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渡辺謙、坂口健太郎を「稀有な俳優」と称賛! 自身との共通点も明かす 映画『盤上の向日葵』ジャパンプレミア

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『盤上の向日葵』のジャパンプレミアが、10月16日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、レッドカーペットセレモニーと舞台挨拶に主演の坂口健太郎をはじめ、共演の渡辺謙、佐々木蔵之介、土屋太鳳、高杉真宙、音尾琢真、小日向文世、熊澤尚人監督が登壇した。

「孤狼の血」の柚月裕子による同名小説「盤上の向日葵」を原作に、実写映画化した本作。
とある身元不明の白骨死体とともに発見された高価な将棋の駒。将棋界に彗星のごとく現れ時代の龍児となった天才棋士・上条桂介と“賭け将棋”で圧倒的な実力を持ちながら裏社会に生きた男・東明重慶との関わりを描いていく。

脚本も書き上げた熊澤尚人監督がメガホンを取り、アマチュアからプロ棋士へと異例の昇進を遂げた主人公の天才棋士・“上条桂介を坂口健太郎、将棋指しとしては超一流だが人間として最低な伝説の賭け将棋の真剣師・東明重慶を渡辺謙が演じ、過酷な運命と戦う桂介を愛し、見守る婚約者・宮田奈津子を土屋太鳳、現場に残された将棋の駒を手掛かりに事件の真相を追い、桂介の過去を解き明かす刑事・石破剛志を佐々木蔵之介、自身もかつてプロ棋士を目指していた若き巡査・佐野直也を高杉真曲、桂介に将棋を教え、その才能を見抜く恩師・唐沢光一朗を小日向文世、桂介に過酷な仕打ちをする父・上条庸一を音尾琢真ら豪華キャストが顔を揃えた。

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レッドカーペットイベントでは、会場上のエスカレーターから次々とキャストたちが降り立ち、大きな歓声が湧き上がった。

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坂口は「今日は華やかな雰囲気でジャパンプレミアができて光栄です。重いテーマの物語ではありますが、とてもいい雰囲気の中で撮影していたので、登場人物たちの生き様が皆さんの心に残ってくれたらいいなと思います」と笑顔を見せた。渡辺も「久々に血生臭い映画になりました」と満足気。キャスト陣は、ファンの声援を受けながらレッドカーペットを闊歩し、劇場内に足を運んだ。

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映画館に場所を移した舞台挨拶では、釜山国際映画祭のワールドプレミアでの様子がスクリーンに上映された跡にキャストと監督が登場。坂口は「初めて日本の観客の方々に観ていただくので、ちょっと緊張していてフワフワした感じがあります」と満席の会場を見渡し、「本作は登場人物たちの生き様を丁寧に切り取った作品です」と述べる。自身の役柄について「能動的にアクションを起こすというよりも、周りに巻き込まれていく人間。役として生きる中で見たり聞いたり、その空間の中で生きる事を大事にしながら演じました」とし、「(父親役の)音尾さんとのシーンでは空っぽになる感覚があって、桂介の肩に手を置いてあげたくなるくらいきつかったけれど、彼は将棋に救われてもいたし、地獄に落とされた瞬間もあるだろうし。演じながらそんな感情がグルグルと回っていました」と回顧した。

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渡辺は「久々にいい加減で滅茶苦茶な男をやらせていただきました」とニヤリ。「なかなか好きにはなれない役かと思いますが、ぜひ可愛がっていただけると嬉しいです」と挨拶する。そして、「一貫性のない事この上ない!こいつ本当の事を言っているのか?と思う。だから僕の役の事は信用しないでください(笑)。でも演じていて楽しかった」と演じた役柄について言及した。

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今回、初共演となる坂口と渡辺。坂口の印象を渡辺は「彼とは似ている部分があると思うんです。オープンマインドで現場が好きで作品が好きでスタッフの事も好き。だから僕も一緒に現場に行きたくなる。そんな感覚を持った稀有な俳優です」と吐露。渡辺の言葉を嬉しそうに聞いていた坂口も「とても軽やかな方だと思いました。お会いする前は“ケンワタナベ”という認識でしたが、いい意味で“謙さんってこんな方なんだ…”と思わされた瞬間がありました」と渡辺との共演を喜んでいた。

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強烈な印象の刑事を演じた佐々木は「熊澤監督から言われたのは『昭和の刑事で泥くさくて足で稼ぐ(タイプ)』という! ずっと暑いんです。それでも『汗をもっとかいてくれ』と。しかも口汚くてハラスメントで一発アウトな事を言ったりして・・・。嫌な役やなぁ、もっと優しい言葉をかけろよ!と思いながらやっていました」と苦笑い。

