
ドラマ『ストーブリーグ』が、3月28日(土)よりWOWOWと動画配信サービス「Lemino」にて一挙放送・配信される。
本ドラマは、2019年に韓国SBSで放送され、最高視聴率20.8%を記録した同名ドラマのリメイク版。野球未経験のGM(ゼネラルマネージャー)が、万年最下位のプロ野球チームの再建に挑む、オフシーズンの球団運営フロント陣の奮闘劇が描かれる。
編成本部長・蒔田理紗(長濱ねる)をはじめとする運営スタッフと、時に衝突し、時に力を合わせながら、常識を覆す大胆な改革でチームに変化をもたらしていく、新GM・桜崎凖を主演の亀梨和也、そして桜崎の前に立ちはだかる球団「ドリームズ」オーナー企業の常務であり、球団社長・根岸壮を野村萬斎が演じる。桜崎と根岸の関係性が、物語の行方に大きく関わっていく。そんな二人に撮影を振り返りながら、本作の魅力について語ってもらった。
― この作品はプロ野球を舞台にしていますが、ゲームではなく、球団運営フロント陣の奮闘とその人間関係を描いています。まず脚本を読まれた時の感想と、演じる上で最初に意識されたこと、お二人の演技プランをお伺いできますか?
亀梨和也(以下、亀梨):企画のお話を伺ったときに、韓国オリジナルの作品を拝見させていただきました。プロ野球を世界的に見たとき、韓国の野球文化と日本の野球文化の違いもあるので、そこはプロデューサーさんや監督とどのように日本版の作品として積み上げていくのか、撮影の中でも日々話し合いを重ねながら作っていきました。
もちろん、台本をベースにしていますが、現場で「もっとこうじゃないか、ああじゃないか」と意見を出し合って。韓国のオリジナル作品があるからこそ、演技プランをどう構築していくかというのはすごく考えましたね。連ドラなので、全話通しての感情、心の動きはすごく大事にしていかなければいけない。また、韓国的な要素というか、なかなか日本のドラマではないような展開が特徴でもあるので、そこは現場の体感とすり合わせて、しっかり役と向き合い、もがきながらやらせてもらいました。
野村萬斎(以下、萬斎): まず、台本を読んでとても面白かったです。オリジナル作品として韓国版があるとお聞きしましたが、演じるうえであまり見過ぎるのも(影響を考えて)どうかと思い、僕の役が出てきそうなところだけ少し見てみました。大筋のストーリーは決まっているわけですが、その中で僕の役は少し設定が違っているところもあるので、そのオリジナリティをどう出すかが大切。親会社の皆さんのほうがより日本版のオリジナル色がすごく強いですね。球団会社会長・オーナー役の吉田鋼太郎さんとは久々にご一緒しましたけれど、僕はGMとの間に挟まれてしまい・・・。ネタバレになってしまうのであまり話せませんが、感情の変化を意識したいと思いました。

― お二人が対峙しているシーンは、とてもドキドキ、ヒリヒリします。現場の雰囲気はいかがでしたか? 例えばお二人で「こういう風にやろう」とお話をされたのでしょうか?
亀梨:撮影の物理的事情もあって、話数はバラバラでまとめて撮ったんです。その(話が繋がっていない)難しさはありましたが、僕の動きはシンプルでした。萬斎さんが色々なアイデアを出して動いてくださったので、自分も刺激を受けつつ、その空気感の中で考えながらお芝居をさせていただきました。
萬斎: 僕はほとんど亀梨さんとしか絡んでいないんです。あとは鋼太郎さんと安井さん。オーナー一族と絡むか、GMと絡むかしかない。なので、本当に暑い現場で朝から晩まで駆け引きしていたり、取引したりと熱いシーンを撮影したというのがこの夏の思い出ですね。
亀梨: 暑かったですよね・・・(苦笑)。倉庫にスタジオを建てて、社長室のセットを2階に造っていたので、太陽の熱が直に伝わってくるんです。『ストーブリーグ』(シーズンオフ)ですが、真夏に撮っていて。コートも着なきゃいけないですしね。さらに、その部屋のシーンを一気に撮らないといけないということもあって、1日のセリフの量がすごくて、1日何十ページ分(撮影する)というのを毎回こなしました。エピソードも飛んでいるし、色々大変でした(笑)。
― 対峙もアツいけど、環境的にも暑かったんですね(笑)。
亀梨:さっきまでぶつかっていたのに、夕食休憩後には腹の探り合いをするような、静かな場面の芝居や、ひと山越えた後の芝居をしたり。そのあたりの心情の変化をすぐに切り替えて演じ切るのはハードルが高かったです。でも、不思議ですね、それがちゃんと映像では繋がりますから。
― 亀梨さんは野球がお好きで精通されていて、野球に関するお仕事もされていますが、萬斎さんは野球はよくご覧になりますか?
萬斎: 僕もよく見ますよ。大谷選手やWBCもニュースになっていますし。僕も少年野球をやっていた時期もあるので、野球は好きです。

