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映画『彼らが本気で編むときは、』 第67回ベルリン国際映画祭 テディ審査員特別賞受賞!日本映画“初受賞”の快挙!

「トランスジェンダーの息子に、“ニセ乳” を編んで与えたお母さん」
荻上監督が、ふと目にした新聞記事から、この映画は生まれました

映画 『彼らが本気で編むときは、』

生田斗真、桐谷健太、荻上直子監督の“本気”の熱情あふれる意欲作
国境を越え、LGBT権利の先進国であるドイツ・ベルリンの人々の心に届く!
第67回ベルリン国際映画祭
テディ審査員特別賞(TEDDY Special Jury Award)受賞
31年目にして、日本映画“初受賞”の快挙!

オフィシャル写真

『かもめ食堂』(06)、『めがね』(07)などで日本映画の新しいジャンルを築き、その世界観から女性に圧倒的人気を持つ荻上直子監督がメガホンをとり、生田斗真や桐谷健太、ミムラ、小池栄子、門脇麦、りりィ、田中美佐子ら豪華キャストの共演が話題の『彼らが本気で編むときは、』。2月25日(土)より全国ロードショー。

本作は、2013年にアメリカ留学から帰国したのち、セクシュアル・マイノリティの人たちへの対応が社会的にやや遅れている日本に違和感を抱いた荻上直子監督が、「トランスジェンダーの息子に、“ニセ乳” を編んで与えたお母さん」の新聞記事を目にしたことから着想を得て、自身でオリジナル脚本を作り上げた本気の意欲作。

優しさに満ちたトランスジェンダーのリンコ(生田斗真)と、彼女の心の美しさに惹かれ、全てを受け入れる恋人のマキオ(桐谷健太)の前に現れた、愛を知らない孤独な少女トモ(柿原りんか)。桜の季節に出会った3人が絆を紡ぎながら、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる日々を描いた物語は、トランスジェンダーをテーマのひとつにしながらも、5組の「母と子」の多様な関係性を描く「家族の枠組み」を更なる大きなテーマに据えている。

この度、2月9日より開催中の第67回ベルリン国際映画祭において、パノラマ部門、ジェネレーション部門の2部門に選ばれる快挙を成し遂げた本作が、ベルリン映画祭で上映されたLGBT(セクシュアル・マイノリティの人たち)をテーマにした全37作品の中で、優れた作品に与えられる“テディ審査員特別賞”を受賞しました!1987年に同賞が創設されて31年。邦画作品として初めて受賞する快挙です!テディ賞は、全世界の映画祭の中で、もっとも権威のある、最高峰のLGBT賞だ。

このわずか数年で、日本でも、セクシュアル・マイノリティの人たちの人権、差別撤廃が叫ばれるようになった。数年前までは考えられなかった、メジャー級の邦画で、人気絶頂の俳優、生田斗真と桐谷健太がセクシュアル・マイノリティのカップルを演じるという『彼らが本気で編むときは、』。荻上監督が「人生においても映画監督としても、荻上直子、第二章」と宣言してスタートし、生田斗真も「20年の俳優人生の中で、最も苦労した役であり、最も厳しい監督でした!」と語り、桐谷健太も「自分の俳優人生において、ターニングポイントどころか、ゴーイングポイント(※)になる作品!」と明言するほど、監督もキャストも熱い意気込みでのぞんだ本作。
(※ 「ターンする必要はなく、真っ直ぐ突き進む時だ」ということ。桐谷さん独自の表現。)

日本国内のLGBT人権活動はまだ産声を上げたばかりだが、LGBT人権について大変進んでいるドイツの地で開催されているベルリン国際映画祭の“テディ審査員特別賞”を、日本作品が受賞したことは、社会的にも、文化的にも、大変意義のある大きな第一歩となった。

15日に行われたレッドカーペットやプレミア上映には、生田斗真、桐谷健太、柿原りんかのキャスト3人も参加しましたが、キャストが一足早く帰国したため、受賞式には荻上監督のみが出席。荻上監督の受賞のコメントが届いた。
「ベルリン国際映画祭の全作品の中で、LGBTを題材にした映画に贈られる特別な賞なので、この“テディ審査員特別賞”は、非常に嬉しいです。でも私は、正直、トランスジェンダーの人がトランスジェンダーのことで悩んでいるだけの映画は作るつもりは最初から無くて、「女性として普通に」恋愛をし、仕事をし、生活を営んでいる「普通の女性」を描きたかったんです。差別されたり、理解されなかったり、陰口をたたかれたり、傷つけられたり、大きな悩みを抱えながらも、前向きに生きる「ひとりの女性」を、です。トランスジェンダーの人でも心は女性なのだから母親になれるかもしれないという夢を見れることや、血の繋がりがなくても親子になれる希望が持てることや、子どもを産まなくても母性を持てることや、さらに「その恋人」や「その家族」、「母親と子ども」の関係性を一番描きたかったんです。この映画が「さまざまな家族のカタチ」を受け入れたり、考えたりすることのきっかけになって欲しいんです。今まで持っていた「普通」の概念を見直すきっかけになれれば嬉しいです。この映画をみて、LGBTに対する理解を深めてほしいと心から願っています。ベルリン、Danke schön!(ありがとう!)」

