新橋演舞場にて2023年3月5日（日）よりミュージカル『ルーザーヴィル』が上演される。
イギリスのロックバンド・Son of Dork のデビューアルバム「Welcome to Loserville」の楽曲を使用し、主人公のコンピューターヲタクのマイケルをはじめ、SF やファッションなどの“ヲタク”な高校生たちの日常や恋愛模様を明るくコミカルに描いて、大ヒット。2013 年オリヴィエ賞、ベストニューミュージカル賞にノミネートされたミュージカルが、日本初上陸する。
今回、Astageにご登場いただくのは、スクールカーストのトップであり、マイケルをいじめるエディ・アーチ役を演じる山本涼介さん。
「仮面ライダー ゴースト」シリーズで人気を博し、ドラマ「陸王」や映画「旅猫リポート」など映像作品への出演も多数。舞台でも『六番目の小夜子』、『弱虫ペダル』といった様々なジャンルの舞台で活躍し、この3月には映画「刀剣乱舞‐黎明‐」の公開を控える注目も俳優だ。
ミュージカル初挑戦となる本作への思いを教えてもらった。
―今作へ向き合うお気持ちはいかがですか？
僕はミュージカルに出演するのが今回初めてで、歌とダンスは今までも少し経験がありましたが、ここまでがっつりと向き合うのは初めてなので、構えています。これまではト書きと台詞だけの脚本で、自分の感情を台詞に乗せて言うだけだったのですが、ミュージカルは途中で歌が入ってきたりする。アクションについても台本の書き方まで全然違うんですよ。歌うだけでも難しいですが、セリフが歌詞になり感情を芝居に乗せて歌う難しさを痛感して、かなり迷うこともありますし、すごく考えています。
―加えてダンスもあるそうですね。身体能力が高い山本さんですから、そちらもとても期待しています。
僕は覚えも悪いので…何回も何回も練習して、しっかりとしたものにできたらいいなと思ってます。
―ご自身の「ここは注目してほしいな」という場面はありますか？
初登場シーンですね。エディは全編通して“嫌な奴”ではあるのですが、その実“なんだか愛くるしい奴”でもあります。でも、その愛くるしい部分をお見せできるのが、初登場シーンぐらいだと思うので、この場面は大事にしたいと思います。きっとウォーリーさんから「何かやって」と無茶ぶりされると思うので、怖さもあります。稽古場で無茶ぶりされている光景が目に見えるようにイメージできるんですよ。いろいろ仕込んで稽古に行きたいと思います。
―ウォーリーさんといえば、製作発表会見では山本さんについて「彼が大好きなのです」といいながら「エディはスクールカーストのトップで、主人公のマイケルをいじめる嫌な奴で、芝居が出来るという前提で、根っからの嫌な奴を呼びたいと思って」山本さんをキャスティングしたと冗談交じりにおっしゃっていました。山本さんから弁明はありませんか？
ウォーリーさんも、ひどい言い方ですよね！（笑） ウォーリーさんとは何度もご一緒させてもらっていて、ウォーリーさんが演出されている「ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』」で僕が演じた役も、ちょっと嫌な奴ではありましたし、“嫌な奴“という役を結構多く演じているようにも思います。そこからウォーリーさんは僕を思いつかれたのかなと思っていますし、そうであってほしいです（笑）。でもウォーリーさんに呼んでいただけて、本当にありがたいです。
―ウォーリーさんが山本さんに信頼を寄せていらっしゃることを感じました。この作品で、ウォーリーさんに期待していること、楽しみにしていることはありますか？
これまでの2.5次元の舞台では、自分たちでアイデアを出してシーンを作ることが多かったです。でも、今回はジャンルも全然違うミュージカルですし、ウォーリーさんの演出方法も違うのかなと思っています。ウォーリーさんの演出は、観ても楽しいと思いますし、やっていても毎回、とっても楽しいんですよ。
―さて、初のミュージカルということで、歌についてお尋ねしたいのですが…。
歌を習っていたことはあるのですが、長く続かずに止めたり、また始めたりしていて、自分でも苦手意識がありました。カラオケに行っても「僕はいいです」みたいなタイプでした。イベントなどでは歌ったことはありますが、人前で歌うのは久しぶりになります。
