映画『ブラック・ショーマン』の完成報告会が、8月11日、東京ポートシティ竹芝 ポートホールにて行われ、主演の福山雅治と共演の有村架純、田中亮監督が登壇した。
東野圭吾の大ヒット小説「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」を『コンフィデンスマンJP』シリーズなど大ヒット作を手掛けた田中亮監督がメガホンをとり実写映画化。
「ガリレオ」シリーズで天才物理学者・湯川学を演じた福山雅治が、次に扮するのは一流マジシャン! 自身初のダークヒーロー役への挑戦に加え、ラスベガスで名を馳せるほどの卓越したマジックと、巧みな人間観察能力を持ちながら、金にシビアで、息を吐くように嘘をつくという、超個性的な神尾武史を演じ、武史の姪であり、中学校教師の父・英一が何者かに殺され、事件の謎解きに挑む真世を有村架純が扮する。本作は、事件をきっかけに、武史と真世がバディを組み殺人事件の解決に向けて奔走する姿を描く、ミステリーエンターテインメント。
超一流マジシャンのごとく、華麗なマジックを披露して登場した福山。「うまくいきました? 今日初めてやりまして・・・。緊張しました(笑)」と照れ笑いを浮かべ、会場を沸かす。
イベント前に本作を初めて鑑賞した福山は、「ずばり面白かったです。スピード感もあって、テンポも良くて、本当にマジックしているなとわかる。マジックのシーンが散りばめられています。大変楽しめました」と感想を述べ、満足気。卓越したマジックを披露するため、クランクインの数か月前からマジックの特訓をこなし、より魅力的な人物に映るよう、一挙手一投足までこだわりぬいてキャラクターを作り上げたことも伝えた。
同じく、本作を鑑賞したばかりの有村も「私も楽しく観ました。すごく迫力があってテンポも良くて、1つのミステリーエンターテインメント作品に仕上がっていました。また、音楽も疾走感あふれる気持ちにしてくれて、各ピースがカチッとハマった作品になったと思います」と笑顔を見せた。
二人の言葉に田中監督は「お二人から感想を聞けてホッとしました。皆さんに楽しんでいただけるエンターテインメント作品に仕上がっていると思います。早く皆さんに楽しんでいただきたい」と自信をのぞかせた。
「ガリレオ」シリーズでもタッグを組んでいる東野と福山だが、東野は福山の「ダークヒーローを演じてみたい」という言葉をきっかけに本作の原作小説を手がけたとのこと。福山は「湯川さんがダークサイドの人間だったらどうなっちゃうのかな?と思っていて。彼は天才物理学者と呼ばれていて、幸いなことに正義の人。ただ、人間の感情にはあまり興味がなくて、湯川さんの人間性はダークヒーローっぽい側面もあるのかなと。それがよりくっきりそちら側に触れた感じで描いたものがもしあったらいいですよね・・・。なんてことを言わせていただいたんですね」と振り返った。
父の死に対しての涙から武史との軽妙なやりとりまで、振れ幅が大きい役を演じた、有村は「とにかく父(英一)の存在をしっかり記憶として残るように、勝手ながら(英一を演じる)仲村トオルさんを待ち受け画面にしていました」と明かす。「ご本人にもお伝えしましたが、携帯は毎日触るものですし、目に触れるところにトオルさんの顔があると、自然と英一さんが自分の中に刷り込まれていく感覚があって。撮影期間中はトオルさんのお写真に凄く助けられました」と感謝。
その話を初めて聞いたという福山は「有村さんは心の動きが、体につながっていくお芝居をブレずに最初からやってらっしゃって、自分はそこに甘えさせてもらいました」と初共演を喜び、「有村さんは実力があって、本当に力があると思います。『ブラック・ショーマン』の世界、そして神尾武史は非現実的なところが多分にあるキャラクター。だからこそ面白いんですが、そんな彼と現実をつないでくれるのが真世です。演じる有村さんでキャラクターにリアリティを持たせてくれるので、僕は自由に神尾武史を演じられました」と有村を称える。
