WOWOW「連続ドラマW 夜の道標 -ある容疑者を巡る記録-」の完成報告会が、9月1日に都内にて行われ、主演の吉岡秀隆をはじめ、共演の高杉真宙と森淳一監督が登壇した。
本作は1990年代後半が舞台の本格社会派ミステリーをドラマ化。家庭に問題を抱える窓際刑事・平良正太郎を吉岡秀隆が演じ、平良とバディを組む若手刑事・大矢啓吾を高杉真宙、ミステリアスな容疑者・阿久津役を野田洋次郎が務める。
本作がWOWOWドラマ『トクソウ』以来11年ぶりの出演となる吉岡は、「WOWOWらしい骨太なドラマができたと思います。社会派ミステリーということですが、自分としては社会派の後に、ヒューマンを付けてほしいくらいの作品です」と自信をのぞかせる。高杉も「自分も早く観てほしい作品だと思っています」と声を弾ませた。
役づくりについて、吉岡は「窓際のしょぼくれた男の気持ちが分かる年齢になってきました(笑)」と言いながら、「それでも大矢に出会い、もう一度正義というか、情熱のようなものに火がつくという・・・。役づくりというよりも、現場にいってライブ感でやりました」と話す。
高杉も自身の役がらを「刑事にあこがれて、やっと刑事になれたので、正義感があふれるばかりで空回りしてしまうキャラクターです」と説明し、「最初に脚本を、その後に原作を読ませていただいたんですが、映像が頭に浮かんで、この原作をよくこういうお話にしたなと感心しました」と回顧。
高杉の言葉に吉岡も同調しつつ、「すごいセリフ量だったもんね。運転しながらすごい量のセリフで」とねぎらうと、高杉も「すごく多かったですね」と笑い、「僕も、これは今すぐにセリフを覚えなきゃと思いました」と話した。
森監督は、本作について「基本的にはテレビドラマなので、エンタテインメントでありたいなとは思っています。最後の5話まで観ていただけるような作品づくりは心がけました」とキッパリ。「ただ、後半にいくにつれて内容がだんだんヘビーになる。観てくれた人の心にリアリティーを持って届くようなものになってくれたらいいなと思います」と期待を込める。
会見では阿久津弦役の野田と、長尾豊子役の瀧内公美-からのメッセージも紹介された。野田は「毎日監督の背中を見ていて、撮影が終わるたびに『監督も少しは休まれてください』と声をかけるようになっていました」と監督を心配していたエピソードも。森監督は「確かに声をかけていただきましたね」と微笑みながら、「自分では疲弊してなかったつもりだったんですが・・・」と苦笑い。「野田さんの役は難しい役で、どう演出するか迷っていました。まずは野田さんのセリフを聞いて、そこから野田さんの意見を聞こうと思ったのですが、声量とかトーンが良くて、第一声からプロデューサーと“阿久津ですね”と言い合っていました」と、納得のキャスティングだったことを明かした。
野田のコメントに、吉岡は「素晴らしいコメントですね。(高杉と)二人で今、こういうことを言わないといけないんだなとひどく反省と、感心をしております。本当にいい人だなと思いました」と感心しきり。「僕たちが死に物狂いで追いかける阿久津が、野田さんでつくづく良かったなと思います」と言って笑いを誘った。
作品の舞台となる1990年代後半当時について話が及ぶと、森監督は「98年は、ほぼデビューの時期で、確かフジテレビの深夜ドラマをやった年。スタート地点としてすごく印象に残ってますし、大事な年です」と述懐。
吉岡は「その頃は『北の国から’98時代』をやっていたかと。マイナス20度の雪国の中で芝居をされられていたような気がします(笑)」と振り返り、高杉は「僕は2歳でした。指をしゃぶっていたかもしれませんが。ちょうど弟が生まれたのが98年なので、人生の転機ですね」話し、会場を沸かせた。
最後に、高杉は「伝えたいこと、というものは押しつけるものではないですが、僕が感じたものが、多くの人たちにとって正しいのか、自分が抱いた正しさが大多数なのかが気になりました。なので、(ドラマを観た)多くの人の声が聞きたいし、伝えてほしいです」と述べ、吉岡が「最初に監督と会ったときに、このドラマをつくる上で、観てくださる方を誰も傷つけたくない、というところから始まりました。ドラマから感じ取ったその先に、もうちょっと考えることができるような作品になりました。最後の5話にいろんなものが集約されていると思うので、ぜひ離脱せずにご覧になっていただけたら嬉しいです」とメッセージを送り、会見を締めくくった。
番組情報
■タイトル: 「連続ドラマW 夜の道標 -ある容疑者を巡る記録-」
■放送配信:9月14日(日)午後10時スタート(全5話)毎週日曜 午後10時〜 ※第1話無料放送
WOWOWプライム WOWOWオンデマンド
<スタッフ・キャスト>
原作:芦沢央『夜の道標』(中公文庫)脚本:倉光泰子 森淳一
監督:森淳一
音楽:Jun Futamata
出演:吉岡秀隆 野田洋次郎 瀧内公美 高杉真宙 / 小谷興会 小林優仁 吉岡睦雄 /映美くらら
朝倉あき 坂元愛登 宇野祥平 / 和田正人 キムラ緑子
企画プロデュース:小髙史織 野村敏哉プロデューサー:小林祐介 妙円園洋輝
制作プロダクション:ダブ
製作著作:WOWOW
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