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朗読劇『予告犯』松島庄汰インタビュー 「僕のゲイツに引き込まれに来て下さい」

映画やドラマとなった筒井哲也の漫画『予告犯』を原作に、9月13日(木)から23日(日)まで、池袋・あうるすぽっとで朗読劇『予告犯』が上演される。
今回は、全公演出演する刑事役の水谷あつしを除く、3人の犯人と刑事1人の役をそれぞれ4人の俳優が演じる競演となる。さらに公演中、舞台上のカメラで予告犯が犯行予告動画を撮影、Web配信されるという、これまでにないリアル+リアルタイムな舞台となる。
今回Astageは、主犯格のゲイツ役を演じる松島庄汰にインタビューが叶った。

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松島庄汰は2009年に活動を始め、数多くの映画やドラマに出演。近年は舞台『99才まで生きたあかんぼう』、エン*ゲキ#3『ザ・池田屋!』など、舞台でも活躍する若手実力派俳優。
朗読劇ならではの面白さと『予告犯』の見どころを聞いた。

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―これまでも朗読劇に出演されていますね。
昨年はNON STYLE石田さんと朗読劇『季節が僕たちを連れ去ったあとに』をやらせて頂きました。リーディングドラマ『朝彦と夜彦1987』など、今回で4作目です。

―今回のオファーを受けた時にはどう感じられましたか?
『予告犯』が漫画はもちろん、映画やドラマにもなっていて非常に人気の作品だということは知っていました。それだけ人気があるということはファンの方々もたくさんいらっしゃる。その作品を初めて朗読劇という形でやるので、プレッシャーでもあり、楽しみでもありました。

―主犯格のゲイツという役についてはいかがですか?
ゲイツはヒステリックで頭がすごくいい超人的な人間か、ちょっと常軌を逸した人間かと思っていたら、意外と普通の元会社員でした。そんなどこにでもいそうな青年が、犯罪を予告して刑事と追いかけ合いながら自分の目標に向かっていく。作品やキャラクター設定に無理がなく、すごく引き込まれました。「どこにでも居そうだ」と思える人物が、動画投稿サイトなどを利用することも「いつか本当に起きそうだ」と感じたので、それを朗読劇でやることで、お客様に「今、起こっているんだ」という錯覚を起こせるんじゃないかと思いました。

―そのリアル感は朗読劇だから生み出せる?
まず生ですし、あうるすぽっとという劇場はお客様との距離も近いので、どこにでもいる青年を演じることで一層リアルに感じて頂けるのではないかと思います。普通の人間が罪を犯し、想像できないような心理戦を、とても近い距離で観客の皆さんと一緒に体験していく。演出が丸尾(丸一郎)さんなので、すごく熱くなったりするのかな?僕のような地味な男が起こす大犯罪。そして衝撃のラスト!あ、それに舞台上からwebで配信もしますよね。今はまだ「web配信って、どうなるんだ?」と思っていますが、でもあうるすぽっとから世界中に向けてやるってことですよね。そこには(外からの)反応も返ってくる。そう考えると、生で朗読するって怖いですね。

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―朗読劇は他の演劇とは違いますか?
感じるのは「役者の実力がはっきり出る」ということですね。舞台だと一ヶ月くらいしっかりと稽古してから、本番に臨めます。でも、これまでにやった朗読劇の稽古期間は数日程度と短くて、台本を渡されて「はい、やってみて」みたいな感じで立ち回り・動き回る。だからそれまでの経験と実力がものをいう。そういう意味でもプレッシャーは大きいですし、役者として問われていると怖くもあります。
ただ長い稽古をすることなく本番を迎えるなら、舞台上で「おっと、こうきたか」という感じで、心理戦を楽しめるのではないかと思っています。

―ゲイツ役も4人がいますね。
それぞれの色を見せられるので面白いのではないかと思います。演劇ではWキャスト、トリプルキャストの経験はないですが、朗読劇はよくありますね。

