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舞台『嘘と勘違いのあいだで』 インタビュー 辻本祐樹&新垣里沙 「想像を超えた役でした!」(辻本) 「嘘をつくときは、こういうふうにすればいいんだと学んでもらえたら⁈」(新垣)

イギリスを代表する喜劇作家アラン・エイクボーン作の舞台『嘘と勘違いのあいだで(原題:Relatively Speaking)』が、7月17日(水)に幕を開けた。(28日(日)まで、東京・六本木トリコロールシアターにて上演)
登場するのは、結婚前の若いグレッグ(辻本祐樹)とジニィ(新垣里沙)、ジニィの愛人・フィリップ(栗原英雄)とその妻・シーラ(水夏希)。4人だけで「嘘」と「勘違い」から生まれる笑いと人生の機微を描く傑作コメディだ。

濃密な稽古の進む稽古場を訪ね、辻本祐樹と新垣里沙に公演を間近に控えた今だからこそ感じる作品の魅力、楽しさを聞いた。

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辻本祐樹    新垣里沙

稽古場の様子はこちら)

―公演まで一週間となりましたね。稽古を経て感じる作品の面白さを教えて下さい。
辻本:よくこのタイトルをつけたなと思うくらい、思いっきり勘違いするし、思いっきり嘘をつく人がいて、「おいおい!」と思わず声を上げたくなるほど面白いです。
新垣:最初は嘘や勘違いが交差してドタバタしますが、次第に変わっていく4人の関係や心情が繊細に描かれた作品に仕上がってきています。そのあたりに注目して観て頂きたいですね。話しているのは2人でも、その脇にいる残りの2人が目だけで会話をしたりする細かいところも見逃して欲しくないです。
辻本:そうだよね。観客は誰を見るのかな…?
新垣:見方によって、観客も感情の入るところが違ってくると思います。年齢問わず「私は夏希さん演じるシーラがわかるわ」とか、「俺、こうならないように気をつけよう」とフィリップ側になる方もいるかもしれない。4人の誰かに共感できるのでは…と思います。

―今、お話を聞いていて、お二人も演じていて楽しそうなのかな…と思いましたが。
新垣:やっと楽しくなってきました。何かしながら台詞を言うことが多くて、しかも頭を働かせて嘘をついて誤魔化して(笑)、忙しいんです。それがやっとここ数日、体にも馴染んできて自然にできるようになってきたので「これは、本番はもっと楽しいだろうな」と思っています。

―俳優としては、ハードルの高い役だったのですね?
辻本:想像を超えていました。「こんなに難しいとは!」と思いました。

―ショウビズさんの作品は「キャストが大変過ぎるでしょ!?」と感じる作品が多いような…。その分、観客は楽しいのですが…。
辻本:プロデューサーさ~ん、言われていますよ!!(爆笑) 今、演出プラス「役に自分の気持ちがちゃんとこめられるようにがんばらなきゃ!」と思って稽古しています。

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―お二人が稽古を経て、互いの長所はどんなところだと感じていますか?
辻本:脚本を読んだ時には「わぁ~、ジニィってすごく嫌われそうな女性だな」と思ったのですが、本読みをしたら、イメージが全然違っていました。

―新垣さんが演じると、想像と違っていた?
辻本:はい、「みんな、超好きになっちゃうかも」と。「あれれ、そうか!そうやるのか!!」とびっくりしました。ジニィが、もうかなりカワイイです!見どころだと思います。
新垣:辻本さんの演じるグレッグがまっすぐで一途なんです。自分が嘘をついておきながら「コレを疑わないの?!」と思うくらいです。そんなグレッグだからこそ、ジニィも変わったんだろうな…と見えたらいいなと思いますし、カワイイと思ってもらえるような愛らしさがつまっている役を演じさせてもらえているんだと思います。
辻本:僕も「こういう人になれたら幸せだな…」と思いながらグレッグを演じています。こういう人なら幸せなのかな~。(笑)

