人類史上最古にして最大の謎「ノアの箱舟」伝説を描く壮大なスペクタクル感動巨編『ノア 約束の舟』。6月13日(金)の日本公開に先立ち、作品PRのため緊急来日したダーレン・アロノフスキー監督が、5月14日、都内にて記者会見を行った。
ラッセル・クロウ主演、エマ・ワトソン、ジェニファー・コネリー、アンソニー・ホプキンスなど豪華キャストが集結し、早くも来年度のアカデミー賞の呼び声が高い本作。全世界で今年3月に公開されるや、全米はじめ39ケ国でオープニング記録No.1を達成している。『ファウンテン 永遠につづく愛』以来、7年半ぶりの来日となるアロノフスキー監督が、前日の完成披露試写会の舞台挨拶に引き続き、本作への熱い思いを語った。
まるで箱舟の中にいるようなセット、床にはその箱舟に襲いかかる大洪水をイメージしたカーペットが敷かれた会場。『ノア 約束の舟』の雰囲気そのままに、多くのカメラフラッシュを浴びて監督が登場すると「再び日本に戻ってこられて嬉しい。今とっても興奮しています。日本のみなさんにぜひこの作品を楽しんでいただきたい」と笑顔で挨拶した。
まずは、映画化した理由を「ノアと箱舟の物語は、何千年も語られ続けてきた偉大な話ですが、これまでメジャーな形で映画になったことはないんです。そして、洪水や水の話は破壊と再生の意味をもち、世界中どこにもあり人間と切っても切れないもの。そんなストーリーを初めて大きな形で映画化するチャンスに恵まれて、とってもワクワクしています」と説明。
続けて、「13歳の時に先生から“平和について”の詩を書く課題を与えられ、ノアの話を書いて賞を取り国連で読み上げたことが、ストーリーテラーになるきっかけになったのです。その先生と再会することができ、今回の映画にも出演してもらっているんですよ。ノアが出会った片目が潰れた老女と、ノアの夢に出てくる死体が彼女です」と驚きのエピソードも披露した。
キャスティングについてもこだわりがあったようで、「リアリティをもたらす俳優が必要だった」とし、主役の“ノア”演じるラッセル・クロウは、「目の動き、唇の動き一つだけでも感情を伝えることができる俳優。『グラディエーター』以来、英雄的なキャラクターを演じていなかったので、ピッタリだと思いました」と明かした。
一方、この物語で一つのキーポイント役とも言える“イラ”を演じるエマ・ワトソンの起用については、「聖書には、神は自分の創造したものを破壊することは非常な悲しみで苦しみだと書かれています。正義と慈悲のバランスをドラマとして見せたかった。イラは人間の善の部分と未来への希望の象徴。それをノアとイラの対立で表しているんです。エマは『ハリー・ポッター』シリーズのキャラクターとして世界中から愛されていますが、みなさんが思っている少女ではなく、一人の大人の女性として彼女の新しい側面を見せたかったのです」と語り、秘めた可能性を引き出すことができたようだ。
同じく、ローガン・ラーマンやダグラス・ブースの俳優についても、「二人は今、ハリウッドで非常に成長著しい俳優。とっても一生懸命で、若い才能と一緒に仕事をすることは本当にワクワクしてとっても楽しいものですね」と絶賛した。
また、劇中に登場する巨大な“箱舟”と大洪水のシーンの迫力は、圧巻の一言。「色々な奇跡があってファンタジックな物語なので、俳優たちに現実味があってスケール感を感じられるものを作りたかった。建造するのに6ヵ月かかりました。雨と大洪水のシーンでは、雨を降らせるために映画史上最大のマシーンを作ったんです。1回の放水でサッカー場がいっぱいになる水の量。何百人、何千人ものエキストラがドロドロになりながら2週間半かけて撮影しましたが、物語の中で水は本当に重要な要素だったんです」と満足のいく出来上がりに笑顔をみせた。
さらに、つがいの動物たちが舟に乗り込むシーンは「とにかく美しく見せたいという思い、色々な種を見せたい」という思いからCGを使用したことを明かし、動物にも優しく、また使用した木材や水も全てリサイクルしたという、監督のこだわりも感じられた。
『ノア 約束の舟』
【STORY】
世界を呑みこむ大洪水を前に、重大な使命を負ったノア <世界のはじまり>を背負った男が箱舟に乗せたのは希望か、絶望か──
ある夜、ノア(ラッセル・クロウ)は眠りの中で恐るべき光景を見る。それは、堕落した人間を滅ぼすために、すべてを地上から消し去り、新たな世界を創るという神のお告げだった。大洪水が来ると知ったノアは家族と共に、罪のない動物たちを守る巨大な箱舟を作り始める。やがてノアの父を殺した宿敵がノアの計画を知り、舟を奪おうとする。壮絶な戦いのなか、遂に大洪水が始まり、ノアの家族と動物たちを乗せた箱舟だけが流されていく。閉ざされた箱舟の中で、ノアは神に託された驚くべき使命を打ち明ける。箱舟に乗ったノアの家族の未来とは？人類が犯した罪とは？そして世界を新たに創造するという途方もない約束の結末とは──？
監督・製作：ダーレン・アロノフスキー（『ブラック・スワン』『レスラー』）
脚本：ダーレン・アロノフスキー、アリ・ハンデル
出演：ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、レイ・ウィンストン、エマ・ワトソン、アンソニー・ホプキンス、ローガン・ラーマン、ダグラス・ブース
(c) 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
壮大なスペクタクル感動巨編『ノア 約束の舟』
6月13日（金）よりTOHOシネマズ日劇1ほかにて全国ロードショー！
