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のん&片渕須直監督、終戦記念日再上映に深い思い 映画『この世界の片隅に』再上映 舞台挨拶! 12月には『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』公開

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8月15日、東京・テアトル新宿にて、映画『この世界の片隅に』が再上映され、主人公・すずの声を務めた、のんと、片渕須直監督が舞台挨拶に登壇した。

本作は、第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずを描いたアニメーション。2016年11月12日の公開と同時に、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞をはじめ、国内外から数々の賞を受賞し、口コミなど深い感動の輪が広がり大きな反響を呼び、本日まで642日、1日も途絶えることなく劇場で上映が続いている。

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大きな拍手で迎えられ、片渕監督は「作品を作り始めた時も、出来上がって後も皆さんの支援があってこそ。また、常に上映をしてくださっている劇場の方々のおかげです」と感謝の気持ちを吐露。

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のんは「こんなに長く1つの作品と付き合うのは初めてで、とても貴重な体験です。こんなに皆さんに愛されている作品は世界中でこの作品だけじゃないかと思ってしまうほど。すごく嬉しいです」と感慨深げ。片渕監督も「こんなにたくさんのお客さんに来ていただき、こんなにたくさんのマスコミの皆さんがのんちゃんを撮りに来ていただき、素晴らしい、ありがたいなと思います。機会が与えられるなら、まだまだ上映を続けていきたいです」とコメントした。

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この日、8月15日は終戦記念日。本作の公開日について監督は「多く『8月公開だよね?』と言われたが、すずさんの日常は8月以外にも色々あって、あえて夏をさけて冬の公開にしようと思った」と、あえて8月公開にしなかった理由を明かし、「そして1年以上ご覧になってくださっている中、8月はご覧になってくださっている方々がご自分の親戚や近い人がどうしていたのかを考える時。お盆の時期に色々な人々の顔を思い出せる日に上映することで、近い人を思い出す機会になってもらえれば」と思いを伝えた。

劇中でも終戦を迎えるすず。「普段はおっとりしていますが、畑で玉音放送を聞き、それまで押し込めていた感情が出てきたんだと思います。自分でも説明できない訳のわからない涙が」と語るのん。その収録では「とても難しい演技で大変でしたが、監督が(収録の)部屋を真っ暗にしてくれて感情を出しやすくしてくださいました」と振り返っていた。

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また12月には、新規シーン30分を追加した長尺版「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が公開される。すでに、特報映像のアフレコ収録済みだが、のんは「期間が空いていたので不安な気持ちがあったのですが、ブースに入って何度かやるうちに、『大丈夫だな』と思い手応え感じました(笑)」と笑顔を見せると、監督から「できあがった部分を聞いてくださった(原作の)こうの史代先生が、『今までにない大人の声のすずさんですね』って言ってらっしゃいました」と話すと、のんは「褒め言葉ですよね!?」と驚きながらも満面の笑みを浮かべて喜んだ。

最後に片渕監督は「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」への思いを、「『この世界の片隅に』は、すずさんの人となりを紹介していく映画でした。時間の関係でカットした場面もありましたが本当はもっと長く、すずさんが出会った人はもっともっといて、すずさんだけでなく周りの人、出会った人たちのことも含めて語ることによって、すずさん自身がどんな風に変わっていって、最後の結末に至ったのかということを描いていきたい」と述べ、イベントを終了した。

『この世界の片隅に』
どこにでもある 毎日の くらし。昭和20年、広島・呉。わたしは ここで 生きている。
すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた――。

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
ここではひとりぼっち、と思ってた。
広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19(1944)年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりを感じてしまう。昭和20(1945)年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。そして昭和20年の夏がやってくる――。

声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓/ 澁谷天外(特別出演)
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊) 企画:丸山正雄 監督補・画面構成:浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典 美術監督:林孝輔
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎
監督・脚本:片渕須直
製作統括:GENCO アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル
製作:2018「この世界の片隅に」製作委員会
公式サイト:http://ikutsumono-katasumini.jp
(C)2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

テアトル新宿・ユーロスペースほかにて12月全国公開