― 亀梨さんは野球愛を封印して演じるという難しさはありましたか?
亀梨:そこはお芝居なので全く関係なく、野球が嫌いな役をやるなら、その役を一生懸命演じます。どちらかというと、僕というよりは観てくださる視聴者の皆さんに僕が野球を嫌いということに説得力があるのかないのか・・・。当初お話をいただいた時に、果たして本当に僕がこれを演じていいのかなというのが悩みの1つではありました。
― 野球をあまり知らないという役を演じることによって、亀梨さんご自身が新しい発見のようなものはありましたか?
亀梨:自分の仕事とは違う職業なので、職業としての発見、面白さ、難しさがあると感じました。日々オフィスにいて、パソコンと向き合いながら生活したことがないですし、常に同じ人たちと仕事をすることも経験がないので、演じていてもとても新鮮でした。
― 今回のご出演で野球ゲームの裏側、その奥にあるものをどのように感じられましたか?
萬斎: 企業人の部分と、野球を愛するスポーツマンシップをどういう風に考えていくかとなったとき、企業人とはこうあらねばならぬという、彼なりの呪縛があると思います。そして、企業理念として(GMに)押し付けないといけない。それと現実のチームのあり方のジレンマというものは、野球の世界に限らずどんな企業の人もあるのではないでしょうか。新人類と言われた世代ももう還暦近くて、今やZ世代になるというところで、世代間が変わってくるし、ものの考え方も違う。しかし、スポーツに対する愛着が最優先されるところに、このドラマの熱い部分がある。いち企業人としてやりきることも重要ですが、人を感動させるのは企業ではなくてスポーツなんですよね。
― エンタメ業界にも置き換えられる話かもしれませんね。
萬斎: 古典芸能にも置き換えられますよ。保守的な立場で一座を抱える人間としてのありようと、お客さんを前にして実際に演じる役者。経営と現実、エンタメ性、それぞれのギャップはあるような気がします。それらは三者三様なんです。フロントにいる人、挟まれる人、そして現場の人。それぞれの立場が見どころになるんじゃないでしょうか。皆さんもこのドラマの誰かに置き換えて観ることができると思います。

― 萬斎さんは、狂言の世界にも通じるものがあるとのことですが、狂言の世界のメソッドがこの役に活かされたことは何かありましたか?
萬斎: もちろん色々な会話の駆け引きとかはありますね。狂言の世界では、それこそいつも知ったメンバーと行うわけです。しかし、こういう場に出ると色々なタイプの役者がいて、亀梨さんから吉田鋼太郎さんまで、みんなタイプが違うのが面白いんですよ。場面によってはバラエティっぽい時もあって。
亀梨: そうですね、テイストが。コメディでもないけれど、瑠東監督らしい要素も強く出ている。現場のノリが「急にバラエティになった」みたいな感じがあったりして(笑)。シリアスなところはシリアスですが。
― そのあたりは、やはり大阪出身の瑠東監督らしいというか、ノリがありますよね。
亀梨: そうなんですよ。親会社、オーナー企業のシーン。鋼太郎さん、萬斎さん、安井(順平)さんたちのシーンの撮影は全く見ていなかったので、僕も出来上がりがどういう感じになるんだろうと思っていて。台本を読んで勝手にイメージしていいましたが、(完成したものは)面白かったですね。すごかったです。
萬斎: すごいよね。急に濃度が濃くなるよね、あそこになると急に。
亀梨: 吉田さん・・・凄すぎて、ちょっと笑っちゃいますよね。生っぽさとファンタジーに飛ぶところの要素として、お客様に楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。あと、オーナー室の調度品が凄い。何だ、この陳列物は!みたいな(笑)。
― オリジナル版のキャラクターに近づけた部分、あるいは日本版オリジナルの部分をふまえてどのように役作りをされたのでしょうか?
亀梨:物語の本質的に抱えている問題などは、韓国のオリジナルから引き継いでいるところなので、心情的なものは近いものになります。ただ、日本と韓国では文化が違うので、そこはシンプルに日本語のやり取り、日本の文化の中での自然な動きになっていると思います。存在の在り方は韓国版がすごく魅力的だったので、佇まいであったり、目線の入り方などは参考にさせていただきました。
萬斎: 僕は役がら的に、あまり韓国版に引っ張られない方がいいんだろうなと考えました。韓国版を観てこの日本版をご覧になる方もいるでしょうから、難しいところではありますが。リメイクですので、期待を裏切らずオリジナルなところもあります。僕は飄々(ひょうひょう)とした感じを出しつつ、だんだん意地悪になってきたり、通い合ってきたりと、カメレオン的な役。それぞれが持っているものが見えてくると、切なく思えてきたりする。一回見終わった後にもう一度見ると、二人のやり取りの景色が少し変わるような作品でもあると思うんです。後半になるにつれて「あ、だからこういう感じだったんだ、だからこういうぶつかり合いがあったんだ」というのが見えてきて、人間の深さや面白さを感じるかと。序盤の我々のやり取り、立ち位置、言葉の振る舞いも、良くも悪くも掴みどころがなく、周りが翻弄されていると思います。古い体質と、新しい発想の対比が面白いなと思っていただけたら嬉しいですね。

