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松本幸四郎上演回数1,207回!3年振りにラ・マンチャの灯がともる ミュージカル『ラ・マンチャの男』製作発表記者会見

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ミゲール・デ・セルバンテスの代表作であり、スペインの国民文学である「英知あふれる郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」を原作とした不朽の名作、ミュージカル『ラ・マンチャの男』が、ブロードウェイでの世界初演から50周年。

日本でも1969年、当時26歳だった松本幸四郎が、この革新的なミュージカルと出会い、以来、自身のライフワークとして共に歩み続け、これまでの総上演回数はなんと1,207回!
記念すべき1,200回公演では、脚本の故デール・ワッサーマンの「この作品にふさわしい人に渡してほしい」との遺志により、夫人よりトニー賞トロフィーが松本幸四郎に授与された。

その名作が今年、日本でも3年振りに上演される。
主演・演出を務めるのは、もちろん松本幸四郎。
そして元宝塚トップスター霧矢大夢ら新たなキャストを迎えて、新たな歴史が始まることとなる。

②1970年ブロードウェイ マーティン・ベック劇場

1970年3~5月 ブロードウェイ マーチン・ベック劇場 松本幸四郎 アルドンザ、サンチョと共に

 

2015年7月2日、都内にて製作発表会見が行われ、松本幸四郎、霧矢大夢、駒田一、ラフルアー宮澤エマ、宮川浩、上條恒彦、池田篤郎東宝(株)取締役演劇担当が登壇した。

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主演・演出を務める松本幸四郎(セルバンテス/ドン・キホーテ役)は「皆様方のお陰で、またラ・マンチャの灯がともりました。今年は原作「ドン・キホーテ後編」ができて400年、ブロードウェイで上演され50年、その5年後に日本で上演され、私は翌年ブロードウェイに招かれました。そうしているうちに、(今年)この『ラ・マンチャの男』を上演するときにはなんと73歳という年齢です。普通なら同級生とゴルフやゲートボールをやっている歳なのですが、幸四郎は稽古を入れ4か月、夏から秋にかけて『ラ・マンチャの男』をやっております。ひとりでも多くの皆様方にいらしていただけましたら幸いでございます」と愛嬌のある挨拶で取材陣らを和ませた。

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初参加の霧矢大夢(アルドンザ役)は「幸四郎さんにとりましては8人目のアルドンザということで、大変光栄であるとともに、大きなプレッシャーがのしかかっております。昨日、ほぼ全員の顔合わせリハーサルがあり、もうすっかり幸四郎さん中心の空気が出来上がっている中で圧倒され、まだまだ自分がアルドンザとして入ることが夢のような気持ちですが、皆様にしっかりついて稽古に励みたい」と凛とした姿で挨拶した。

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今年で参加20年となる駒田一(サンチョ役)は「荒くれ男や床屋などの役を経て、2009年からこの忠実な家来サンチョ役になりました。ワクワクすると同時に身の引き締まる思いで、背中がひきつりそうになりました。これから10月最後まで、怪我のないよう皆で力を合わせて頑張って行きたいと思います」

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初参加のラフルアー宮澤エマ(アントニア役)は「歴史ある大作に参加させていただけることは、正直不安の方が大きいくらいでしたが、顔合わせリハーサルでカンパニーの温かさ、この作品に対する皆さんの愛を感じて、早くこのカンパニーの一員として舞台に立ちたいという思いが不安を勝った瞬間があり、今から稽古が楽しみです。私なりのアントニアとして、この素晴らしい舞台に貢献できればと思います」

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同じく初参加の宮川浩(カラスコ役)は「この格式、歴史ある作品にでられるなんて夢のようです。もう50を過ぎて公の場でこんなことを言うのは恥ずかしいですが、敢えて言わせてください。とにかく、この公演を頑張ります」

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そして、松本幸四郎とほぼ同世代の上條恒彦(牢名主役)は「1977年5月の日生劇場から出演し38年になります。心が通いあうファミリーのような雰囲気で名前もニックネームで呼ぶ間柄のとてもよいカンパニーです。僕は同世代とはいえ幸四郎さんより2つも年上で、おそらくこれが最後の出演になるのではと思いますが、この38年が無駄にならないよう、妻に37歳ではじめて『ラ・マンチャの男』に入ったときよりも下手になったと評価されないように、ケツに鞭あてて頑張りたいと思います」とエネルギッシュに挨拶した。

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松本幸四郎は46年間、ドン・キホーテを演じてきた原動力について「皆様に支えられてきたの一言です。劇中、セルバンテスが描くドン・キホーテというより、ドン・キホーテそのもののセルバンテスの言葉に“事実というのはいつの時代も真実の敵だ”と“ありのままの人生にただ折り合いをつけ、人間としてあるべき姿のためになぜ闘わないんだ”という2言があります。父が死んだ時も、母が死んだ時も“見果てぬ夢”を歌っておりました。ですから、この質問に答えるとすると、この作品に!この歌に!勇気づけられ、助けられて、今日まで来たというのが正直なところです」と語った。

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応募総数3,000人の中から当選したオーディエンス150名も招待されたこの製作発表。最後には『ラ・マンチャの男』出演者のほぼ全員が壇上に揃って「見果てぬ夢」が披露した。

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続いて松本幸四郎のソロ…と、製作発表の壇上は圧巻のミュージカルの舞台に様変わり。歌だけでも壮大な作品世界を存分に感じさせてくれた松本幸四郎。9月の開演が待ち遠しい。

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松本幸四郎 in 『ラ・マンチャの男』は、2015年9月2日(水)~21日(月・祝)の大阪公演で幕を開け、9月26日(土)~28日(月)の松本公演、10月4日(日)~27日(火)の帝国劇場での東京公演へと続く。

松本幸四郎 in 『ラ・マンチャの男』公式サイト