H&Aプロデュース第1弾『死神』が、4月11日(土)より4月26日(日)に紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて上演される。
作・演出の倉持裕と出演する水野美紀、牧島輝が参加して取材会が行われた。

倉持裕 水野美紀、牧島輝
本作は、ドラクエ愛好家の演劇プロデューサー・細川展裕(イニシャル「H」)と、落語好きのプロデューサー・浅生博一(イニシャル「A」)が立ち上げたH &Aプロデュースの第1弾。
脚本・演出家の倉持裕が、三遊亭圓朝「死神」を原案に、演劇に落語を掛け合わせる「演劇×落語=演劇作品」として、新たな演劇(ちょいと、音楽劇)として届ける。
あらすじ:金無し、甲斐性無し、運もない男・八五郎(牧島輝)が「もう死ぬしかない」と覚悟した夜、死神に出会い、他人の生死の分かれ目を見分けて死神を追い払う術を授かる。いっときは医者として成功した八五郎だったが、欲を出して禁を破り死神をだましてしまい…。

―落語の死神を演劇にするにあたって大事にされたことは何ですか?
倉持:「死神」は古典落語のひとつと言われるほど長年語り継がれてきて、ブラッシュアップされた無駄のない強固な骨格を持っている。まず「そこは崩したくない」と大事に思いました。その骨格を保持したまま、どうアレンジするか。多くの落語家さんがいろいろなバージョン(落ち・サゲ)をやられているので、それとかぶらない発明をしなくちゃいけないという気持ちは持って臨みました。
―おふたりは脚本を読まれて、そして稽古が始まってどう思われましたか?
水野:まず死神が女ということに一番びっくりしました。稽古を見ていると、落語は落語家さんの発する音から自由に想像して楽しむ面白さがあるものですが、演劇は視界から入ってくる面白さがある。思ったよりもコメディになっていて、倉持さんの鋭い面白い演出によって、キャラクターたちが想像より10倍ぐらい跳ねるし、動く。視界からの面白い要素が足されていて、すごく賑やかなものになっていると思います。
牧島:落語で聴いたときよりも今回はいろいろな登場人物がいて、それぞれの生活がある中でいろいろな出来事が起きる。それに左右されたり、人の一言で変わったりしていくものが、今回はより面白く感じます。

―水野さんが死神役ですね。どうとらえておられますか?
水野:個人的には死神はこの世に存在しないものですから、なんでもありだと思いますが、今は「貧乏神と死神の違いは何なのか?」とか、死神なりのポリシーを探っている最中です。倉持さんに面白い演出をどんどんつけていただいているので、思ったよりも愛着が湧くようなキャラクターになってきています。小さくまとまらずに型破りなところもあるけれど、死神なりの思いが伝わるように作っていけたらと思っています。
―牧島さん演じる八五郎は?
牧島:これだけ後先考えずに刹那的にはなかなか生きられない。羨ましいと思うところもあって。
水野:パンクだよね。
牧島:ちょっとかっこいいなと思う瞬間もあって、こう生ききれたら、楽しい瞬間もいっぱいあるだろうなとも思います。
水野:女泣かせだしね。
牧島:そうですね。でも絶対たくさん笑わせてもいると思うんですよ。
水野:お~!確かに!
牧島:そのギリギリの感じが魅力的だと思います。
水野:男性にとって、こういう男の生き様は憧れですか?
倉持:人によるんじゃないのかな。僕は全然好きじゃないけど、好きな人はいるよね。破滅型に憧れる人はいるし、男なら一度は憧れるみたいなところはあるよね。
牧島:なりたいとは思わないけど、見ているのはいいな…みたいな感じですね。
水野:牧島さんという“いい男”がやることで、憧れちゃいそう。
倉持:そうですね。牧島くんがやるからかっこよくなっている。落語の「死神」の主人公・八五郎がかっこいいなんて、多分ないと思うんです。
水野:確かにそこも発明です!
―牧島さんが歌われている♪メインテーマ「愚人の流儀」MVも公開されていますね。ポップで楽しいナンバーですね。
倉持:台本を書いている最中だったかな。どう脚色しようかと迷っている時に中村中さんからがデモが届きまして、それで勇気づけられ、方向性がわかった気がしたんです。だから脚色の方向性を音楽が決めたとも言えます。八五郎が滅びの美学みたいなものを持っていてかっこいいのは、その曲に感化されたところもあったからです。
―牧島さんは歌ってみていかがでしたか?
牧島:難しい曲でした。でも、ちょうど昨日、みんなで歌ってみたら、すごく楽しかったですよね。
水野:リズムがとっても複雑で…。
牧島:16分音符は入りづらくもありますが、中村中さんが仕掛けをいっぱい作ってくれて、歌えるようになると乗りたくなるリズム。ガンガン前に進んでいく曲だから、歌っていて楽しかったです。歌詞も難しい漢字を使っているのでかっこよく聞こえるけれど、噛み砕くと「またそんなことを言ってるのか!」みたいな歌詞だったり、英語が入っていたり。好きですね。
倉持:あの歌1曲の数分で八五郎の栄光と挫折を表現できる。そういうのも音楽劇やミュージカルの強みですね。
―ご出演される皆さんもとっても豪華ですが、お稽古の楽しさ、このカンパニーの面白さを教えてください。
水野:浅利陽介さんと香月彩里さんが演じる熊五郎とお初のご夫婦のやりとりが、とにかく楽しいんです!江戸の町や長屋の暮らしの雰囲気を伝えることを、おふたりが背負っています。思い出しても笑っちゃうくらいです。
倉持:コメディが上手い人たちが揃っているから、僕も信頼して安心感を持って演出していますけど、皆さん本当に上手い。
水野:文字で読むと笑えるようになるとは想像もつかないようなセリフが面白い。それも皆さんがです。
倉持:なんでもないセリフだけど「こうやったら面白くなるんじゃないか」と、各自勝手に一生懸命に考えてやってくれるから面白い。それを取捨選択しています。
水野:ボツになった面白シーンは、普通は稽古場でしか見られないものですけれど、もったいないですよ。ショート動画で公開しましょうよ~!
牧島:それを見たくて公演に行ったら、それはやってない。(笑)
水野:それより面白いものが観られます!!(笑)
牧島輝 スタイリスト 中村剛 衣装協力 ANTOK @antok__design
牧島輝・水野美紀 ヘアメイク 橋本庸子

H&Aプロデュース企画 第1弾
『死神』
東京公演: 2026年4月11日(土)~26日(日)紀伊國屋サザンシアター
兵庫公演: 2026年5月2日(土)~4日(月・祝)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
作・演出 :倉持裕 (原案:三遊亭圓朝「死神」より)
出演
牧島 輝 樋口日奈 浅利陽介 玉置孝匡 香月彩里 立川志の春/水野美紀
公式サイト https://www.h-and-a-planning-shinigami.com/



















