映画『ヒノマルソウル～舞台裏の英雄たち～』の完成披露イベントが、4月5日、東京・内幸町のイイノホールにて行われ、主演の田中圭をはじめ、共演の土屋太鳳、山田裕貴、眞栄田郷敦、小坂菜緒(日向坂４６)と飯塚健監督、さらに本作のモデルとなった西方仁也氏、原田雅彦氏が登壇した。
1998年の長野オリンピックで金メダルに輝いたスキージャンプ団体をモデルに、その栄光を陰で支えた25人のテストジャンパーたちの知られざる実話を描いたヒューマンストーリー。惜しくも日本代表から落選し、テストジャンパーとなった西方仁也を田中圭、西方の妻・幸枝を土屋太鳳、西方と同じくテストジャンパーで聴覚障がいのある高橋竜二を山田裕貴、唯一の女子高校生テストジャンパー小林賀子を小坂菜緒、ケガが原因でトラウマを抱えてしまった南川崇を眞栄田郷敦が演じる。
コロナ禍の影響で公開が約1年の延期となった本作だが、田中は「本来であれば去年の6月には公開していたはずなんですが、公開が延期になって。今年の5月7日に公開されると決まった時は嬉しかったですし、今日このように完成披露として皆さんと（公開の）一歩目を迎えられて幸せです」としみじみ。「本当は何事もなく去年公開したほうが良かったのですが、僕的には楽しみが伸びて、ワクワクした楽しい1年をプレゼントしてもらった気持ちです」と笑顔を見せた。
山田は「僕も完成作品を観て、本当にいい映画に出させていただいたと思いました」と目を輝かせ、「たくさんの方に観ていただきたいと思いました。やっとスタートバーに腰を付けた感じというか･･･」と物語の内容にかけて話を続けると、田中が「飛んどく？ オレ、スタートバーやるよ」と茶化す。思わず「だ、大丈夫です。いま真面目に話そうとしていたので･･･」と田中の話をシャットアウトし、「今日は（自身の役のモデルとなった）高橋さんも来場されていて、先ほど『ありがとう』と言ってもらえたんです。観客の皆さんはもちろんですが、ご本人にこの感動を伝えられたことは本当に嬉しかったです」と胸を張った。
田中と夫婦役を演じた土屋は「私はほとんど圭さんとしかご一緒していませんが、前の作品でちょっと違う夫婦を演じていたので頭が切り替えられるかなと思ったんですけど･･･」と話しつつ、「圭さんは安心感があって、心を繋げてくださるので、お芝居でも刺激をいただける。実際にお子さんがいらっしゃるということで、子役の子にも慣れていらっしゃいました」と田中を称える。さらに、「あと、まだいっぱいあるんですよ･･･いいところが。皆さんをご飯に連れて行ってくれたり、みんなを仲良くさせるために、自分から『いっぱい飲むぞ！』と言って楽しませてくれて･･･」と話し始めると、すかさず田中が「その話、一回やめましょうか(笑)」と慌てて遮る。不思議そうな顔をした土屋は「お芝居でも引っ張ってくださいましたし、すごくチームを大切にして現場を引っ張ってくださいました」とニッコリ。田中は「いや、ただちょっと嫌な予感がしただけ･･･」と言って笑いを誘っていた。
また、「人との出逢いが一番だと思っている」という田中は、「最後の最後まで決断できないウジウジとしている西方の姿にイラっとしたと思うけれど、西方も人によって影響されてく。その姿に感動しました」と吐露。それゆえに、実在する人物を演じることの難しさについても言及し、「ありのままに伝えたいと思ったが、自分の思いが違うふうに伝わってしまう悔しさは自分も知っているので、西方さんの気持ちをどれだけ伝えられているか考えました。西方さんは凄く人間ぽいんです」と不安もあったようだが、「ご本人から『思いっきりやってください』と言ってもらい、また1つギアが入りました」と、西方氏の言葉に感謝。「（西方氏と原田氏の）２人の絆を僕らも映画を通して体験させていただきました」と述べた。