日本人としてただ一人の審査員である、今井祥子さんのコメントが届いた。
「審査員全員一致での決定でした。審査員の中でも一番絶賛されたのが、『彼らが本気で編むときは、』が、子どもの目を通して、セクシュアル・マイノリティの家族を描いた点です。そして、観ているだけでお腹が空きそうな料理の数々や、日本に訪れたくなる美しい桜並木など、荻上監督の独特のディテールは、外国人審査員の心をさらに掴んでいました。日本作品でありながら、世界に十分アピールできる「家族の物語」になっていましたし、その証拠に、一般の観客の評判がもっとも良い作品だったことも、私たちが納得して「テディ審査員特別賞」を授けるのにもっとも相応しい作品だと思ったのです。」

壇上でプレゼンターもつとめたパキスタン人審査員、Saadat Munir氏のステージでの受賞コメント
「小学5年生の少女の目を通じて、このレインボーファミリーに惚れ込んでしまった!子役と、主演の役作りは実に説得力があり、心から楽しめました。」

さらに、パノラマ部門のディレクターである、Wieland Speck(ヴィーランド・シュペック)氏のコメント
「荻上直子の大ファンなんだ。彼女のことは昔からよく知っています。なぜって彼女は今回でもうベルリン国際映画祭、4作品目だからね。(主人公の3人は)普通の家族ですが、周りには普通と見られていない。『彼らが本気で編むときは、』を観る人に、普通とは何かということが問いかけられているのが、この映画の面白さのひとつでもあるんですよ。」

テディ賞とは
1987年に創設された、LGBT映画を表彰する賞。1992年からベルリン国際映画祭の正式な賞と認められ、ベルリン国際映画祭の審査員とは独立した審査員によって選ばれる。同様の賞としてヴェネツィア国際映画祭にクィア獅子賞(2007年~)、カンヌ国際映画祭にクィア・パルム(2010年~)があるが、テディ賞はそれらの20年以上前から実施されている、最も歴史ある賞である。

日本でも、文部科学省選定作品として少年向き、青年向き、成人向きの部門に選出、さらに、日本国内で初めてパートナーシップ証明書を導入した、LGBT先進自治体である渋谷区および渋谷区教育委員会が本作を初の「推奨作品」とするなど、国内外で多くの評価と支持を続々と集めている!世界中を魅了する爽やかで心地よい極上のエンタテインメント作品『彼らが本気で編むときは、』は、いよいよ2月25日(土)より全国公開!

<映画祭情報に関して>
第 67 回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品決定!! ジェネレーション部門でも特別上映が決定!
2月9日より2月19日までドイツ・ベルリンで開催中の、第67回ベルリン国際映画祭。本作は、パノラマ部門とジェネレーション部門の2部門に上映が決まる快挙!ベルリン国際映画祭には、生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、荻上直子監督が参加。ジェネレーション部門の特別上映が決定したのは、映画祭のプログラミングディレクターが、本作品を大変気に入り、ティーンエージャーにも是非とも見せたい映画!という強い要望で決まりました。ベルリン国際映画祭は、カンヌ・ベネチアと並ぶ世界三大映画祭のひとつで、世界各国の映画人や映画マーケットに参加する人たちが集う由緒ある映画祭です。本映画祭で、荻上監督やキャスト陣が本作の魅力を世界に発信します!

<ベルリン国際映画祭とは>
ドイツの首都ベルリンで開催される国際映画製作者連盟公認の国際映画祭。カンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭と並び、世界三大映画祭のひとつに数えられ、開催67回を誇る歴史と権威を併せ持つ。世界的大都市で開催される事から注目度も高く、圧倒的な存在感を示し続けている。2016年度は来場者50万人、チケット販売33万枚、映画関係者1万7千人、上映本数395作品を記録。特徴として社会派作品が集まる傾向があり、受賞作品の多くは世界的な興行で成功を収めている。これまでに434本の日本映画が上映されており、黒澤明監督、宮崎駿監督、園子温監督など、数多くの監督や俳優が賞を受賞してきた。2016年度は黒沢清監督の『クリーピー 偽りの隣人』、ウェイン・ワン監督の『女が眠る時』など18作品が正式出品された。
『彼らが本気で編むときは、』上映部門:パノラマ部門、ジェネレーション部門の2部門

出演:生田斗真、柿原りんか、ミムラ、小池栄子、門脇麦、柏原収史、込江海翔、りりィ、田中美佐子/桐谷健太 ほか
脚本・監督:荻上直子
配給:スールキートス
© 2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
公式ウェブサイト http://kareamu.com
公式Twitter https://twitter.com/kareamu
公式Facebook https://www.facebook.com/kareamu/

2017年2月25日(土)、新宿ピカデリー・丸の内ピカデリーほか
全国ロードショー!