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映画『全力スマッシュ』ジョシー・ホー(何超儀)、スーザン・ショウ(邵音音)インタビュー

10月10日(土)元体育の日から新宿シネマカリテほか 順次ロードショーされるバドミントン版“少林サッカー” 『全力スマッシュ』が、9月18日~22日に浅草の街を賑わせた第8回したまちコメディ映画祭in台東に特別招待作品として上映された。
この香港スポーツアクションコメディの痛快作品を携えて、共同監督をつとめたヘンリー・ウォン(黄智亨)、主演のジョシー・ホー(何超儀)、香港映画界のレジェンド、スーザン・ショウ(邵音音)、アンドリュー・ラム(林敏驄)、ウィルフレッド・ラウ(劉浩龍)と音楽を担当した香港在住の音楽家・波多野裕介が来日。

Astageアステージは、この舞台裏で麗しき2人の美女にインタビューする機会を得た。

本作の中では、ほとんどジャージ姿だったジョシー・ホーとスーザン・ショウが、本来の姿を取り戻して私たちの前に現れた。間近にお会いした2人は、美しくて、かっこいい!エレガントはカッコいいのだと感じながら話を伺った。

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ーー今日は映画祭のレッドカーペットもありましたが、如何でしたか?
ジョシー・ホー(以下J):日本でレッドカーペットを歩くなんて思いもしなかったので、とても嬉しかったです。とてもエキサイティングで光栄でした。サインをたくさん求められました。

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ジョシー・ホー

 

スーザン・ショウ(以下S):ジョシーはハリウッド映画にも出演しているし、本当にたくさんの映画に出演しているでしょ。自分でも忘れているのに、日本のファンは覚えていてDVDや昔のCDを持って来てくれて、たくさんサインをして大汗かいていましたよ。私もです(笑)。『燃えよ!じじぃドラゴン』のDVDを持って来てくれたりして、心から歓迎しているという誠意が感じられて感動しました。

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スーザン・ショウ

 

ーー『全力スマッシュ』を面白く拝見しました。観終わって「がんばらなきゃ!」という気持ちになりました。
J:この映画はみなさんに「がんばって!」というメッセージを込めました。勝負はどうでもいいのです。負けても勝っても努力は常にしなくてはなりません。

ーープロデューサーとして「バドミントン映画だから投資した」という記事を読みましたが、この映画に投資をする決め手は何でしたか?
J:実は私の意志で「バドミントンをテーマにする映画を撮ろう」ということで始まりました。子供の頃から「バドミントン映画を撮りたい」という願いがあったのです。それがようやく実現して、みんなとその喜びを分け合うことができました。

ーーではジョシーさんの考えや思いがたくさん込められている映画になっているのでしょうか?
J:私が脚本の段階で監督にお願いしたのは、キャラクターの個性がはっきりしていて魅力的であることです。

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ーーそのキャラクターを生かすためには俳優選びは苦労されたと思いますが、如何でしたか?
J:(笑)はい。でもスーザンさんの役は、すぐにスーザンさんしかないと思いましたね。
S:私は皿洗いですけど、ジョシー演じる妹とその兄をとても可愛がっています。2人ともかつてとても強いバドミントンの選手でしたが、負けたことで諦めてしまいました。それで私はとても心を痛めています。でも2人がまだやりたいと思っていること、失敗を怖れていることもよく分かっていたのです。だから励ましていたのですが、結局自分も関わることになって、支えていくことになります。年寄りの私でもこんなに真面目にやろうとしている。それを見た彼らが失敗を怖がらなくなると思ってね。私が若者たちの面倒をみたり、全速力で走ったりする場面がありましたでしょ。年寄りは年をとっても人生の先輩であり、経験があったり技があったり常に尊敬されるべきものなのです。中国では「臥虎蔵龍」ということばがありますが、見た目だけで判断してはいけないのです。年寄りからも何か学ぶものがあるものなのです。
映画の終盤でジョシーとイーキンは次第に観客の応援を得て自信を持つようになりますよね。良い場面です。最初は観客にバカにされていたのに、自分の道に集中することでそれを乗り越えていく。それを私も心から喜んでいました。他にも好きな場面があります。ラスト近くで、アンドリューが勝ってはいけないのに勝ちにいってしまった。欲が出てしまったのですね。そして審判もイーキンが気に入らないからと交代を認めなかった。とても意地悪で不公平です。でもこの2つのことは、人間のある一面…人間臭さを表していますし、現実にもよくあることだと思うので、とても気に入っています。人生とはそんなわずかなことで左右されるものです。
あ~、しゃべり過ぎたわ。私のおしゃべりはここまで (笑)。

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ーー今、人生の先輩に学ぶというお話がでましたが、ジョシーさんはスーザンさんからどんなことを学びましたか?
J:人間として生きていく上には率直であることが大切だと学びました。
S:ジョシーのデビューのテレビドラマが私と親子の役だったのですよ。

ーー縁があるのですね。
S:私にとってはとても幸せな縁です。
J:私にとっても福ですよ。(見合って笑い合う2人)
S:皆さんご存じのようにジョシーはすごいおうちのお嬢様です。当時は海外留学して香港に戻ってきた、私たちからすれば別世界のお嬢様でした。ところが撮影所では新人として謙虚で腰が低くて。ジョシーが本当に大好きです。
J:スーザンさんもとても優しい方なのです。撮影中に急に一服したくなったと思ったら、煙草を1カートンも買って来てくれて(笑)。

ーー映画の中で励まし合う姿は親子・姉妹みたいでしたね。
S:本当の家族みたいに仲良しですから。それが映画にも出るでしょうし、撮影中も快適です。

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ーースーザンさんにバドミントンの特訓はしなかったのですか?
S:私はカッコだけよ(笑)。
J:スーザンさんは走るのが速いのですよ。