―その時のお稽古はどのようにされるのですか?
一緒の時もありますが、別々の時が多いですね。僕は別々がいいですね。一緒だと、無意識の内に似てしまいそうになることがありますから。自分だけのゲイツをやりたいです。今回は取材やビジュアル撮影のためのイメージ作りとして先に映画を見たのですが、映画のゲイツが頭の中に残ってしまっているので、映画を見て良かったのか、いまだに悩んでいます。今、漫画を読むかどうか、悩んでいます。

―ゲイツはリーダー的な存在ですが、松島さんご自身はいかがですか?
普段は大抵、いじられているタイプです。唯一いじられなかったのは年下のキャストが多く、演じた役もしっかりしたキャラクターだった舞台。そこでは稽古も本番中もずっと役のようにしっかりといて、打ち上げの時にはしゃいだら「ホントはそんなキャラだったの?!」と言われたことがあります。ゲイツはリーダーらしいリーダーでもなく、メンバーの心のよりどころでもないですが、今度は引っぱっていかなければ…。

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―映像作品にたくさん出演されてきて、舞台への出演も増えておられますが、舞台の面白さを感じておられますか?
『99才まで生きたあかんぼう』では3歳の赤ん坊や年頃のセクシーな女性も演じていたのに、その後のエン*ゲキ#3『ザ・池田屋!』では沖田総司役をかっこよくみせなきゃいけない。楽しかったですし、面白さも感じましたが、同時に難しさも感じてきました。立ち方ひとつで感じが変わるし、ヒールを履いたら、また変わる。殺陣はほぼ初めてでしたので、いっぱい練習しました。「俳優は体を使わないと表現できない。全身使えないとダメだな」と強く思いました。
その中で、舞台の面白さは、日によってお客様の反応が違うのが分かりやすく感じられるところ。新鮮味を失わないように努力していると、毎公演違った感情が出てくる。何度同じお芝居をしても飽きることがなくなりました。精神的にも楽しめるようになってきたんじゃないかと思います。
俳優は、毎回環境が変わり、求められることも多く、新しいことに取り組むので、稽古場では大変ですけれど、楽しいからこそやっていけます。

―エン*ゲキ#3『ザ・池田屋!』、『99才まで生きたあかんぼう』では、まったく違う松島さんを拝見しましたが、今度も、また違う姿を見たいです。
僕自身にはゲイツが抱えたほどの恨みはありませんが、思い通りにならないことはあるし、ゲイツの思いも理解できます。それをぶつけてやれたら楽しいんじゃないかと思います。

―では最後に、このインタビューにキャッチコピーを頂けますか。
え~・・・。(しばし考えた末に)正義か悪か…。僕も映画を見ながら、ゲイツに共感していいのか、共感しちゃいけないのか、気持ちが振り子のように揺れて悩みました。なので是非、あうるすぽっとで振り子のように揺れて欲しい。僕のゲイツに引き込まれに来て下さい。

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松島庄汰プロフィール≫
兵庫県出身
’07年アミューズ30周年オーディションで準グランプリを獲得。
’09年より上京し、活動を開始。
主な出演作に、
ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』(フジテレビ系)、<
『ステップファザー・ステップ』(TBS系)、
映画「クジラのいた夏』、
『仮面ライダードライブ』(テレビ朝日系)、
舞台『里美八犬伝』などがある。
’14年には中国で話題の連続ドラマ『武則天』、
’15年タイのドラマ『kimono秘伝』に出演。
現在、『いつかこの雨がやむ日まで』(東海テレビ)に出演中。

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朗読劇「予告犯」
日程:2018年9月13日(木)~9月23日(日)全19回公演
会場:あうるすぽっと
料金:プレミアム8500円、一般6800円
公式HP http://yokokuhanapi.com/

原作:「予告犯」筒井哲也(集英社ヤングジャンプコミックス刊)
脚本:矢島正雄、谷碧仁(劇団時間制作)
演出:丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)
音楽:小澤時史

キャスト
ゲイツ:有澤樟太郎、黒羽麻璃央、佐伯大地、松島庄汰
カンサイ:川村陽介、鯨井康介、陳内将、藤田玲
メガネ:百瀬朔、村田恒、三原大樹、渋谷圭亮
刑事:伊藤裕子、櫻井淳子、高垣彩陽、朴璐美