Open Close

『メアリー・ステュアート』メインビジュアル&スタッフ・キャストコメント、公演詳細

2026年4月にPARCO劇場にて上演されるパルコ・プロデュース 2026『メアリー・ステュアート』のメインビジュアル&スタッフ・キャストコメント、公演詳細が届いた。

ドイツの劇作家フリードリッヒ・シラーが執筆した名作『メアリー・ステュアート』。実在のスコットランド女王とイングランド女王の数奇な運命を描いたこの作品はこれまで数々の演出家が、それぞれの解釈で上演を重ねてきた。今回の脚本は、イギリスの演出家ロバート・アイクが手掛けたバージョン。大胆かつ衝撃的なアダプテーションで2016年アルメイダ劇場での初演では連日ソールドアウト、各紙ではFIVE STARの評価を受け、絶賛された。その後2018年にはウエストエンドのTHE DUKE of YORK’S THEATREでロングラン上演されるなど高い人気を誇っている。

出演は、

メイン_パルコ・プロデュース2026『メアリー・ステュアート』チラシビジュアル

メアリー・ステュアート役の宮沢りえ、イングランド女王 エリザベス1世役の若村麻由美。

パルコ・プロデュース2026『メアリー・ステュアート』ソロビジュアル

パルコ・プロデュース2026『メアリー・ステュアート』宣伝組写真_6×2

エリザベスの寵臣レスター役に、橋本淳。ポーレットの甥モーティマー役に、木村達成。犬山イヌコがメアリーの乳母ケネディ役で栗山演出作品に初登場。エリザベスの重臣バーリー役に谷田歩。フランス国王の使者オーベスピーヌ役に、実力派の大場泰正。エリザベスの廷臣デイヴィソン役に、宮﨑秋人。同じくエリザベスの廷臣ケント役に、文学座のホープ釆澤靖起。メアリーの看守ポーレット役に、阿南健治。メアリーの側近メルヴィル役に久保酎吉。さらにエリザベスの重臣タルボット役に、名優・段田安則。

<ティザー動画>

 

<コメント>
・栗山民也
あと5、6年もしたら、AIが人間のあらゆる生活を支配しているかもしれないし、80年前だって、人間は自ら創り出したものによって自らを滅ぼしてしまったじゃないか・・・などと答えの出ない問いをブツブツと繰り返していた時、一つの作品と出会った。すでに19世紀にあのフリードリッヒ・シラーによって書かれた「メアリー・ステュアート」の、ロバート・アイクによる新たな翻案である。
二人の女性の全身を賭けたぶつかり合いは、権力、王権、宗教などの対立の時間を冷酷に刻みつける。この長い歴史のなかで、ずっと響き合ってきた二人の人間の孤独な魂の衝突である。その様相は、私たちのこの現在の地球上の様々な対立そのままを鏡に映し出しているようで、とてもリアルだ。全て正確に作られたAIによる一つの解答よりも、舞台という場所で、われわれ人間が出会い別れていく不確定で愚かで間違いだらけの、だけど限りなく美しい物語を、わたしは選ぶ。

・小田島則子
ロバート・アイクが翻案した『メアリー・ステュアート』の翻訳を担当させて頂き大変光栄に思っています、と同時に大変緊張しています。
作者ロバート・アイクはまだ30代ですが、既に数々の大作を生み出しており、中でも古い作品を現代風に翻案する名手という印象が強い作家です。その一つ『ザ・ドクター』が栗山さんの演出によりパルコ劇場で上演されたときの記憶は今も鮮やかに蘇ってきます。『ザ・ドクター』は100年以上前にシュニッツラーが書いた原作が元になっていますが、アイクはこれを現代の複数の問題が浮き彫りになる陰影の深い戯曲に仕立てました。
一方、200年以上前にシラーが書いた戯曲を元にした『メアリー・ステュアート』は、現代の言葉ではあるものの現代風にではなく、より古いシェイクスピアの歴史劇に近づけたような翻案劇になっています。これを栗山さんがどのような舞台に立ち上げていくのか、翻訳をしながらあれこれ想像を巡らしていますが、きっと私の想像は裏切られるのだろうな(良い意味で)と思っています。
さらに宮沢りえさん、若村麻由美さんが2人の女王をどう造形されていくのか、本番を見るのが楽しみでなりません。

