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マット・ディロン、M・ナイト・シャマラン監督登壇! 『ウェイワード・パインズ 出口のない街』来日記者会見

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左から、M・ナイト・シャマラン監督、豊田エリー、マット・ディロン

 

映画『シックス・センス』や『サイン』など、世界中の映画ファンを驚愕させてきたM・ナイト・シャマラン監督と、80年代を代表する青春映画スターであり、近年はインディーズ映画を中心に高い評価を受け、アカデミー助演男優賞の候補ともなったベテラン俳優のマット・ディロン。映画界の大物2人がテレビドラマで初タッグを組み、日本を含む全世界125の国と地域で同時放送される超話題作『ウェイワード・パインズ 出口のない街』
本作は第1話を製作総指揮のシャマラン自身が監督。主演のマット・ディロンを囲むのはジュリエット・ルイスやアメリカで話題のTVドラマ『Empire 成功の代償』のテレンス・ハワード、カーラ・グギノら実力派の名優たちばかりだ。

このM・ナイト・シャマランが仕掛ける脱出ミステリーの日本上陸を記念して、製作総指揮のM・ナイト・シャマランと主演のマット・ディロンが来日。
5月15日よりFOXチャンネルより第1話が放送開始されたばかりの5月21日。都内で来日記者会見が行われた。

<STORY>
失踪した同僚の行方を捜す捜査官イーサン・バーク(マット・ディロン)はアイダホの田舎町で不慮の交通事故に遭ってしまう。一命を取り留めた彼は近くのウェイワード・パインズと呼ばれる閑静な田舎町にたどり着く。無事を知らせようにも一切連絡を取ることができず余儀なく街に残ることになる。やがて浮かび上がる数々の謎。
いったい誰がどのような理由で、彼をこの小さな街に閉じ込めているのか。窮地に追い詰められたイーサンはここから生きて脱出することができるのか?!

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余裕の笑顔で登壇の2人。マット・ディロンは「この作品で東京に来ることが出来て嬉しい。沢山のエネルギーを注ぎ込んだ番組を誇りに思っている」、M・ナイト・シャマランは「日本は大変影響を受けている国。家の中には日本のアートが飾ってあり、黒澤明・宮崎駿は自分にとって神様のような存在。こうやって日本で話ができることに感謝している」と挨拶。
早速、質疑応答に入った。

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――映画制作が本業のM・ナイト・シャマランがなぜTVドラマを制作?
M・ナイト・シャマラン:TVという媒体でストーリーテリングの品質がここ数年向上している。TVドラマシリーズのトーンが優れてきていると思い、自分も参加したいと思うようになった。映画制作は2年くらいかかるが、ドラマシリーズは短縮した時間内により多くの視聴者たちと繋がることができると思った。

――TVドラマシリーズ初主演ですが、TVドラマのオファーが来てどう思われましたか?
マット・ディロン:第1話のみの台本を読んだだけで、本当に鮮やかに画が自分の中に見えてきた。それと同時に疑問も湧いてきて、まるでいいミステリー小説を見始めた感じだった。そして、第2話の台本を読み進めると、わかったこと、わからなくなったこと様々なことが頭の中をめぐり、気付くとこのウェイワード・パインズという街のことをずっと考えるようになってしまい、この主人公イーサン・バークが真実を探そうとするように自分も同じような思いになってしまった。そして、ナイト(M・ナイト・シャマラン)の作品は嘘がない真実が語られている印象だったので、直接話をして今回も主人公キャラクターたちを通じて真実のストーリーが語られるという言葉をいただき、オファーを受けた。

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――撮影中のエピソードは?
M・ナイト・シャマラン:俳優は自分のキャラクターを掴むまで、それぞれ独特のプロセスがある。映画『ヴィレッジ』でもそうだったが、今回もそれぞれの納得の仕方があり、マット・ディロンのように全話を最初から全部噛み砕いて、すべてのことを知りたいという俳優とテレンス・ハワードのように何も知りたくないというタイプがいた。
しかし、実はキャラクター設定上は、テレンスはすべてを知っていなくてはならず、マットは何も知っていてはならない立場で逆だったので、どうしようかという悩みもあったが、結局は全員にすべて伝えた(笑)

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マット・ディロン:今のナイトの話で、そういえばテレンスは知りたくないと言っていたなと思い出した。私はすべて知りたかった。重要なのはドラマの中の自分の位置で、自分がどういう風にそこにいるかということだと思う。私が演じたイーサンは真実を見つけようと旅路を巡る。そこで、例えば森の中に行くシーンでは台本の第3エピソードの第3アクトに森に行くと書いてあるが、それは書いてあるから行くのではなく、イーサンが本当にそうしたいと思ったから行ったという風に考えて演じなくてはならない。
ナイトは監督としては1話だけだったので、すべてをやってほしかったのでとても残念だったが、現場にいなくなってからも電話ではよく話しをした。ナイトは「すべてのエピソードを映画のように撮りたいんだ」と話していたが、それが本当に叶ったのだと思う。

