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ミュージカル『東京ラブストーリー』W三上インタビュー 廣瀬友祐×増子敦貴

“あの大人気漫画が初めてミュージカルになる!”と注目を集めるミュージカル『東京ラブストーリー』(原作:柴門ふみ)が、いよいよ11月27日(日)に東京建物 Brillia HALLにて幕を開ける。

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増子敦貴        廣瀬友祐

Astageは、10月30日に行われた「ダブル三上トークイベント」を終えたばかりの廣瀬友祐(空キャスト)と増子敦貴(GENIC)(海キャスト)を訪ね、上演迫る公演への思い、モテ男・三上健一の役作りなどについてたっぷりお話し頂いた。

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―トークイベント、お疲れ様でした。おふたりが本作について、三上健一役について語るイベントは今回が初めてですね。いかがでしたか?
増子
:僕は役者として皆様の前でお話しすることがなかなかないので、すごく新鮮でした。友祐さんとも話し合えて、とっても楽しかったです。

廣瀬:楽しくて、あっという間に終わっちゃいましたね。こういう機会を作ってもらえたのも嬉しかったし、いろいろ話せたのも楽しかったです。やっぱり1人より対談の方が楽しいですね。

―今回はおふたりが同じ三上健一役ですが、Wキャストではなく2チーム制なんですね。
増子
:Wキャストは一度経験がありますが、ダブルチームは初めてです。
廣瀬:僕もWチームは初めてです。同じ役をやるということではWキャストとも捉えられますが、Wキャストとは別物だと思っています。

―お稽古はどのように?
廣瀬
:最初は2チーム一緒で、お互いの稽古を見ていましたが、最近は時間帯を分けてチームごとの稽古になりました。ただ、このご時世なので、稽古が一緒でもチーム毎に分かれた座席で、チーム内では話し合うけれど、同じ三上役とはいえ、あっちゃん(増子敦貴)と話す機会はなかなか無くて…。

―では、W三上トークイベントは、貴重な機会でしたね。稽古の序盤でチラリと見たお互いの演技の印象を伺えますか?
増子
:僕が台本を見て「こう演じたい」「こういう三上にしたい」と思っていた、その三上像を友祐さんがやっていて、本当にかっこいいんです!僕が女性だったら、メロメロです!僕も僕なりにそう演じていたつもりだったのですが、自分の稽古映像を見て「ちょっと違うな」と思ったりしながら、友祐さんの三上からたくさん勉強させていただいています。

廣瀬:あっちゃんは、男の僕から見ても、演技でも見た目でも “三上の要素”を間違いなく持っていて、あっちゃんの三上も、海チームのみんなも、彼らの“今”が見えた瞬間が本当にキラキラしていました。だから、それぞれのチームの良さをもっと生み出したい、僕は僕なりの三上を出せたら…という思いで稽古しています。

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―三上健一は稀代のプレイボーイです。役作りへの思いをお聞かせいただけますか?
増子
:三上は地元では両親と上手く折り合えず、帰る場所がない。三上はどこか大事なところが埋まってない人物で、女性を求めている理由はそれなのではと思っています。なので、そこは大事に演じていきたいと思っています。

廣瀬:三上の歌うナンバーが「♪56人の女たち」です。付き合った女性の数が56人!現実離れしていて、自分の価値観では共感しづらい部分はあるけれど、あっちゃんが言うように「なぜそうなのか?」を考えると、おそらく「愛されたい」や「愛を感じたい」なのかなと思います。このミュージカル『東京ラブストーリー』の中で、三上が“愛への捉え方”について成長できたら「愛されるより、愛したい」へ行き着くのかなと、今はなんとなく思っています。ただ、そこにはいろんな出来事が必要で、それをどう作っていくか。そこを今、まさに格闘中です。

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―その「♪56人の女たち」という曲について、ご紹介いただけますか。
廣瀬:三上の“陽”の部分を歌った自己紹介ソングみたいな曲で、彼の基本的なキャラクターイメージが詰まっています。

増子:この曲は三上を囲む数人がダンスなどで56人の女たちを表現していくのですが、稽古で見ていたら「あれ?!人数増えた?」という声が上がったんです。「そんなマジックを見せてくれるようなすごい曲なんだ」と思いました。その中心で歌い踊るのが三上で、三上の魅力が出ていると思うので、観てもらったら、とっても楽しい気分になれると思います。

廣瀬:僕は三上健一に対して、女に手が早くてチャラチャラしていながらも、どこかクールなイメージを持っていたのですが、この曲は僕が抱いていた三上のイメージよりもポップだったので、この曲によってよりカジュアルな三上健一像に変わりました。

稽古場のぞき見【動画】歌唱披露

―今、まさに根底から作っているんですね。新作ミュージカルということで、ご苦労されているのでしょうか?増子さんは、いかがですか?
増子
:空チームの稽古の様子を見ていてすごいと思うのは、空チームの皆さんがずっと先まで見えていること。だから演出の豊田めぐみさんやスタッフさんと一緒に作り上げていくことができる。僕はまだ目の前のことで精いっぱいで、先々を考えて自分から発言する自信がありません。今は「舞台って、こうやって作っていくんだ」と新たな作品をゼロから作っていく作業を目の当たりにして勉強しています。ものを1つ作ることは、こんなにも大変なんだと、日々感じています。

