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「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」シーズン2で主演と脚本を担った池田鉄洋 インタビュー

9月2日から放送が始まったCS放送「女性チャンネル♪LaLa TV(ララ・ティーヴィー)」のオリジナルドラマ「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」(以下、「わたプロ」)シーズン2で、12/23(水・祝)放送の第17話では自ら主演と脚本を担当。さらに城田優主演の9/23(水)放送の第4話の脚本も担当した池田鉄洋を訪ねた。

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俳優として、脚本家、演出家とマルチな才能を発揮している池田鉄洋。
「わたプロ」シーズン1では、第一話と 最終話で、カラオケスナックのママ「みず江」役で出演。乙女心あふれるみず江は一躍人気キャラとなり、シーズン2でも登場している。
池田鉄洋に、俳優として、脚本家としての「わたプロ」秘話を聞いた。

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―「わたプロ」は一話完結のオムニバスドラマですが、この形式のドラマを書く、出演する魅力を教えて下さい。
1話3エピソードで構成されており、エピソードごとにヒロインが変わる回もあって、シーズン1では、木南(晴夏)ちゃんは1人でメイクを変えて違う役をやってらっしゃいましたよね。いろいろな面を見せることができ、ファンの方もやっている本人もすごく楽しいと思います。
このドラマのテーマは「なぜ結婚できないんだろう」という話だと思いますが、作り手もとても楽しめる作品でした。それが人気の理由ではないかと思います。
シーズン1のスタッフの打ちあげに参加しましたが、シーズン2があることはなんとなく分かっていたので他の脚本家の方々と「どんな脚本を書きました?」と話をしながら「負けないぞ!」という気持ちはみなさん、持っていらしたと思います。女優の皆さんもより美しく、より楽しくと思っていらしたでしょう。「競い合って」というのはよかったと思いますし、作り手として楽しかったです。
出演する側としては、みず江というキャラクターを…オネェをやらせて頂けることがあまりないので嬉しかったです。

―オネェをやらせてもらいたいですか?
10年位前に「父帰る」というドラマでオネェをやらせてもらって、かなり面白かったので、それから女装にはまったことになっています(笑)。
オネェキャラを演じると、自分と全く違う方向に行けるので、楽しいです。さすがLaLa TVさん。シーズンをまたがってやらせて頂いて、とても嬉しかったです。しかもシーズン2では驚きのストーリー展開になります(笑)。

―みず江さんの知られざる過去が、明らかになりますね。
なぜああなってしまったんでしょう(笑)。

―それを聞きたいです!
みず江というキャラクターがすでに出来上がっていたので、みず江主人公回の脚本を書いた時は、3エピソードのうち1~2つ書いた時点で、のってきてしまって、「じゃー!」と書いたのがたぶん3つ目ですね。「いきなり、そんな展開?!」という感じではありましたが、みず江という役を演じた経験が弾みをつけさせて、あそこまでいってしまいました。今回2話の脚本を書かせていただきましたが、2作品とも「こんなことはできないです」「予算がないです」と言われるかもということは気にせずに書きました(笑)。当然、書き直すように言われるだろうと思っていましたが、そんなに言われなかったです。「よかった~」と思っていたら、監督が必死に予算など考えてくれていました。なので、かなり夢をのせて書きました。特に城田さんの回はエキストラがたくさん出ていて「お金かかっているなぁ」と思いましたが、城田さんの回は特別でいいじゃないでしょうか。

―前回、初めてみず江を演じた時にはどんなイメージをお持ちだったのですか?
お名前は伏せますが前田健さんという方がいらして(笑)、彼は女装家ではないですが、オネェの気持ちをお持ちの方で淋しがり屋。かまって欲しいオーラみたいなものを非常に参考にさせて頂きました。でもオネェの方はちょっと失言すると、すごく怒ることもあります。感じ易いのですよね。
そこで脚本書くときにも僕の言葉よりもたぶん何倍も感じていらっしゃるということは踏まえて書かせてもらいました。僕が再現しても言葉が足りない気がしていて「ごめんなさいね」と思いながら書かせて頂きました。

―みず江さんは素敵な方ですよね。
シーズン1の時から「みず江ママのいるバーが実際にあったら、是非相談に乗って欲しい」と言われました。占いもできますし、恰好の相談相手と言いますか…。本当のオネェの方は、辛辣に怒ったりされる方もいると思いますが、みず江は自分の事で手一杯で、あまり他人に干渉しない感じにしました。妄想で終わる人にしました。
オネェの方は、壮大なせつなさの上に立ってらっしゃる方々です。「なぜプロポーズされてないのだろう」というのは超越していますから、そういう意味では異色だけれど、一回出て来て正解というキャラクターですね。

