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見どころ数珠つなぎ!新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-』囲み取材、公開稽古

累計1億4000万部を誇る人気漫画『NARUTO-ナルト-』が新作歌舞伎となって8月4日、新橋演舞場にて初日を迎える。前日3日に囲み取材に落ちこぼれ忍者の“うずまきナルト”役の坂東巳之助、ライバルの“うちはサスケ”役の中村隼人が登壇。原作とも、大人気となったスーパー歌舞伎『ワンピース』と違う新作歌舞伎『NARUTO』の魅力をアピール。公開稽古では、キレの鋭いアクションと、新作歌舞伎らしい派手な舞台を披露した。

【囲み取材】

『NARUTO-ナルト-』囲み取材02_(右・坂東巳之助_左・中村隼人)
中村隼人    坂東巳之助

ビジュアルポスターと同じ衣装で登場した坂東巳之助と中村隼人。
中村隼人:「歌舞伎でやるということで、この帯も歌舞伎で使う縄で、ちょっと漫画とは違う魅力が出たかなと思います。歌舞伎の中の立ち回りよりももっともっと早い立ち回りで、歌舞伎ではないような場面も結構あります。省くところは省いて、残すところは残して、演出・脚本のG2さんと巳之助兄さんと三人でやりとりして作ったので、(原作を)知らない人でも楽しめると思います。歌舞伎は演出家がいないので、演出家に細かいところまで見て頂いて安心感があります」

坂東巳之助:「全72巻という長大な原作の中から『どこをやるの?』ではなく、 完結させることを目標に始まった。最初はそれが制約としてはたらいていたところもありましたが、この3時間ちょっとの中に収めなきゃならない作業の中で『ここをやらねばならない』という場面を選りすぐってやってきたので、冗談抜きでノンストップですすんでいく、全場面が見どころになったと思います。アクションシーンが見どころなのは、原作がバトル漫画で、物語の進行にバトルが伴う。戦いをすることによって、キャラクター同士が気持ちを交感し合ったり、物語が前に進んでいく。物語の進行上、不可欠な場面で芝居の流れの中のひとつという作品だからです。『NARUTO』を見て育ってきた人たち、今好きな子供たちにがっかりして欲しくないという気持ちは、もちろんあります」

さらに巳之助は「極端な言い方をすれば」と前置きして「原作の漫画自体が『ワンピース』の陽に対して、『NARUTO』は陰なで、スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』のように「みんなで一緒に盛り上がろう」とは少し違う、スピード感はありながらもじっくりと物語の濃密さを楽しんで頂く作品に仕上がったので、まったく違うものとして楽しんで頂けたら嬉しい」と自信をのぞかせた。

【公開稽古】
「九尾」という狐化け物を生まれたばかりのうずまきナルトの腹に封印する壮大なオープニングから幕が開く。
大蛇丸(市川笑三郎)や自来也(市川猿弥)、綱手(市川笑也)、うちはイタチ(市瀬秀和)・・・続々とキャラクターが登場。
その動き、バトルもキャラクターと歌舞伎と融合。物語の展開と、舞台の華やかさ・激しさに目を奪われ、一時も目が離せない。

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 左から)うずまきナルト ナルト(坂東巳之助)サクラ(中村梅丸)サスケ(中村隼人)は、
カカシ(嘉島典俊)率いる第七班で配属された。

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ナルトの成長につれ、どんどん衣装も変わっていく

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サスケは写輪眼も発動する

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ナルトを弟子にする自来也

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影分身の術も披露!

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サスケ うちはマダラ(片岡愛之助) ナルト
うちはマダラは市川猿之助との交互出演。
「2人は立ちまわりの手、演出が違い、雰囲気がガラッと変わる」(隼人談)こだわりのキャスト。

長大な物語をグッと濃縮、見どころ数珠つなぎで綴る三幕約4時間弱。公演は8月27日(月)まで新橋演舞場にて。
https://naruto-kabuki.com/