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ミュージカル『アニー』辺見えみり インタビュー 「ハニガン役は悪役へのあこがれ」「声の使い方から演出家と一緒に作っていきたい」

32年間にわたって日本全国で172万人もの観客に感動を与えてきたミュージカル『アニー』が、2018年も4月に33年目の公演の幕を開ける。
今年も2名のアニーと12名の孤児役、12名のダンスキッズ役が厳しいオーディションを勝ち抜いて決定。大人キャストには、昨年から続投となる藤本隆宏、青柳塁斗、山本紗也加に加え、孤児院の院長・ハニガン役に辺見えみり、富豪の秘書・グレース役に白羽ゆりが新たにキャスティングされた。

今回Astageは、親子二代でハニガン役を演じることになった辺見えみりにインタビューした。お茶の間でおなじみの辺見えみりが、多くの子供たちと共演する本作で、どんな姿を見せてくれるのか。久々の舞台出演となるハニガン役への意気込みを聞いた。

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―12歳で初めて『アニー』をご覧になったそうですが、その時のことは覚えていますか?
覚えています。西部里菜さんがアニー役、夏木マリさんがハニガン役で出演していました。その時、舞台から客席に下りて観客の目の前で歌ったり踊ったりする自分と同じ年頃の子役が、とてもお姉さんに見えて「あこがれちゃうなぁ」と感じた覚えがあります。
でも夏木さんのハニガンは、最近のハニガンとは随分違ってとっても怖かった覚えがあります。

―お母様の辺見マリさんがハニガン役を演じられたのは2006年ですね。
はい、母はハニガン役を演じた最年長だったので大変だったと思います。私はその他の年にも『アニー』を観に行っていますが、年によって、役者によって、まったく違うハニガンで、とても面白いと思っていました。

―ご主人の松田賢二さんも出演されていらっしゃいますね?
はい、ルースター役を2年演じています。縁が深い作品ですね。

―ブログを拝見すると、ハニガンはずっとあこがれていた役だとのこと。縁が深いだけではない、あこがれる要因があったのでしょうか?
「母が演じた役だから」というのではなく、やはり「悪役へのあこがれ」があると思います。徹底した悪役をやりたいと思っていました。それに『アニー』のハニガンは、ただ怖いだけじゃない、とても人間味のある役であり、この作品の中で一番この時代を表した人物だと思うので、とても興味がありました。大富豪のウォーバックスとハニガンは、この時代らしさが真逆の表れ方をしているのだと思います。
そんな魅力的なキャラクターに素敵な楽曲もついてくる。ハニガンが大好きでしたので「いつか、やりたい」と思っていました。

―今はどんなハニガン像を描いていますか?
今、私の子供は4歳ですが、子供ができてから、私もどうしても他の子にも愛情深くなったような気がします。でもハニガンとしては、ひねくれた愛情を出さなくてはいけない。ただ意地悪で、ただ冷たい人だと深みもないですよね。「なぜ曲がったことをしてしまうんだろう」「なぜアニーだけにむかついてしまうんだろう」という部分を考えながら、迫力・・・声の迫力、立ち姿の迫力は出したいです。
一方、プラスな面としては、ハニガンは「恋愛したい!」という気持ちもある、とても乙女な人でもあります。怖いけれど、すごくかわいい面もあるので、その部分も出したい。両面のギャップを出すことができたらいいなと思っています。

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―4歳のお嬢さんが昨年『アニー』を観劇したそうですね。
はい。子供が出て来る場面では、すごく集中して見入っていて、帰り道には歌っていましたね。それだけ覚えやすい歌であり、子供の心にも残る歌なんだと感じました。

―まだとても幼いのに、心に残ったんですね。将来は・・・
どうでしょうか。芸能界でなくても、どちらでもいいんですが、子役では芸能界に出すつもりはありません。でもこうした作品を観てあこがれて、大人になってやりたいと思うのも素敵なことだと思っています。

―お母さんがハニガンを演じているのを見たら・・・
「ハニガンをやりたい」って思ってくれたら面白いですよね、三代で。

―でも怖いハニガンを演じているお母さんを見ることになるんですよね?
それはきっと嫌だろうと思います。私じゃないと思ってくれたら、それぐらいに演じることができたらいいですね。

―舞台に出演されるのは久しぶりですよね?
はい、子供ができてから舞台出演は難しかったので、5年は出ていませんね。でもやりたいハニガン役を頂いたので、がんばりたいなと思っています。

―歌、そしてダンスもありますが、トレーニングをされていますか?
はい。元々歌はやっていましたし、踊りは子供の頃10年間バレエをやっていたのですが、やめてしまっていたので、9月から再開して体力作りと音楽にのることを勉強しています。

―辺見さんが出産・子育てを経て、まだまだ子育ても大変だと思うのですが、舞台に戻ってこられる。励まされる女性も多いと思います。
そうですかね?ただ娘の幼稚園でのお仲間がすごく応援してくださっています。思いがけないことで、やる気がより一層大きくなりました。

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―バラエティなどとは違う、舞台ならではの面白さがありますか?
子供の頃からクラシックバレエで「稽古してきたものを発表会で踊る」ということを経験してきたので、元々舞台は好きなんです。
舞台はお客様と一緒に作っていくものだと思っています。お客様にばかり求めてもダメだし、私たちがお客様をひっぱって作り上げていくものだと思っています。『アニー』は出演者が子供だし、日によって毎日違うと思います。それは良い意味で舞台の魅力だと思います。
歌を歌うと拍手を頂ける。幕が下りたら拍手を頂ける。ミュージカルには出演したことがありますが、今回は初の生オーケストラ。それもすごく楽しみです。

―では、最後に「ここをがんばるぞ」と思っていることを教えてください。
いろいろなハニガン役がいますが、印象に残って「好きだったな」と言われるハニガンになりたい。そのために「歌がんばる」「踊りがんばる」「お芝居がんばる」は当たり前ですが、声の使い方から演出家の方と一緒に作っていけたらいいなと思っています。
せっかくのチャンスなので、すごくがんばりたいと思っています。ぜひ楽しみに観に来ていただきたいです。

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ミュージカル『アニー』
キャスト
新井夢乃【チーム・バケツ】 / 宮城弥榮【チーム・モップ】
藤本隆宏(ウォーバックス) / 辺見えみり(ハニガン) / 白羽ゆり(グレース)
青柳塁斗(ルースター) /  山本紗也加(リリー) / 他

東京公演
日程 2018年4月21日(土)~5月7日(月)
会場 新国立劇場 中劇場
チケット料金 全席指定:8,500円(税込)
★ スマイルDAY:
4月23日(月)17:00公演
4月24日(火)17:00公演
全席指定:6,500円(税込)
♥ わくわくDAY:
4月25日(水)13:00公演/17:00公演
来場者全員に『アニーのくるくるウィッグ』『オリジナルエプロン』『非売品バッジつきミニバッグ』『キャップ』4点のうちいずれか1点をもれなくプレゼント!
(入場チケット持参で当日のみ引き換え。グッズによっては数に限りがあり、先着順となります。)
※ 4歳未満のお子様のご入場はできません。
※ チケットはお一人様1枚必要です。
公式サイト http://www.ntv.co.jp/annie/