―では、今作のためにボイストレーニングを？
昨年何回か行き、今年に入ってからは歌稽古が始まったので、もう何度も練習していますが、まだまだです。役になって歌うのは初めてですから…。でも音楽はロックな感じで、聞いているだけでもすごく楽しいので、きっと皆さんにも楽しんでいただけると思います。
―そして、ダンスはいかがですか？
それもドキドキです。本当に踊れるのか⁈ でも、でかい分、しっかり踊らないと不格好になるし、悪目立ちもしちゃうと思うので、やるしかない！一緒に楽しんでもらえるように頑張りたいなとは思ってます！
―今回のご一緒されるキャストの中で共演されたことがあるのは、高月彩良さんだけですか？
そうです。2021年に（「This is a お感情博士！」で）ご一緒しました。製作発表記者会見で彩良ちゃんに会って「あの時は、あまり話をしませんでしたね」と言われて「そうだったね。ごめんね」なんて話をしました。彩良ちゃんと二人の場面はかなりあったのですが、僕が主演だったので心の余裕がなかったんです。彩良ちゃんは、まっすぐなお芝居をされるので、すごく頼りになる方だと思っています。
―こんなに若い方キャストが揃う作品もなかなか無いですね。
今までは自分が年下の現場が多かったんですが、こんなに年下が多いのも珍しい。自分の立ち位置も変わってきたのかな、やるべきことも増えてきていると思うので、そういう部分でも、自分の成長にひとつでも繋がればいいなと思っています。
―歌に苦手意識があったのに、ミュージカルに出演されようと思った理由は？昨年からYouTubeも始められましたし、心境の変化があったのかなと拝見していました。
「何かに挑戦しないと」とは思っていたのです。ミュージカルに限らず、今、何か新しいこと、いろんなことをやらないと自分のためにもならないし、成長できないと思っていた時に、この作品のお話をいただいて、最初は「僕にミュージカルはムリ！」と思いました。正直に言うと、今まで「ミュージカルだけは勘弁してください」と口にしていました。
だから、最初は悩みました。けれども、ウォーリーさんの演出で、ウォーリーさんが呼んでくださったのだと聞いて「それなら、やるしかない」と思いました。
2023年、年の初めで気持ちも切り替えられるタイミングでもあるし「チャレンジしてもいいかな」「ミュージカルやってみよう」と思えました。本当に、この作品は自分にとって大事な分岐点です。
―では最後に、公演を楽しみにしている方へコメントをお願いします。
個人的な演技については、エディはいじめっ子でナルシストと言ってもいいくらいに自意識が高い。観に来てくださったお客さんに「エディはマイケルになんてひどいことを言うんだ！」「なんだよ、こいつ！」と嫌われたら大成功だと思うので、そこを突き詰められるように準備していきたいと思います。
でも「エディのことは嫌いになっても、山本涼介のことは嫌いにならないでください」と言いたいです。（笑）
作品については、音楽だけでも楽しめる作品ですし、ストーリーも“まさに青春！” ウキウキ、ワクワクできる物語なので、音楽も動きもお芝居も、全部を楽しんでもらえばと思います。
ミュージカル 『ルーザーヴィル』
脚本・音楽・歌詞 エリオット・デイビス＆ジェイムズ・ボーン
演出 ウォーリー木下
翻訳・訳詞 福田響志
音楽監督 NAOTO
振付 梅棒
脚本・音楽・歌詞：エリオット・デイヴィス＆ジェイムズ・ボーン
演出：ウォーリー木下 翻訳・訳詞：福田響志 音楽監督：NAOTO 振付：梅棒
出演：井上瑞稀（HiHi Jets／ジャニーズJr.）、本髙克樹（７ MEN 侍／ジャニーズJr.）、
高月彩良、山本涼介、青野紗穂 ほか
東京 新橋演舞場 2023年3月5日（日）～3月22日（水）
大阪 大阪松竹座 2023年4月6日（木）～16日（日）
広島 上野学園ホール 2023年4月20日（木）～21日（金）
愛知 御園座 2023年4月26日（水）～30日（日）
公式HP：https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/202303_loserville_enbujo/
