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女性たちが明るくて元気なミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』 「だからとっても革命的!」稽古場取材

9/25(水)より東京・TBS赤坂ACTシアターにて世界初演されるミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』。 8月27日(水)に、稽古の様子が報道陣に公開された。

ブロードウェイの新進気鋭のソングライティング・コンビが生んだ楽曲に、板垣恭一が日本版の台本を書き、演出する「掛け値無しの日米合作」(板垣談)のミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』。
その物語の舞台は、1844年頃、南北戦争よりも前のアメリカ、ボストンの北西に位置する町・マサチューセッツ州ローウェルに誕生した大規模な紡績工場。登場するのは、この工場でメインとなって働く女性たちだ。

この日、公開されたのは3つの場面。(能條愛未の稽古場代役として、日髙麻鈴が参加)

公開された1つ目の場面は、第3場。♪機械のように
女工たちが織機を前に黙々と働く工場の作業シーン。

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そこに柚希礼音演じるサラが、初めて工場に出勤する。左は先輩女工のアビゲイル(実咲凜音)
初めて見る工場・機械・そして多くの働く女性たちに驚くサラ。
驚きながらも、サラも必死に働き出す。

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女性たちが懸命に働く姿を迫力ある歌と踊りで表現。その姿からそれぞれの個性も垣間見えます。

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働く女性たちの力強い歌声が響き、稽古場にエネルギーが充満しました。

次に公開されたのは、第7場♪自由か死か

工場の作業場を離れ、ファクトリー―ガールたちが「自由に生きたい」「弱い自分に負けたくない」と想いを歌い上げます。
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そして第8場、歌われる楽曲は、♪ローウェル・オウファリング。

【ローウェル・オウファリング】とは、女工たちが執筆 ・編集した雑誌のこと 。今では、彼女たちのリアルな生活・労働、考えが書かれていて、今では当時の実情を伝える貴重な資料でもあります。
ソニンが演じるのは、その編集者ハリエット。彼女は、サラと共に実在の人物だそうです。

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長い労働時間、劣悪な作業環境など、苦しい労働条件の中、
働く女性たちが、自分達が寄稿することで出来上がったローウェル・オウファリングの素晴らしさを歌い上げます。

彼女たちの生き生きとした表情と美しいハーモニー、そしてひとりひとりが持つパワフルな歌声に圧倒されました。

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【囲み取材】

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演出・板垣恭一 清水くるみ ソニン 柚希礼音 実咲凜音 石田ニコル

柚希礼音:産業革命によって生まれた工場で働く女性たちのお話です。女性が働きだし、初めて自分のお金を持つことが出来た。今の時代にも通じる「女性が生きるとは?」というテーマを考えさせられる話になっていると思います。私の演じるサラと言う役はリーダー的な役ですが、板垣さんが当て書きをしてくださり、自分の宝塚のトップ時代にリーダーとして悩んだことがすごく思いだされる感じです。
こうした取材で、宝塚以外では女性がこれだけ並ぶことがない。だからとっても革命的な舞台だと思っています。恋愛がメインにはなっていないですが、観客に共感して頂けるものがたくさんある作品です。女性にはもちろん、男性にも「女性はこう思っているのだ」と分かって頂けると思うので、男性にも見て頂きたいです。

ソニン:ハリエットはサラと一緒に女性の権利を勝ち取るために活動をしてきますが、サラとは違ってローウェル・オウファリングの編集長をやって、そこから女性が教養や文才でも劣っていないことを示して、理論的に女性の権利を変えていこうとする役です。
新作ということで、スタッフとキャスト皆で話し合いながら一緒に作っているので、大変なところもありますが、幕が開いた時に今までないほどの達成感が待っているのではないかと思っています。女性だけが並んで激しく踊り、女性だけのユニゾンを聞くのは私は初めてなので、「これはお客様もゾワゾワとするんじゃないかな」と想像すると楽しいです。私は皆さんとは別のシーンが多いので、みなさんが一緒の場面がとても羨ましいです。

実咲凜音:工場で働く女性のひとり・アビゲイルを演じます。サラが工場に来たときにお姉さん的存在でサラにいろいろと教えるしっかりとした女性だと思っています。仕事の葛藤がある中でやるべきことをやりながら、サラと出会って共に権利を求めてやっていこうとする女性です。

清水くるみ:ルーシー・ラーコムという実在した女性役で、後に詩人となります。この中では一番年下です。ファクトリーガールたちの寮母の娘でもあり、年下ながらもやさしく明るくしっかり皆を見つめ支えています。ストーリーテラーでもあります。
女性ばかりで女子高の雰囲気です。みなさん、役者なので言いたいことは言う。(笑)

石田ニコル:マーシャ役です。ファクトリーガールは、働いて得た賃金でおしゃれを始めた女性たちでもありますが、おしゃれをして着飾って男性をつかまえようとする女性で、現在の婚活中の女性に近いかなと思っています。一生懸命働いて夢をつかんでいくという役です。

板垣恭一:いかなる時代を扱っていても現代劇じゃないと意味がないと、僕はいつも思います。今回は1844年のアメリカで安い賃金でこき使われているという話だとすると、どっかの国の今に似ていないかな?と思ってつなげていこうと思いました。そういう風に聞くと暗くて重い話だと思われますが、でもポップなシーンがたくさんあって、明るくて元気な芝居です。

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「柚希礼音さんとご一緒させていただけるとは!とすごく嬉しかったです」と語った実咲だが、今回は柚希の先輩役。
「自分自身も楽しめるところまでいけたらいいなと思うのと、お客様にも新鮮に感じて頂けるのではないかと思います」
一方の柚希は剣幸との共演に「『ル・ポアゾン』をずっと観ていたので、剣さんのお稽古を自分の席から見れるこの喜び!」と笑顔がこぼれた。

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さらに、清水くるみが「女性ばかりで女子高の雰囲気です。みなさん、役者なので言いたいことは言う」と言えば、「女性ならではかも!」という声もあがり、柚希が「私もこんなに意見を言うのは宝塚以来かも」ソニンが「男性にそれを言うと傷つくかも…と(思って言わないが、今回は言ってる)」との意見に大きな笑いが起きていた。

6人コ (1)

●東京公演
2019年9月25日(水)~10月9日(水) TBS赤坂ACTシアター
【東京公演・チケット料金】
S席12,500円 / A席10,000円 / B席8,500円 (税込・全席指定)

●大阪公演
2019年10月25日(金)~10月27日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【大阪公演・チケット料金】
S席12,500円 / A席10,000円 / B席8,500円 (税込・全席指定)

【CREATIVE STAFF】
音楽 / 詞:クレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニー
日本版脚本・演出:板垣恭一

【CAST】
柚希礼音・・・サラ・バグリー
ソニン・・・ハリエット・ファーリー
実咲凜音・・・アビゲイル
清水くるみ・・・ルーシー・ラーコム
石田ニコル・・・マーシャ
原田優一・・・アボット・ローレンス
平野 良・・・シェイマス
猪塚健太・・・ベンジャミン・カーチス
青野紗穂・・・へプサベス
谷口ゆうな・・・グレイディーズ
能條愛未・・・フローリア
戸井勝海・・・ウィリアム・スクーラー
剣 幸・・・ラーコム夫人(オールド・ルーシー)

島 ゆいか 安福 毅 当銀大輔 丸山泰右 大音智海 上條 駿 矢内康洋
酒井翔子 田口恵那 Sarry 杉山真梨佳 コリ伽路 井上花菜