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高杉真宙インタビュー! 「マジンガーZの格納庫を作る? 何を言ってるんだと思った」でも、本当の自分はアサガワタイプ!? 映画『前田建設 ファンタジー営業部』

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ダム、トンネルなど数々の大プロジェクトに携わってきた実存する建設会社、前田建設工業株式会社の“ファンタジー営業部”の社員たちと、彼らを支えた技術者たちが、実際に試行錯誤と七転八倒を繰り返しながら取り組んだ 実話を実写映画化。

この度、Astageは主演の冷静な若手社員・ドイ役を演じた高杉真宙にインタビューを遂行!個性が強いキャラクターが揃う撮影現場でのエピソードや、本作の見どころをたっぷりと語ってくれた。

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― 前田建設にファンタジー営業部という部署があるということはご存知でしたか?

ファンタジー営業部があるということは知らなかったのですが、「前田建設」という会社名は知っていました。初めて「ファンタジー営業部」の存在を知ったのですが、映画の題名を聞いて「どんな映画になるんだろう・・・」と不思議に思っていました。台本を読ませていただいたら、ビックリするくらい面白くて。その上、脚本がヨーロッパ企画の上田誠さん、監督が英勉さんだっていうので、そりゃもう、絶対に面白くなるだろう!と思って、「絶対にやりたいです」とお願いしました。

― 物語のキャラクターとなった実在の方々にはお会いになりましたか?

はい、お会いしました。こういうと失礼かもですが、アサガワさんは見た目はいたって普通の方で・・・(笑)。でも、この方がファンタジー営業部を作られたんだと思うと、その熱量を感じました。しかし、実際に通常の仕事が終わったあとにファンタジー営業部として活動されていたそうなので、凄いです。

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― 実在の方と、本作で演じられている俳優さんとの印象のギャップがある方はいらっしゃいましたか?

小木さんの演じるアサガワさんは、なかなか迫力のあるアサガワさんだったので(笑)。実際のアサガワさんは普通にお話される方でしたよ。ついていきたくなるようなステキな方でした。もちろん、小木さんが演じられたアサガワさんもそうなんですが、ついていきたくなるベクトルが少し違う感じかもしれません。

― 高杉さんが演じるドイはいたって普通の青年。個性豊なキャラクターが揃う強烈な物語のなか、どのようにご自身の役と向き合っていかれたのでしょうか?

周りの皆さんのキャラクターが個性的なので、そのバランスを調節するのに時間がかかりました。撮影に入る前に本読み(台本の読み合わせ)があるのですが、通常1回のところ、今回は2回あったんです。僕の役はみんなから引き過ぎても、みんなと一緒にノリノリでもダメなので、その加減を監督と話し合いながら調整していきました。

高杉真宙

― 実際にダムを見学されるシーンがありますが、実際にご覧になっていかがでしたか?

感動しました。もともとダムのことは詳しく知らなかったのですが、あんなに精密な機械だったとは・・・と驚きました。本当にロボットのようでした。外から見る分にはただの石の壁なのに、中の精密さは凄い!

― 映画の中の驚いた顔は素だった?

僕が驚いているのは本当です(笑)。あと、六角さん(フワさん)が色々教えてくれる役なんですが、まるで六角さんの知識なんじゃないかと思うくらい(話し方が)上手で。それにも驚きました。

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― ところで、高杉さんは「マジンガーZ」はご存知でしたか?

一応、知ってはいましたが、子どものころケーブルテレビでチラッと見たくらい。テーマ曲が有名なので、それで知っている程度でした。

― そのマジンガーZの格納庫を作ると最初に聞いたときはいかがでしたか?

何を言ってるんだろうと思いました(笑)。しかも、設計はするのに実際は作らないということを読んで本当に理解不能でした(笑)。

― もし、高杉さんが普通の会社員でこの立場だったら、やっぱり最初はドイさんのような反応をすると思いますか?