「恐縮です」と頭を下げた有村は、「以前、報知映画賞の授賞式でお会いして、『いつかご一緒できたらいいですね』とお話ししていたんですが、まさかこんな大きな映画でご一緒させていただけるとは。福山さんは、映画、ドラマの世界の時代を築き上げて、先頭を切って歩いてきてくださっている方。気持ちでお芝居するというのは大前提で、そこにプラスして、こういうこともできる、こんなことも考えられると、いろいろな武器を駆使してお芝居されていて、圧倒的存在でした」とコメント。それを受け福山は、有村と同じく「恐縮です」と返し場を和ませていた。
田中監督は二人のバディについて「見事でした。お二人の掛け合いのシーンを撮っているのが本当に楽しくて。それぞれのキャラクターが不思議な絶妙なバランスできっちり噛み合っていて、叔父と姪という関係性も東野圭吾さんの発明かなと思いますが、なかなか見たことない距離感が二人の掛け合いから滲み出ていたので、大きな見どころの1つになっているんじゃないかと思います」と述べていた。
最後に、田中監督は「素晴らしい原作を映像化するうえで、いろんな武器をいただけたと思っています。真世という難しいキャラクターに有村さんが説得力のある感情を吹き込んでくださいました。原作とはまた違った魅力を表現できたかなと。そして、福山さんが作ってくださったテーマソング“玄界”も、エンディングで聞いて観終わったときに、なんて幸せな作品に仕上がったんだろうと思いました」と述べた。
有村は「この映画では、近年の社会的な問題も物語の要素としてメッセージとして入っているのかなと思います。コミュニケーションの希薄さ、ボタンの掛け違いで生まれてしまうひずみが描かれています。観終わったときに、自分はどうかな? 言葉にできているかな?と立ち返りながら楽しめるエンターテインメント作品です」とアピール。
福山は「地域創生であるとか、SNSの世界が人の人生を左右してしまうという社会課題というものがこの映画には横たわっています。その課題を神尾武史というキャラクターにしかできない方法で解決していきます。ダークヒーローという言葉の解釈は色々ありますから、僕もまだ正直、善の人なのか悪の人なのか分かっていません。それを素晴らしい布陣で、極上のエンターテインメントに仕上げることができました」と熱いメッセージを送り、会見を締めくくった。
『ブラック・ショーマン』
<ストーリー>
元中学校教師である神尾英一が何者かに殺された。2か月後に結婚を控えていた神尾真世(有村架純)だったが、父・英一の突然の訃報を受け、実家のある町に戻る。その町はコロナウイルスの蔓延以降、観光客も遠のき、活気を失ってしまっていた。そんな折に起こった殺人事件……。教師として多くの教え子から慕われていた英一はなぜ殺されなければならなかったのか。真実を知りたいと願う真世の前に現れたのは叔父の神尾武史(福山雅治)。かつてラスベガスで名を馳せた元マジシャンだ。 卓越したマジック(+手癖の悪さ)とメンタリスト級の巧みな人間観察&誘導尋問を武器にして、武史は、姪・真世と共に、
大切な家族が殺された殺人事件の謎に挑む――!!
原作:東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』(光文社文庫刊)
監督:田中亮(「コンフィデンスマンJP」シリーズ、「イチケイのカラス」シリーズ)
脚本:橋本夏(「119エマージェンシーコール」「降り積もれ孤独な死よ」)
音楽:佐藤直紀
出演:福山雅治 有村架純 ほか
配給:東宝
公開日:2025年9月12日(金)
撮影期間:2024年10月下旬~2025年5月中旬(予定)
コピーライト:©2025「ブラック・ショーマン」製作委員会
公式HP:https://blackshowman.jp
公式SNS(X&Instagram):@blackshowman_mv
9月12日(金)It’s Show Time!!