――『最高の恋人』以来20年ぶりの来日ですが日本の印象は?
マット・ディロン:20年ぶりの日本は確かにかなり変わっている印象がある。初めて日本に来たのは1980年でアメリカ以外の外国に行った初めての国がこの日本だったので、見るものすべてが自分にとってエキサイティングだったことを覚えている。
当時、『アウトサイダー』『ランブルフィッシュ』と2本続けて仕事をさせていただいたフランシス・フォード・コッポラ監督から「三船敏郎出演作品を観なさい」と言われ『用心棒』や『七人の侍』を観たことなどから、文化も含めて、日本映画に対しても愛着を持っています。

――本作の見所は?
M・ナイト・シャマラン:内容をお話することはできないが、構造的なことで言うと、まず10話を決めた時にライター陣を家に招いて、黒板に起きる事象の地図のようなものを作った。これまで大抵のミステリーの謎は最後に明かされるというものだったが、本作はあまりにも壮大な観念なので、今回のように中盤にもってきて、視聴者の皆さんと一緒にその瞬間を生き、その先を探っていきたいと思い、シーズン真只中にもってきている。これは今までにない試みだと思う。実はこのドラマは13話と想定していた。しかし、10話にした方が時間が足りないことですべてを盛り込めないのではと、よりエキサイティングになると考え、10話に濃縮させたのです。

――映画とTVドラマとの違いは?
M・ナイト・シャマラン:これまでとは違い、プロデューサーとして、ディレクターとして様々や役割で関わっていたので、バランスを取ることが非常に難しかった。クリエイティブ面を必要以上に任せることで番組の方向性が違ったものになってしまい、指揮を取り直し軌道修正したりと、終わり頃になって漸く丁度いい具合をみつけることが出来た。ただ、一言言わせてもらえば、私も監督として1話だけで終わりだったのはさみしかった(笑)

マット・ディロン:私の場合、最初は台本が届いてからの早さに慣れなかった。映画と比べると、台本が届いて3日後には撮影しなくてはならない。それは“汽車は一旦走り出したら止まらない”という感覚だった。しかし、このように時間のない中でも、自分の意見を言わせてもらいながら、調整を加え仕事をすることができたのは、このチームの素晴らしい俳優、スタッフたちと一緒だったからだと思う。この早いペースは本当に大変だったけれどね。

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ここで、二人の熱烈なファンでもある豊田エリーが登場。今回の日本を含む世界同時放映を記念し、招き猫が豊田エリーより贈呈された。この招き猫は人を招くとされる左手の招き猫で、お腹の部分には松が描かれており、文字通り松=pine(パイン)でウェイワード・パインズにふさわしい品となっている。
女優としても活躍中の豊田エリーは映画『ドラッグストア・カウボーイ』の大ファンであることを話し、俳優を続ける上でのアドバイスを求めると、マット・ディロンは「あの主人公のようになったら絶対にダメ」と笑った。そして「真面目に言うと、アクターって本当に素晴らしい仕事。フィクションのキャラクターかもしれないけれど、そこに真実を吹き込むことができるのが私たちの仕事。そういう意味でパワフルな力のある仕事です。
そういう仕事を自分ができるのはとてもありがたいことだし、エリーさんもそうだというのも嬉しいこと。ただ、あまりシリアスに受け止めすぎずに、シリアスにやることが大切ではないかな」と。そして、M・ナイト・シャマランからは「役者は自分の真実を守る立場である。日常の中での社交辞令もあり、自分を殺して、その場しのぎの対話をすることもある。そういう偽物の感情を覚えてしまうと、役者にとっては台無しである。自分と向き合い真実の対話が自分自身とできるようにならなければならない。それは周りの人がどうこうではなく、自分の真実を見つけ出すことで、演技をしている中で真実の表情がみつけられるのだと思う」と的確なアドバイスが贈られた。

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『ウェイワード・パインズ 出口のない街』はFOXチャンネルで毎週金曜よる10時~放送中。
※8月より第1話~再放送予定。
20世紀フォックス ホームエンターテイメント ジャパンより6月26日(金)デジタル配信開始。
DVD今秋リリース予定
©2014 FOX BROADCASTING

オフィシャルサイト:http://www.waywardpines.jp/