中島哲也監督 最新作

『渇き。』

2014年、衝撃度NO1の「渇き。」が、いよいよ27日より全国公開となった。過激でディープな内容に加え、役所広司をはじめとする俳優たちの狂気に迫る迫真の演技と、中島監督の冴えわたる演出により、“エンタテインメント”を超える“劇薬エンタテインメント”として完成。公開を記念し、6月28日、TOHOシネマズ日本橋にて、出演者による舞台挨拶を行った。その衝撃度の高さゆえ、すでに賛否両論を巻き起こしている本作の感想を、登壇した出演者の前で、観客にその賛否もたずねてみた。

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登壇者:役所広司、小松菜奈、橋本愛、中谷美紀、中島哲也監督

400席の会場が満席となった舞台挨拶。衝撃度の高さから賛否両論を巻き起こしている本作ゆえに、中島監督は「途中で帰ってしまった人が大勢いるかもと心配していたので、たくさんの方が残ってくれていて嬉しい」と安心した様子。

主演の役所さんは「こんなダメなやつの役は初めてでした。多くのことにチャレンジした作品なので、たくさんの方に観ていただけると嬉しい」と公開を迎えた心境を語り、監督は「主人公・藤島の暴力的な部分と滑稽な部分の両面を演じられるのは役所さんしかいないと思っていたから、引き受けてくれてよかった。好感度が下がりそうな役なのに…。役所さんがいなかったらこの映画はできなかった」と感謝を口にした。

豪華な俳優陣による演技合戦が見どころの本作だが、ハードな描写が多いため撮影も過酷をきわめた様子。役所さんが橋本さんにノックアウトされるシーンの撮影では「電流は通らないが、針はついたままのスタンガンを当てられたので、その針の傷が10個くらいついた。橋本さんとの思い出の傷です(笑)」と役所さん。対する橋本さんも「そのシーンの翌日はあざだらけでした。おあいこですね(笑)」と振り返った。

常軌を逸したように笑い続け、周りを翻弄していくヒロイン・加奈子を演じた小松さんは「思いっきり笑うのって難しいんです。途中で冷めちゃったりもして…大変でした」とコメント。本作が映画初出演となった小松さんだが、厳しいことで有名な中島監督や、大先輩の共演者たちにも可愛がられていた様子。中谷さんが「監督は男性キャストだけ撮影のときには『加奈子がいない』と寂しそうで。加奈子の写真を貼って、いつもそのイメージを頭に置きながら撮影されていました」と監督の意外な一面を暴露すると、監督も負けじと「中谷さんも小松さんのクランクアップのときには号泣してたよね」とエピソードを披露。

「すべてが初めてだった」という小松さんは「オーディションのときにはこれから女優をやっていきたいのか分からなかったんですが、『渇き。』を経験したことで、これからも色々な役にチャレンジしていきたいと思うようになりました」とコメントし、これからの活躍を予感させた。

最後に会場の観客に映画の感想を「愛」か「劇薬」か、うちわで示してもらったが結果は真っ二つ!役所さんは「映画に出る人間としては中島監督がこういう作品を作ってくれて嬉しい。『渇き。』をきっかけにまたいろいろな種類の映画が作られると良いですよね。何度か観ると違った何かが見える、そんな映画だと思うので、ぜひたくさん人に見てもらいたい」とPRした。


【STORY】
元刑事のロクデナシ親父・藤島(役所広司)に離婚した元妻から連絡が入った。成績優秀なうえ、容姿端麗、学園のカリスマでもある女子高生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪したという。自分のせいで全てを失った男が、再び“家族”を取り戻すべく、姿を消した娘の行方を追うことに。娘の交友関係をたどって行く先々で、語られる「知らない加奈子像」に戸惑う藤島。想像を超えて肥大し、踏み入れるほどに見失う娘の正体。
やがて藤島の激情は、果てしない暴走をはじめる―。

 『渇き。』
出演:役所広司 小松菜奈
妻夫木聡 清水尋也 二階堂ふみ 橋本愛 / 國村隼 / 黒沢あすか 青木崇高 オダギリジョー/中谷美紀
監督:中島哲也  脚本:中島哲也 門間宣裕 唯野未歩子  原作:深町秋生 「果てしなき渇き」(宝島社刊)
企画:ギャガリクリ 製作:ギャガリクリ/GyaO! 制作プロダクション:リクリ  配給:ギャガ
(C)2014「渇き。」製作委員会
公式サイト:http://kawaki.gaga.ne.jp/

TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開中!