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そんな石破と事件捜査を担当する巡査を演じたのは高杉は、「蔵之介さんに怒られながらやっていました。あ、石破剛志さんに怒られながらでした・・・」と慌てて訂正し笑いを誘いながら、「蔵之介さんとは撮影中一週間くらい毎晩食事に連れて行ってもらいました!」と、撮影以外にも楽しい時間を過ごした様子。

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映画オリジナルキャラクターを演じた土屋は、坂口とは初共演。坂口の座長ぶりを「スタッフさんとよくお話をされているイメージで、カメラマンさんにボケてツッコまれたり(笑)。撮影中は向日葵がこうなる(下を向いてしまう)くらい暑かったのに、健太郎さんは元気にコミュニケーションを取られていました。座長さんが元気でいてくださるのはとても助かりました」と話し、称えていた。

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小日向は「最近は日本映画が活気づいている中で、素敵な作品に参加出来て嬉しいです」とニッコリ。坂口との対峙が多かった音尾は、坂口と切羽詰まる重厚なシーンに「真夏の炎天下の中でぶつかり合いましたが、坂口くんは普段から優しい方。大変なシーンなのに合間に僕の事を気遣ってくれて、もう大好きになりました!」と語り、坂口に魅了されていた。劇中では、坂口が馬乗りになって音尾の首を絞めるシーンがあるが、「あまりにも暑すぎて汗がダクダク音尾さんにかかってしまって。でも両手がふさがっているので汗も拭けないし、芝居としてやりづらいだろうなと思った」と述懐する坂口。すると、音尾が「いやいや。ここで言っておきたいのは“坂口君の汗はしょっぱいです!” それだけはお伝えしたい!」と話し、坂口が「それはそうでしょう!」と爆笑し、会場を沸かす場面も。

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また、先日開催された釜山国際映画祭のワールドプレミアについて話が及ぶと、現地に参加した坂口は「熱気が凄かったし、4,500人の観客の方々と一緒に自分の映画を観る経験はこれまでなかったので新鮮でした」としみじみ。渡辺も「4,500人のお客さんがどういうリアクションになるのか。ドキドキだったけれど壮観でしたね」と感慨深げだった。

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熊澤監督も「上映後にスタンディングオベーションをいただいた時は感動でした。その熱にビックリしました」感激しきり。

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さらに、「人生を賭けて熱くなれるもの」として将棋が描かれている本作にちなみ、「これなしでは生きていけない、ハマっているイチ推しのもの」をフィリップに書いて発表することに。音尾は「つりざお」、高杉は自身が運転する車で現場に向かう「通勤時間」、佐々木は「晩酌」、土屋は「姉と弟」と仲の良い姉弟を。小日向は大好きな「家族」、熊澤監督は「映画」と答えた。

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渡辺は「阪神タイガース」といい「実は今日も18時から試合が始まっているんだけど…」と。坂口は「お米」と書き、「年々もっと白米が好きになっているんです。おにぎりの白米でもいける」と“白米愛”を熱く語っていた。

最後に渡辺は「マジな映画です。ここまで命懸けで生き切ろうとする男がいるのかと。そんなものがたくさん溢れてきます。目を凝らして観てやってください」と力を込める。坂口も「登場人物たちが瞬間、瞬間を命懸けで生きた証を盗み見していただいて、心に残ったら本作を大きく羽ばたかせるお手伝いをしていただけたら嬉しいです。きついシーンも目を背けたくなる瞬間もあるかもしれませんが、僕らの生き様を見届けてください」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。

『盤上の向日葵』ポスタービジュアル

映画『盤上の向日葵』
山中で謎の白骨死体が発見される。事件解明の手掛かりは、遺体とともに発見されたこの世に7組しか現存しない希少な将棋駒。容 疑をかけられたのは、突如将棋界に現れ、一躍時の人となっていた天才棋士〈上条桂介〉だった。さらに捜査の過程で、桂介の過去を知る重要人物として、賭け将棋で裏社会に生きた男〈東明重慶〉の存在が浮かび上がる。桂介と東明のあいだに何があったのか?謎に包まれた桂介の生い立ちが明らかになっていく。それは、想像を絶する過酷なものだった……。

監督・脚本:熊澤尚人
原作:柚月裕子「盤上の向日葵」(中央公論新社)
出演:坂口健太郎 渡辺謙 佐々木蔵之介 土屋太鳳 高杉真宙 音尾琢真
柄本明/渡辺いっけい 尾上右近 木村多江 小日向文世 ほか
音楽:富貴晴美
主題歌:サザンオールスターズ「暮れゆく街のふたり」(タイシタレーベル / ビクターエンタテインメント)
製作:「盤上の向日葵」製作委員会
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/松竹
コピーライト:©2025映画「盤上の向日葵」製作委員会
公式HP:https://movies.shochiku.co.jp/banjyo-movie/
公式X/Instagram:@banjyo_movie

10月31日(金) 全国公開!!