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―栗原英雄さんと水夏希さんという先輩と4人での舞台ですが、そのあたりはいかがですか?
辻本:お芝居でもそうですが、お二人の人柄が素晴らしくて。本当に優しくて、とても助けて頂いています。4人芝居で緻密でスピーディで台詞量も多くて、正直、大変な時が多いのですが、なんとか乗り越えて、みんなで戦っている感じが楽しいです。
新垣:栗原さんとも夏希さんとも2回目の共演になりますが、夏希さんは前回は演じられた役柄のせいもあって「クールでかっこいい方」というイメージでしたが、今回、そのイメージプラスお茶目な方だなと。すごくかわいい方ですよね。
辻本:めちゃくちゃかわいいですね。
新垣:本当にかわいくて…。お二人ともすごい方なのにとても気さくで、だから明るく楽しい稽古場の空気になっているのだと思います。今回は、繊細に深いところまで考えて作っていく芝居なのですが、お二人ともに「何でも一緒に話していこう!」という感じで心をオープンにして下さっているので、私たちも伸び伸びやれていると思います。その上で、やはり刺激的でもあり、学ぶところが本当にたくさんあります。しっかり舞台上でお返しできるように、私もジニィをしっかり作りあげて、その時に生まれる表現ができるといいなと思っています。

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―稽古場での具体的なエピソードはありますか?
新垣:細かくつくり上げていく芝居なので、時にいっぱいいっぱいになって、皆が台本とにらめっこしているような時に、突然、栗原さんが「みんな、来て!来て!」「よし!よし!」と言って円陣を組んで「深呼吸!」と…。
辻本:パワーを共有し合うような…。
新垣:ひとつになる瞬間です!

―では、本作でのお自身の見どころをお願いします。
辻本:グレッグは「ここまで?!」というところも何でも受けとめてあげられちゃう役で、かなり振り切った性格です。その振り切った感じをを見て頂きたいです。新しい役どころだと思います。
新垣:辻本さんもおっしゃっていたように、ジニィは一歩間違えると嫌われる女性だと思うのですが「ジニィはジニィの考えを持っているからこうなのだ」というところまで伝えられるように稽古しています。公演では言葉だけでなく、動きもキュートでポップな感じのジニィに仕上がっていると思います。う~ん、私が一番嘘をついているかな!(笑)でも本番では「かわいく嘘をついているね」と言われるようにしたいです。「嘘をつくときは、こういうふうにすればいいんだ」とジニィから学んでもらえたら、嘘ついても嫌われないかも…。(笑)
辻本:いや、そこは学ばないで!学ばないで!(笑)
新垣:でも「嘘はダメなんだよ」というところまで、お伝えできるようにがんばりますから!(笑)

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―では、「観に行こうかな…」と迷っている方にひと言、お願いします。
新垣:最近は映像をつかったり、アクションや歌で見せたりする舞台も多いですが、この4人芝居は会話劇で、音響効果もシンプルで、演劇の原点に立ち返ったコメディです。でもドタバタでは終わらない、深く掘り下げた作品です。観た方に「演劇って、やっぱり面白いな」と思ってもらえるのでは…と思っています。そして、通し稽古を観た方が「あっという間に終わった」と言っておられたのです。テンポの速い話の中に、面白ポイントや考えさせられるポイントがあって、厭きることがなく、一気に最後まで楽しんで頂けると思います。
辻本:観に来て頂いて後悔させない作品になっています!六本木でやっていますので、気軽に観に来て、大きな口を開けて笑ってください!

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【公演概要】
2019年7月17日(水)~28日(日)
六本木トリコロールシアター
原作:アラン・エイクボーン 「Relatively Speaking」

翻訳・日本語上演台本・
演出:保科由里子
出演:
辻本祐樹、新垣里沙、栗原英雄、水夏希
※「辻」は一点しんにょう
チケット:全席指定  7,800円(税込)
企画・製作・主催:株式会社ショウビズ
公演公式サイト:http://www.show-biz.jp/usokan/