・宮沢りえ
演出の栗山さんからこの山の山頂を目指そう!とお誘い頂いた高い高い山。私にとってヒマラヤ級の『メアリー・ステュアート』メアリーを演じさせてもらえる事への、喜びと怖さで、心も身体も震えます。2025年に演出して頂いた『オーランド』を演じた時のように、高みを目指し、若村さんをはじめ素晴らしいキャストの皆さんと見たことのない景色を見れるよう全力を注ぎたいと思います。

・若村麻由美
パルコプロデュースで栗山民也さん演出は、世界を震撼させたルーシー・カークウッド作『チルドレン』(18)以来です。常に現代社会に問う栗山演出作品は、井上ひさし作『頭痛肩こり樋口一葉』(こまつ座13/16/22)幽霊花蛍役でも多くを学ばせていただきました。最も信頼する演出家にエリザベス1世役に指名いただき光栄です。
ヴァージン・クイーンとも言われるエリザベスは、運命に敢然と立ち向かう強い女性というイメージでしたが「国王とは国王という身分の奴隷に過ぎない。国王でいることは囚われの身と同じ、自らの心に従うことは許されない。」と吐露し決断に苦悩する人間らしさも併せ持ちます。台詞の攻防戦が見所なので演出を体現出来るよう、私らしいエリザベス1世を目指します。
牢獄に囚われたクイーンメアリーと、国家という牢獄に囚われたクイーンエリザベス。二人のクイーンの運命と闘いが、今を生きる私たちに何を投げかけるのかご期待ください。

・橋本淳
ロバート・アイク版『メアリー・ステュアート』と聞き、一筋縄ではいかない作品だろうと予想はしていましたが、今回翻訳された戯曲を読み、その予想はさらに斜め上をいくものでした。
レスターという人物を、私に預けてくださった栗山さんの思いに、感謝とともに受けて立つ覚悟です。
稽古前のひとり孤独に戯曲に向かう時間は、恐ろしくもあり途方もない時間ですが、その時間の大切さも知っています。この素晴らしいカンパニーと合流した時のために、しっかりと準備を積み重ね強大な壁に向かいたいと思います。
それぞれの欲望を満たそうとする愚かで滑稽な姿、それは国や時代に関係のない、人の業。
効率や合理性だけを求めることや、自身の発言や行動に覚悟や責任を負うことなく、他者になすりつけ逃げ回る姿に、現代社会にも通ずる普遍性を、悲しいかな、そう感じます。
この戯曲をしっかりと咀嚼し、裏打ちするメッセージをしっかりと作品の中に刻み込めるように、矜持をもって臨みたいと思います。どうぞご期待ください。

・木村達成
今回務めさせていただくモーティマーはプロテスタントとして育てられ、カトリックは危険だ、脅威だ、憎めと教えられていたにも関わらず、その教会を見た時に、息が詰まるほどの感動をします。そして、彼はメアリーに会ったその瞬間に、魅かれます。この激しさ、狂おしさといった心の扉を開けるのはきっと苦しいものだろうと今からふるえる思いでいます。「スリル・ミー」以来約2年半ぶりとなる演出家・栗山民也さん、宮沢りえさん、若村麻由美さんを始めとした共演者の皆様に食らいついて、邁進していきたいと思います。

パルコ・プロデュース 2026『メアリー・ステュアート』
東京公演 2026年4月8日(水)〜5月1日(金) @PARCO 劇場
福岡公演 2026年5月9日(土)~5月10日(日) @J:COM 北九州芸術劇場 大ホール
兵庫公演 2026年5月14日(木)~5月17日(日) @兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
愛知公演 2026年5月21日(木)~5月23日(土) @穂の国とよはし芸術劇場 PLAT 主ホール
北海道公演 2026年5月30日(土)~5月31日(日)@カナモトホール(札幌市民ホール)
原作=フリードリッヒ・シラー
翻案=ロバート・アイク
翻訳=小田島則子
演出=栗山民也
出演=宮沢りえ 若村麻由美 橋本淳 木村達成 犬山イヌコ 谷田歩 大場泰正
宮﨑秋人 釆澤靖起  阿南健治 久保酎吉/伊藤麗 上野恵佳 松本祐華/段田安則
公式HP=https://stage.parco.jp/program/marystuart2026
ハッシュタグ=#メアリー・ステュアート
企画・製作=株式会社パルコ