ーーあの場面は早回しかと思いましたけど…
J:違いますよ!スーザンさんは本当に足が速いのですよ。若い頃には短距離走の選手だったのですって。
S:なぜ足が速いか教えましょうか。台湾出身ですが、小さい頃、家の近くに刑務所に服役している人たちが作っているサツマイモ畑があったの。家が貧しかったので、よく盗みに行って追いかけられました。捕まらないように、いつも必死に走って逃げたから足が速くなったのよ。ホントよ!まさか今頃、映画で役に立つとは思わなかったわ!人生って無駄がないものね(笑)。

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ーージョシーさんの昔取った杵柄は、バドミントンですね。
S:そう。バドミントンのポーズは簡単に見えるでしょうけれど、素人には無理。ジョシーは小さいころから鍛えた本物だから全然違っていました。本当にかっこよかったわ!

ーーこの映画で主人公は宇宙から啓示を受けてバドミントンをやり直す決心をしますが、ご自身は啓発されたり、啓示を受けたりしたことはありますか?
J:啓発されたこと…ありましたね。歌の方面で香港の偉大な先輩たちに啓発されて、この道に進んだと思います。具体的にはアニタ・ムイ(梅艷芳)、レスリー・チャン(張國榮)、デニー・チャン(陳百強)、ローマン・タム(羅文)です。特に小さい頃からデニー・チャンをよく知っていました。デニーは私にいつも「努力しなさい」と言っていました。私にとっては義父のような存在でした。
S:私も啓示を信じます。まだ科学で説明できないことはたくさんあると思います。
J:皆さんもいろんな啓示を受けて、自分の好きなことに気がついてほしい。そしてその道に進んでほしいと思います。

ジョシー・ホー(何超儀)
74年生まれ。バレーボールものスポ根映画『青春火花(原題)』(94)で女優デビュー。『パープルストーム』(99)で評価を確立。その後『胡蝶 羽化する官能』(04)、ジョニー・トー監督の『エグザイル/絆』(06)、パン・ホーチョン監督の『イザベラ』(06)、『ドリーム・ホーム』(10)などで話題に。三池崇史監督の『DEAD OR ALIVE FINAL』(02)、スティーブン・ソダーバーグ監督の『コンテイジョン』(11)、 ハニ・アブ・アサド監督の『クーリエ 過去を運ぶ男』(11)など国際的にも活躍している。近年は製作会社852フィルムズを設立。本作や『ドリーム・ホーム』などプロデューサーとしても意欲的な仕事を見せている。

スーザン・ショウ(邵音音)
50年生まれ。70年代には、全盛期のショウ・ブラザーズを母体に毎年多数のプログラム・ピクチャーに出演。『新・金瓶梅』(77)など特にお色気路線の作品で定評を築いた。香港ニューウェイブが台頭しショウ・ブラザーズが休眠状態となった80年代以降は出演作もやや減るが、『反斗妹(原題)』(85)、『夜之女(原題)』(86)、『アンディ・ラウ 仁義なき抗争』(90)など依然コンスタントに活躍。2000年代に入るとパン・ホーチョン監督の多くの作品、デレク・クォック監督の全作品、SCUD監督の『ボヤージュ』(13)、アモス・ウィー監督の『点対点』(14)など香港の新世代監督、インディーズ系監督の作品に積極的に出演し、若手映画人の守護神的存在に。『野。良犬』(06)、『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』(10)で、香港電影金像奨最優秀助演女優賞を受賞。

 

『全力スマッシュ』

【STORY】
かつてバドミントンの女王として君臨していたサウ(ジョシー・ホー)は、プライドの高さと短期な性格が災いし、試合中に暴力事件を起こしてしまう。以来10年間、バドミントン界から永久追放されていた。7年連続チャンピオンという並外れた実力も人気もあったのだが、今は兄が経営するレストランで目標もなく淡々と雑用をこなす毎日を送っていた。ある晩、シャトルの形をした隕石が落ちたかのような不思議な厳格を体験したサウは、その奇妙な出来事をきっかけに、強烈な個性を持つ男4人組と出会うこととなる。
酔っぱらいのバトミンドン師匠チッ・クンクワン(アンドリュー・ラム)、片腕のラム・チウ(エドモンド・リョン)、弱視のマー・クワン(ウィルフレッド・ラウ)と、最も危険な男、リーダーのラウ・タン(イーキン・チェン)。 12年前、性悪なチンピラだった彼らは強盗を繰り返していたが、刑期を終えて出所して以降、新しい人生を送ってきた。更生した彼らは「決して諦めるな。必ず逆転できる」を合言葉に「ラウ・タン バドミントン同好会」を作り、失った青春を取り戻すかのように日々トレーニングに精を出していた。そんな“負け組”の彼らが必死で頑張る姿を見たサウは、長年忘れていたバドミントンへの情熱を取り戻していく・・・。

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出演:ジョシー・ホー イーキン・チェン ロナルド・チェン エドモンド・リョン ウィルフレッド・ラウ スーザン・ショウ

監督・脚本:デレク・クォック ヘンリー・ウォン
撮影:ジェイソン・クワン
音楽:波多野裕介

提供:メダリオンメディア  配給:アンプラグド

© 2015 852 Films Limited Fox International Channels All Rights Reserved.
2015年/FULL STRIKE/香港/108分/5.1ch/16:9
公式サイト:http://zenryoku-smash.com/

10月10日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー!

『全力スマッシュ』ジョシー・ホー(何超儀)、スーザン・ショウ(邵音音)サイン入りパンフレット プレゼント!は、こちらから!!IMG_0249s