―ミュージカルのご経験が豊富な廣瀬さんはいかがですか?
廣瀬:オリジナルミュージカルなので、特に難しいし、苦労しています。これだけ有名な漫画・ドラマを、展開の早い舞台にするには凝縮しなければいけない。だから最終的に選ばれるセリフや歌詞の言葉一つひとつのすべてが、ものすごく大切なパワーワードです。ミュージカルだから、曲に引っ張られるところはありますけれど、それだけではもったいない。このキャストだからこそ膨らませたいという思いもある。どういう言葉をチョイスするか。今、キャスト一人ひとりが悩んでると思います。

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―先ほどのトークイベントで「2チームは、動きや歌詞も違うところもある」とおっしゃってたのは、そういう理由もあるのですね。その生まれたての作品を、是非とも観ていただきたいですね。その2チーム、それぞれの特徴を教えて頂けますか?
増子
:海チームは…海チームのグループラインは、朝「おはよう!」や「今日もがんばろう!」から始まり、稽古を終えると「今日はこれ、食べてるよ」と食事の写真が送られてきたりと、ずっと稼働しています。僕だけ居残り稽古をしていると「まだ残ってると思うけど、頑張ってね、ファイトだよ」と送ってくれて、僕も「終わったよ。ありがとう、みんな。明日も頑張ろうね!」と送る。一人ひとりに寄り添おうとしてる感じが、長く一緒に過ごしてきた仲間のようで素敵だなと思いますし「みんなも一生懸命頑張ってるんだな」「自分も頑張んなきゃ」と思います。

廣瀬:僕はレナちゃん(笹本玲奈)との共演は初めてですが、空チームのメンバーは経験豊富なので「自分の役をしっかり成立させれば、最終的にこの4人なら絶対にうまく噛み合う」と信頼しています。だからこそ「今はまず自分との戦いを制したい」と僕は今、自分のやるべきことに没頭できています。今は各々がそう思って個々で戦っている部分もあると思いますし、言葉にはせずとも感じ合ってる雰囲気が自然に生まれています。
それから、僕ら空チームもグループラインはあるんですよ。でも「おはよう!」は無いなぁ。(笑)

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―2チームそれぞれが楽しみです!では最後に、まだ本作の観劇を迷っている方へメッセージをお願い致します。
廣瀬
:あの『東京ラブストーリー』ですから、ミュージカルになるのは、いろんな意味で気になっている方が大勢いると思います。僕が舞台を本当に特別だ、大好きだと思っているのは、客席とステージに仕切りがない、1歩踏み込めば触れられる距離なのに、そこには夢があって、ドラマがあって生身の人間が作った別の世界があるからです。本作では、完治が、三上が歌うんですから、是非とも劇場で体感してほしいです。

増子:生であの世界観に浸って観られるのはこの作品だけですからね。そして何度見ても新しい感情や思いを感じ取れる舞台になっていると思いますので、迷わず観に来てほしいです。カップルや友達同士で一緒に観て、いろんな恋愛トークに花を咲かせてほしいですよね。でも、カップルで観に来たら、マズイことになるかもしれませんが‥(笑)。

廣瀬:うん、確かに!(笑) 劇場の楽しさをご存じの方はもちろん、舞台やミュージカルを初めて観るという方とも、劇場で一緒の時間を過ごせたら、こんな幸せなことはありません。
そして、2チームを両方観てもらって「あっちゃんの三上が好き!」になるか、「どっちもいいね」と言ってもらえるのか、「廣瀬は無理!」ってなるのか?!(笑) 楽しんでほしいです!

 

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ミュージカル『東京ラブストーリー』
<キャスト>
【空キャスト】
永尾完治:柿澤勇人
赤名リカ:笹本玲奈
三上健一:廣瀬友祐
関口さとみ:夢咲ねね

【海キャスト】
永尾完治:濱田龍臣
赤名リカ:唯月ふうか
三上健一:増子敦貴(GENIC)
関口さとみ:熊谷彩春

長崎尚子:綺咲愛里

和賀夏樹:高島礼子

永野亮比己、 引間文佳
新井希望、 尾関晃輔、 上條駿、 今野晶乃、 咲良、 高瀬育海、 俵和也、 照井裕隆、
妃白ゆあ、 町屋美咲、 安福毅、 矢吹世奈、 吉崎裕哉 (五十音順)

スウィング
大村真佑、高井泉名(五十音順)

<スタッフ>
原作:柴門ふみ「東京ラブストーリー」(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
音楽:ジェイソン・ハウランド
脚本・歌詞:佐藤万里
演出:豊田めぐみ

<東京公演>
期間:2022年11月27日(日)~12月18日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
<大阪公演>
期間:2022年12月23日(金)~25日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
<愛知公演>
期間:2023年1月14日(土)
会場: 刈谷市総合文化センター大ホール
<広島公演>
期間:2023年1月21日(土)~22日(日)
会場:JMSアステールプラザ大ホール