― ところで、お互いの対峙された印象を教えていただけますか?
亀梨:僕は子供の頃に萬斎さんが出演されていた朝ドラをずっと観ていましたし、これまでの作品も拝見していたので、すごく緊張しました。とても心地のいい緊張感の中、お芝居で対峙させていただきましたが、萬斎さんが色々なアイデアをギリギリまで提示してくださり、すごく刺激的な時間でもありました。
萬斎: そういえば、最初に挨拶したときに(亀梨さんの)お母さんが共演を喜んでくださったと仰ってましたね。
亀梨:僕の母がずっと(萬斎さんを)大好きで。今回、母がすごく喜んでくれました(笑)。
萬斎: 亀梨さんはひたすらカッコよかったですよ。僕との絡みがあるところしか見ていないけれど、亀梨さんがあえて鉄仮面を被っているところと人間味があるところ、色々な要素がはまりつつ、桜崎GMとしてガツンと芯が通っているので安心して見られる。そこが一番の魅力なんじゃないですかね。
― この物語は、「この人は一体何を考えているのだろう・・・」という本質を探る面白さもあります。視聴者の皆さんには本ドラマをどのように楽しんでいただきたいですか?
亀梨: 特に僕が演じる桜崎に関しては、プライベートの部分も含めてたくさん問題を抱えています。人の携帯番号を全く登録しないとか、僕には全く考えられない人間ですし、普通に近くにいたら「面倒くさいな」と思うかもしれない。彼は色々な出来事を自分だけで抱えて、殻に閉じこもっている。そんな人物を演じるにあたり、どのようにリアリティを持たせるかを模索しました。後にエピソードとして原因が明かされていきますが、序盤は全くそれが見えない中でずっとそこに立たないといけないから、観ている皆さんが最初は「こいつ何がしたいんだろう」とか、「どういう裏があるのかな」と探っていくと思うので、そのあたりを楽しんでもらえたら嬉しいです。
萬斎: 僕も人間性の変化を演じるのは難しかったですね。
亀梨: 今回はすごく勉強になることが多かったです。瑠東さんも韓国のスタッフさんたちとも色々お話をされたようです。そのシーンで言うセリフに意味を持ちたくなるし、どういう流れでここに辿り着いているかなど、ドラマ作り、映画作りの中で、エンターテインメントとして、なるほど・・・と思わされるところがたくさんありました。
萬斎: 理屈では通らないことが結構ありますよね。変な話だけど、それを埋めるというのも演技なのかもしれないし、逆に言うと見た方もその事実を踏まえて埋めていく部分がある。それが今作の見方かなという気がします。
亀梨: 展開に身を委ねてもらえたらより楽しんでもらえるのかと。一つのドラマという世界観の中で、我々もリアリティももちろん大切にしながらも。日本制作陣が作る、ちょっと海外ドラマテイストの展開や作りになっていると思います。
撮影:松林満美

<あらすじ>
熱く、そして冷静なチーム・ビルディングの行方を描く逆転劇!
万年最下位に沈むプロ野球チーム「ドリームズ」。
チーム内の派閥争い、守備のミスを連発する選手たち――その内部は、崩壊寸前の状態だった。
そんなドリームズの再建を託されたのが、野球未経験のゼネラルマネージャー・桜崎凖。彼は競技経験こそないものの、これまで複数のスポーツチームを優勝へ導いてきた、“優勝請負人”として知られる人物だ。桜崎は問題の根本に切り込むべく、選手やフロント陣と衝突しながらも、常識にとらわれない改革を次々と打ち出していく。そして、彼が最初に下した決断は――球団の象徴とも言えるスター選手のトレードだった。
勝利とは何か。チームとは何か。選手だけでなく、球団スタッフをも巻き込みながら、その問いに向き合っていく。
◆作品概要
ストーリー:全8話
監督:瑠東東一郎(『おっさんずラブ』、『ビリオン×スクール』、『極主夫道』ほか)、松下敏也(『推しが上司になりまして』、『ビリオン×スクール』ほか)、塚田芽来(『御曹司に恋はムズすぎる』、『ビリオン×スクール』ほか)
脚本:吉髙寿男(『ミッドナイト屋台』ほか)、中村允俊(『Re:リベンジ-欲望の果てに-』ほか)
音楽:宮崎誠(『ビリオン×スクール』、「SPY×FAMILY」、「ワンパンマン」ほか)
主題歌:「Diamond」 亀梨和也 作詞・作曲・編曲:友成空
出演:亀梨和也 長濱ねる 葉山奨之 梶原善 木村柾哉(INI) / 板尾創路 勝地涼 甲本雅裕 剛力彩芽 / 吉田鋼太郎 / 野村萬斎 ほか
コピーライト:©FANY Studio
『ストーブリーグ』は 3 月 28 日より Lemino、WOWOW にて放送・配信開始!