印象的なシーン、好きなシーンを聞かれると田中は古田新太とのシーンを挙げ「トンネルの中で見つめ合うところがあって。無言の間があるんですが、あの人、僕の（役の）名前を忘れているだけですからね！（笑）。あれがベテラン俳優の匠の技なんですよ」と暴露し「田中圭として見返すと笑ってしまう。見どころです」とアピール？
眞栄田は「高橋さんが飛ぶ前に西方さんを見て笑っていたところです(笑)」と明かし、小坂は「私が発した言動で流れが変わったところです。女の子1人の言動で大人の人を動かすことができたシーンです。役だからこそ言えたセリフでした」と述懐した。
イベントの終盤には、本作のモデルとなった西方氏と長野五輪金メダリストの原田雅彦が登場。西方氏は「田中圭さんには自分の心の内を正確に演じていただいて、私がどう感じているのかという気持ちが、言葉になって、画像になって皆さんにお伝えできて本当に感謝しています」とほほ笑み、「長野五輪は複雑な気持ちで参加しましたが、原田くんたちが取ってくれた金メダルに貢献できたことを非常に嬉しかったです。今でも誇りに思っています」と晴れ晴れとした表情で語ると、原田氏も「色んな奇跡が続いて金メダルを取らせてくれたと思っています。西方とは同い年で、子供のころからライバルだった、一緒に戦った仲間です」と称え合い、「長野に集まってくれたお客さんも含め、みんなで取った金メダルなんです」と感慨深げに話すと、改めて会場は感動に包まれる。
そして、フォトセッションでは、原田氏が突然ポケットから金メダルと取り出し、田中の胸掛けるサプライズも。田中は「ちょっと一瞬危なかったです。グッと来ちゃいました。何度見ても、何度触らせていただても重いですね･･･」と感無量の表情で、メダルを手に取り見つめていた。
映画『ヒノマルソウル～舞台裏の英雄たち～』
【ストーリー】
１９９８年長野オリンピック。日本スキージャンプチーム・通称“日の丸飛行隊”は国民の期待を一身に背負ってラージヒル団体で日本初の金メダルを狙っていた。
そこに、エース原田のジャンプを特別の想いで見守る男がいた。元日本代表・西方仁也だ。前回大会・リレハンメルオリンピックで西方は原田とともに代表選手として出場。
西方は日本代表最高飛距離１３５ｍを飛び、金メダル目前だったが、原田がジャンプを失敗。銀メダルに甘んじた。西方は４年後の長野オリンピックでの雪辱を誓い練習に打ち込み、代表候補として有力視されていたが、まさかの落選。悔しさに打ちひしがれる中、テストジャンパーとして長野オリンピックに参加して欲しいと依頼される。テストジャンパーとは、競技前にジャンプ台に危険がないかを確かめ、競技中に雪が降った際には何度も飛んでジャンプ台の雪を踏み固めるジャンパーのこと。
西方は裏方に甘んじる屈辱を感じながらも、様々な思いを抱えて集まっていたテストジャンパーたちと準備に取り掛かる。そして、本番当日。団体戦の１本目のジャンプで、またしても原田が失敗。日本は４位に後退してしまう。しかも猛吹雪により競技が中断。このまま競技が終れば、１本目のジャンプの結果のみで順位が決定してしまう。
そんな中、審判員たちの判断は、「テストジャンパー25人が全員無事に飛べたら競技再開する」というものに。奇しくも、日本の金メダルへの道は、西方率いる２５人のテストジャンパーたちへ託されたのだった…！これは記録にも記憶にも残らない、舞台裏の英雄たちによる奇跡の大逆転。この隠された真実に、あなたはきっと、涙する――。
【キャスト】
田中圭（西方仁也）、土屋太鳳（西方幸枝）、山田裕貴（高橋竜二）、眞栄田郷敦（南川崇）、小坂菜緒(日向坂４６)（小林賀子）／
濱津隆之（原田雅彦） ／ 古田新太（神崎幸一）
【スタッフ】
監督：飯塚健
脚本：杉原憲明、鈴木謙一
企画プロデュース：平野隆
製作：「ヒノマルソウル～舞台裏の英雄たち～」製作委員会
【配給】東宝
【コピーライト】©2021映画「ヒノマルソウル」製作委員会
【公式サイト】https://hinomaru-soul.jp/
５月７日(金)全国公開！