いえ、僕はどちらかというとアサガワさん派なんです。ドイくんのように「大人ってこういうもんでしょ」と、自分の大事な部分を抑えて仕事していくという気持ちも分からなくないのですが、それって違うんじゃないかなと感じるところがあって。だから、もし僕がこのチームにいたら最初からガンガンに乗り気で行っていると思います。きっと「だって面白そうじゃん!」って言っていると思います。

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― あと、男子ってギミックが好きですよね?

そうですね。夢がありますよね。

― 撮影していて苦労したことは?

みんなが笑わせてくれて・・・本当に大変でした(笑)。僕、現場で本番中に笑い出したのって初めてでした。いつもはそんなことがないように、笑わないように気をつけているんですが・・・。

― その筆頭になっていた人は?

(しばし考えて)本当にみんなズルかったんだよなあ・・・(笑)。僕が実際に笑っちゃったシーンを使われているんです。やっぱり笑わせるのは、小木さん、岸井さん、上地さん、本多さんでしたね。

― 全員じゃないですか(笑)。

ファンタジー営業部の皆さんが揃うと大変でした(笑)。とにかくアドリブが多くて、「そんなこと僕に言われても」と思いながら聞いているんですが、なんでこんなに僕が怒られなきゃいけないんだろうと考えたら思わず笑っちゃったんです。

― では、ちゃんとしたセリフがありつつ、細かいアドリブもたくさんあって、それにもついていかなければいけない?

そうなんです。

― 自分からアドリブを発信することもありました?

ないです(笑)。基本的にそういうことをしない役なので、さらに辛い。僕は攻撃を受けるだけなんです。

― 小木さんのアドリブで思わず吹き出してしまったシーンはどこですか?

格納庫を横移動させなければいけないということになって、ヒントを求めて色々な人に話を聞きに行くんです。僕が「案をもらいました」と戻ってきて、みんなでパソコンを覗きながら意見を出すんですが、好き放題言われて・・・。僕は何にも言い返せないし、本当に勘弁してほしいですよ! ああ、思い出しても悔しいなぁ(笑)。

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― 完成作品をご覧になって、テンションが上がったシーンは?

トンネルの掘削のところです。実際に見ましたが、めちゃくちゃ迫力があるんです。最初にDVDで完成作品を観て、それでも凄い迫力でしたが、劇場で観ると音がもの凄くリアル。実際に見たときと変わらないくらいの臨場感で、本当にテンションが上がりました。ドリルジャンボ(トンネルを掘削する機械)、凄かったです。あれ、きっと(ロボットのように)変形しますよ。マジでカッコよかったです!

― この作品はお仕事ムービーでもありますが、グッとくるセリフはありましたか?

ドイくんのフラグ回収として使用された1つですが、ダムを見学したあとフワさんが空を見ながら発するセリフに感動しました。そのあとドイくんが変化していく部分でもあるので、大事にしていました。

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― 撮影中に印象に残っている場面は?

冒頭のシーンのアサガワさんの一人舞台です(笑)。英監督は基本的にワンシーン長回しで撮られるので、大変だったと思います。

― 英組の現場はいかがですか? ホームのようにリラックスして臨みましたか?

いえ、緊張しました。僕は初めてお仕事する方とも緊張しますが、2回目、3回目ご一緒する方のほうが緊張するんです。その期待に応えられるのかと考えてしまうんです。これまで出演した英監督の作品では主演ではなかったので、今回は主演という立場なので少し心持ちが違いました。だから余計に緊張してしました。

― 英監督とは、本作についてどのようなお話をされたのでしょうか?

本作についてというより、シーンごとでお話しました。監督がとても現場を盛り上げてくださるし、監督のイメージを感じ取ってそれに応えていこうと臨みました。最後のシーンでは、監督のイメージを理解できた分緊張しました。演じていると理屈では分かっていても感情がついていかないこともありますが、今作では自然と感情がついていきました。

― そのシーンは、実在の前田建設の社員の方々も見ていて感動されたそうですね。

最後のシーンは泣いちゃうか、笑っちゃうかどちらかだと思います。でも、感動できると思います。演じていても気持ちいいシーンでした。皆さんの個性が強いからこそ、あのシーンができたんだと思います。

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― 先輩社員として、アサガワさんとベッショさんのどちらがお好きですか?

