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ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』小野賢章インタビュー「とてもパワーを持っている作品。この機会を逃すと一生やってこない、特別な記念になるはず」

ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』が、白井晃演出のもと、初の日本人キャストで9月9日(木)~9月29日(水)に日生劇場にて上演される。(大阪公演は 2021年10月8日(金)~10月10日(日))

世界的に有名な未解決事件として知られている殺人犯・通称“ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)”による連続殺人事件を題材に、チェコ共和国で生まれ、韓国でアレンジされて大ヒットとなった本作は、一度見たら忘れられないキャラクター、スリリングで予測不可能な展開、そして切ないラブストーリー、美しい音楽…で多くのミュージカルファンの心をつかんだ見どころ満載の作品だ。

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今回、インタビューにご登場頂くのは、小野賢章さん。
本作で演じるのは、研究のため臓器を手に入れるべく、ロンドンを訪れたアメリカ人医師ダニエル。
稽古の様子や本作の魅力、そして舞台出演への思いを聞いた。

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―公演まで一か月あまり。お稽古の進み具合はいかがですか?
まだまだ序盤、やっと1幕を終わったあたりです

―稽古場の雰囲気は?
みんながスタートダッシュを決めようと頑張っている…という感じがありました。最初からそれぞれがしっかり役に向き合っている、大人の雰囲気の稽古場です。

―個性的なキャラクターばかりの本作で、ダニエルは中心となる役。ご苦労も多いのでは?
ダニエルが物語をひっぱっていくのではなく、振り回されたり巻き込まれたりしていく役なので、そうしたプレッシャーはあまり感じていないですね。

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―名曲が多い作品だと思います。
難しい曲ばかりだと思っています。題材も重いので、ただただ楽しいという曲は少ない。歌っていて「いい曲だな」と思いながらも「楽しいなぁ」と思うことはあまり無くて…。

―♪「もしかしたら」はダニエルと恋人グロリアとの素敵なデュエット曲なので、楽しみにしています。
♪「もしかしたら」はとても良い曲ですが、物語の後半を考えてしまうと、いや考えてはいけないのですが、でも、つい考えて「つらいな」と思ってしまうので…。手放しで楽しめる曲がないんです。
でも、もっと練習をして、素敵なデュエットをお届けできるようにがんばります!

―楽曲としても難しいのでしょうか?
とても難しいです。思ったよりもテンポがゆったりしていて、気持ちが盛り上がっていくのにテンポが落ちていきます。気持ちに急ブレーキをかけられているようで、苦労しています。

―その後には男性陣と歌い上げる♪「みんな、聞いてくれ」という楽しい曲もあり、複雑なお役だと思いますが、役作りはだいぶつかまれてきましたか?
まだ稽古が一幕までなので、後半のダニエルが変わっていくところまではできていませんが、彼がロンドンに来た理由が、解剖用の臓器を手に入れるという、なかなか他人には言い難い理由なので、恋をしても手放しでは浮かれることができません。「恋は盲目」といいますが、そういう気持ちは一瞬だけ。その後すぐに彼には厳しい現実が展開していきます。

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―ここまで稽古をされて、この作品の面白さは?
ダニエルはタイミングや運命に翻弄されます。もしダニエルがグロリアに一目惚れしなかったら、一目惚れしても、グロリアがその環境に居たくないと思わなければ、こんなことにはならなかったかもしれない。誰も、そんな結末になるとは思っていなかったのに、不運の積み重ねが、不幸な結末を生んでしまう。運命のいたずらで転がり落ちていってしまう。そこがひとつの魅力です。
そして、ダニエルは純粋で責任感が強い。その真面目さゆえに、ひとつ間違ってしまうと、どんどん行き過ぎてしまう。その恐ろしさも表現できたらと思います。

―Wキャストの木村さんからも刺激を受けておられますか?
はい。稽古場ではまず達成がやって大枠を固めて、それから「キャストを変えてやってみよう」と進めていることもあり、達成に助けられている部分が多いです。
「達成がそうするなら、ダニエルとしてのいろいろな選択肢の中から、僕はこうやってみよう」というように考えたりもして、稽古がやりやすいです。

―今回のお稽古に入られてから、新しく発見したご自身の成長点はありましたか?
う~ん…(しばらく考えて)初めての本読みの時、台本を手にもった状態での読み合わせは上手くできたと思います。

―その段階で役作りができていたということですか?
活字を前にしての本読みなので、普段の声優としての力を発揮しました!(笑)

―どんな反応がありましたか?
堂珍さんに「キャラクターが見えたよ!」と、とても褒めて頂きました。
僕は声優の仕事をメインにやらせてもらっているので、続けて舞台に出演しているわけではなく、2年に1回位のペースでしかミュージカルには出演していませんが「声優として自信をもってできるところは発揮しなくては、これまで自分のやってきたことを否定してしまうことになってしまう」と思ってがんばりました。

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―小野さんがとてもお忙しい中でもミュージカルに出演される理由を教えて頂けますか?
「歌や音楽の力はスゴイ!」と思う瞬間がミュージカルにはあります。それは魅力のひとつです。
そして、普段の(声優の)仕事を続けていると、アウトプットし続けている状態になってしまうので、ミュージカルや舞台の、僕が共演したことがない方ばかり、全員が「初めまして」のような中に入って、いつもとは違う環境でものづくりをすることは、僕にとって自分をリセットするような感覚があります。
そんな僕でもお話を頂けるなら、その期待にお応えしたいと思って舞台に参加しています。

―では、最後に、本作の観劇を迷っている方へひとこと、お願いできますか。
この作品はとてもパワーを持っている作品なので、きっとこれからも上演される作品になるだろうと思いますが、その中でも日本版初演、日本人キャストでの初めての公演はスペシャルです。この機会を逃すと一生やってこない、特別な記念になるものだと思います。
観に来て下さる皆さまのために、僕らは毎日、満足して頂けるものをお届けしたいと懸命に稽古していますので、是非観に来て頂けたら嬉しいです!

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キービジュアル

ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』
スタッフ
作曲:Vaso Patejdl  作詞:Eduard Krecmar 脚本:Ivan Hejna
演出:白井晃

キャスト
ダニエル:木村達成・小野賢章(Wキャスト)
アンダーソン:加藤和樹・松下優也(Wキャスト)
ジャック:加藤和樹・堂珍嘉邦(Wキャスト)
グロリア:May’n
ポリー:エリアンナ
モンロー:田代万里生
朝隈濯朗 天野勝仁 伊佐旺起 石井雅登 齋藤桐人 常川藍里 水野栄治 りんたろう
碓井菜央 岡本華奈 熊澤沙穂 香月彩里 菅谷真理恵 ダンドイ舞莉花 永石千尋 橋本由希子

<東京公演>
期間:2021年9月9日(木)~9月29日(水)
会場:日生劇場
主催:ホリプロ/WOWOW

<大阪公演>
期間:2021年10月8日(金)~10月10日(日)
会場:フェニーチェ堺 大ホール
主催:キョードーマネージメントシステムズ/フェニーチェ堺

企画制作:ホリプロ

公式ホームページ https://horipro-stage.jp/stage/jacktheripper2021/
公式Twitter @musicaljack
公式Instagram @musicaljack2021

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