
2026年9~11月に安田章大主演の舞台『髪結いの亭主』の上演が決定した。脚本演出は石黒麻衣。
1990 年に公開されたパトリス・ルコント監督の代表作『髪結いの亭主』は、一人の男の純粋で偏愛的な恋心を描いたフランス映画の傑作。公開から30年以上経つも今なお、90 年代ミニシアターブームを代表する名作として語り継がれている。
今回、この美しくて儚く夢のような男女の愛の物語が、 脚本・演出に劇団普通主宰の石黒麻衣により大胆にアレンジ。
物語を1950 年代の茨城県にある小さな理容室へと移し、主演に安田章大を迎え、日本で初めての舞台化される。
共演には、中村映里子、丸山智己、占部房子、村木仁ら実力派俳優陣が集結。繊細な人間模様を描く。
【原作 映画『髪結いの亭主』監督・脚本 パトリス・ルコント コメント】
30 年以上前、この映画を制作しようと考えたとき、これは非常に私的で内面的な作品になるとわかっていました。心の奥底では、この物語に誰も興味を持ってくれないのではないかと不安でした。というのも、ごく単純で、かつ儚いラブストーリーだからです。
ところが、映画が公開されるとそれなりの成功を収めました。私は安堵し、嬉しく思いました。
しかし、何よりも私を幸せにしてくれたのは、この映画が多くの国で配給され、国際的な成功を収めたことです。その中には日本も含まれていました。当時、私は新作映画の撮影中で、映画『髪結いの亭主』の日本公開に同行できませんでした。しかし、この映画が放つ輝く感情が、日本の皆様の心に触れることはわかっていました。心より愛してやまない日本の皆様に深く感謝申し上げます。
脚本の執筆中、私は舞台化することを一切考えていませんでした。ひとつの場、理容室という特別な場所、登場人物も少ないというお芝居にはうってつけの条件であるにもかかわらずです。フランスでは、何度か舞台化の試みが検討されましたが、どれも実現には至りませんでした。
今日、『髪結いの亭主』が日本で新たな命を吹き込まれることを知り、私はこの上ない喜びに満たされています。なぜなら、私が表現したかったことを最も深く理解し、共感してくださったのは日本の皆様でした。
私は、この舞台が成功を収めることを確信しております。そして映画の感動がもう一度もたらされ、分かち合われることになるでしょう。
石黒麻衣 コメント
独自の会話における間と身体性によって醸し出される緊張感を特徴とする劇団普通の主宰。全作品の作・演出を手掛ける。リアリティを極限まで追求した“会話劇”とは一線を画す“態度劇”とでも言うべき演劇の表現における新たな試みで話題となっている。近年は出身地の茨城弁による全編方言芝居を上演し、作品の幅を広げている。2025 年上演の『秘密』『季節』で第 33 回読売演劇大賞において優秀演出家賞を受賞。『季節』は第 70 回岸田國士戯曲賞の最終候補作品としても選出された。近年の主な作品に、『春』(26)、『季節』『秘密』(25)、『病室』『水彩画』(24)、『写真』『風景』(23)など。
"パトリス・ルコント監督の『髪結いの亭主』を舞台にする。その戯曲を書き、演出を自分がする。しかも茨城弁で!"このことが決まった時、胸が高鳴るのを感じました。
何故ならこれは私にとって全く新たな挑戦だったからです。そして同時に、この作品が持つ静かで密やかな、しかしそこに内包された切実な感情に、普段私が作っている茨城弁の作品に通ずるものがあると感じ取ったからです。海外の映画に、日本の地方の家族を描く劇団普通の作品との共通点を見つけたことは新鮮な驚きでした。
そして、主演の安田章大さん。初めてお目に掛かった時、私の作品に対し丁寧で熱意溢れるご様子でお話されていたことが強く印象に残っています。深い洞察力と探究心、素晴らしい俳優であることは言うまでもなく、さらに、時折り見せる憂いのある表情がこの滲み出るような感情を体現してくれる存在になることを確信しました。新しいこと、これまで自身が積み上げて来たこと、そして安田さんの持つ魅力、それらが融合した、想像を超えるものが生まれる予感がしています。
安田章大 コメント
2023 年、劇団普通『写真』のフライヤーに興味を持ち、観劇に行きました。とても好きな演劇スタイルでした。理由は明確でした。
「何気ない日常のやり取りの中に潜む人間の本質がいつも見え隠れしている。何が本音で、何が嘘なのか区別がつきにくい特徴が人という生き物にはある。適当に相槌を打つ時もあれば、傾聴して相槌を打つ時もある、なのに、その状態を見たり聴いたりしている第三者、あるいはその 2 人を取り巻く受け取り手は間違って理解することがある。人間はいかに愚か且つ、愛おしいか。その不完全な人間関係、会話、態話、が物心ついた頃には僕は軽妙に感じていたのでした。」
それらが劇団普通にはありました。
終演後お声をかけさせていただき、お話をさせていただきました。そして、現在に繋がっています。
名作『髪結いの亭主』が1950年代に茨城にて存在するとどうなるのか。
石黒さんを筆頭に、キャスト、スタッフ全員で揉み、内包された言葉にし難いものをお届けします。
中村さんとは、内側を向け合い、互いの心理に寄り添いたいです。
相手が在るから僕が在れる
僕が在るから相手が在れる
望ましい形です。
舞台『髪結いの亭主』を通じてご自身に内包されているあらゆる感覚に耳を傾けてみてくださいませ。
PARCO PRODUCE 2026
『髪結いの亭主』
【東京公演】2026年9月28日(月)~10月25日(日) 新国立劇場 小劇場
【広島公演】2026年11月5日(木)~6日(金) JMSアステールプラザ 大ホール
【大阪公演】2026年11月12日(木)~20日(金) 森ノ宮ピロティホール
【原作】 映画『髪結いの亭主』(監督=パトリス・ルコント 脚本=パトリス・ルコント、クロード・クロッツ)
【脚本・演出】 石黒麻衣(劇団普通)
【出演】 安田章大 中村映里子 丸山智己 占部房子 村木仁
用松亮 浅井浩介 武谷公雄 中山求一郎 香月彩里
公式サイト https://stage.parco.jp/program/kamiyuinoteishu/
