う~ん、どちらもステキだと思います。やっぱり僕が一番苦手なのはドイくん系です。もっと遊び心が欲しい!(笑)。 ドイくんの気持ちもわかるんですけど、僕の中で「そうじゃないんだ」と思ったのが意外と早かったので。

― そうなんですか? それに気づいたのはいつ頃?

10代の頃には大人のフリをする時間を消化してしまったかも。それは違うんだなと思ってからは割りと楽になりました。面白く仕事ができる気がします。いま僕がいる環境は、アサガワさんみたいな人がいっぱいいるんです。そうじゃないと面白いステキな作品は絶対に出来ない。やりたいことをやっているのが監督だと思うので、それについていこうと思える、そんな現場が本当に面白いんです。そして、僕はそういう人たちが好きなので、そういう人になりたい。子ども心がある大人ってステキだなと思います。

― リアル・ファンタジー営業部っていう感じですね。

本当にそうです。それで大変な思いをしている人はたくさんいるかもしれませんが・・・(笑)。

― さて、昨年もドラマ、舞台、映画と大活躍でしたが、2020年はどんな年にしていきたいですか?

これまで学生役を演じることが多かったのですが、昨年はけっこう大人の役が多かったので、ありがたかったです。今年も色んな職種、新しい役どころを演じることができたら嬉しいです。昔から、レスキュー隊員とか幼稚園の先生がやりたいと思っているので、今年じゃなくてもいいのでいつかやってみたいですね。

― それでは、最後にあらためて本作の魅力と、これからご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

『前田建設 ファンタジー営業部』というタイトルを聞いただけでは何の話か分からないと思いますが、ただただ笑える映画でもありますので、気軽に劇場に足を運んでいただければ。それぞれキャラクターの見せ場があるので、キャラクター自身も必死にやっていますが、僕らも必死に演じました。ぜひ、大人になってしまった人、大人になろうとしている人に観ていただいて、その熱量が伝わったら嬉しいです。

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【高杉真宙(たかすぎ まひろ)プロフィール】
1996年7月4日生まれ。福岡県出身。舞台「エブリリトルシング′09」(09)で俳優デビュー。その後、映画やドラマ、CMと幅広く活躍。出演作品ドラマは「表参道高校合唱部!」(15)、「カッコウの卵は誰のもの」(16)、「サイン」(19)、「サギデカ」(19)、映画では、『トリガール!』(17)、『虹色デイズ』(18)、『君の膵臓を食べたい』(18・声の出演)、『ギャングース』(18)、『十二人の死にたい子どもたち』(19)、『賭ケグルイ』(19)、『見えない目撃者』(19)ほか。また舞台『カリギュラ』など多数の話題作に出演。

インタビュー撮影:ナカムラ ヨシノーブ

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映画『前田建設 ファンタジー営業部』
「うちの技術で、マジンガーZの格納庫を作っちゃおう!」
上司のアサガワにムチャ振りされた広報グループのドイたち。
ミッションは、“実際には作らない”が、設計図を出し、工期を立て、見積書を完成させ、実物を作るのと全く同じように取り組むこと。そう、これは日本の技術の底力を駆使したプロジェクトだった!現実世界の常識では到底理解できないアニメ世界の途方も無い設定や、あいまいで辻褄の合わない設定に翻弄されながらも、彼らは、無謀なプロジェクトに立ち向かう!

出演:高杉真宙 上地雄輔 岸井ゆきの 本多力 町田啓太 六角精児 小木博明(おぎやはぎ)
監督:英勉
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
原作:前田建設工業株式会社 『前田建設ファンタジー営業部1 「マジンガーZ」地下格納庫編』(幻冬舎文庫) 永井豪『マジンガーZ』
配給:バンダイナムコアーツ 東京テアトル
©前田建設/Team F ©ダイナミック企画・東映アニメーション
公式サイト:https://maeda-f-movie.com/

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