―みず江はリスペクトがあった上のキャラクターだから、「また見たい」という声がでて、シーズンを跨いで登場したのでしょうね。
シーズン2は衣装合わせで少しだけ「キレイにして下さい」とお願いしました(笑)。私の中で最大限きれいですが…。シーズン1はカツラをかぶってなかったのですが、「カツラ欲しいなぁ」とわがままを言いました。

―役者としてのチャレンジも出来た…と。
はい!女優のファンの方も楽しめますよ。シーズン1では大和田美帆さんが下着姿で朗々と話をされるシーンがあります。「そんなことやっていいの?」ですよ(笑)。女優陣も身体を張っていますよ。女優陣のファンの方も見るべきです。ただカップルでは見ない方がいいんでしょうけれど(笑)。
俳優陣も、城田さんもそうですが、蕨野友也くん(第17話に出演)も普段連ドラだったら冒険し過ぎでやりそうにない演技もやっていますね。まさかDVDに残って、繰り返し見られるとは思ってなかったかもしれませんけど(笑)。

―女性の本音が怖くはなかったですか?
想像は超えなかったので怖くなかったですが、細かいなとか、「そこなのか!」とびっくりの方が多かったですね。「だからか」「あの時はそうだったのか」ということもありました。

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―城田優さんの脚本を書かれていますが、女性のキャラクターがかなりぶっ飛んでいますね。
周りにいる女性は落ち着いていられないぐらいの城田さんの美貌ですよね。城田さんのキャラクターを少し情けなくしたこともありますが、城田さんを超えるとなると、女性キャラクターがそれくらいぶっ飛んでもいいかな…と。城田さんに書かせてもらえるなら、それくらいの冒険をしてみたいと書きました。

―城田さんありきでの脚本ですか?
そうです。普通の薄い顔の人が「あなたは正常位メインだから云々」という台詞を言われても面白くない。城田さんだからこそギャグになりますね。城田さんがよくこの台本を受けてくれたなぁと思います。『エリザベート』を拝見して楽屋に伺ったのですが、「非常におもしろかったです」とおっしゃってくれたので、「城田さんって変わった人なのだな」と思いました。「こんなふり幅まで出来る人なのだ」と。
「わたプロ」のシーズン1の宣伝で「メンズキッチン」(LaLa TVで好評放送中の、城田優がMCを務める料理番組)にゲスト出演した時に「私、みず江です」ということで急にオネェキャラを入れたら、城田さんもオネェキャラで返してきたのが面白かったです。

―実際に「メンズキッチン」でお会いになったことで…。
私は城田さんを誤解していました。もっと兄貴系の方かと思っていましたが、ふざけたがる人なのですね、きっと。いい意味でふざけていて、すごくチャーミングな人だと思いました。チャーミングな人だからこそ、いじめてみたい…というか、どこまでやってくれるのだろう…と。
脚本の第一稿では書き直しも前提に書かせて頂いたのですが、ほぼ直しがなくて、削る方向になりましたが、城田さんの台詞自体はオールOKだったんじゃないかな。それも含めて「すごくいい俳優だなぁ」と思いました。

―城田さんのキャラを生かすためにいれた部分はありますか?
「情けないキャラやかっこつけるキャラを思う存分楽しめる方だ」ということは盗ませて頂いた、使わせてもらったところです。「自分がイケメンだ」ということを正々堂々と言ってもギャグになるところもあるとお会いして思いました。照れがないし、やっていることに自信満々でも勘違いでもない。ちょっとほめ過ぎですね(笑)。ちょうどいいことをちゃんとされる方なので「どんな人なのだろう」と興味が沸きました。「メンズキッチン」でも良い印象しか残らなかった。でも本当はオネェをやってもらいたかったです。また次の機会に…。

―舞台でもご一緒したいですね。
ご一緒させて頂きたいですねぇ!でも『エリザベート』のトート閣下においそれとオファーはできないです。

―オネェキャラでオファーしたら受けて下さるでしょうか?
いやぁ、チャレンジしてみたいです。

―「わたプロ」では、脚本家としていろいろなトライができましたか?
できましたね。本当に感謝します。しかも城田さんは最初に決まっていましたが、後から決まった芦名星ちゃんもかっこいいことができる素晴らしい女優さんですから、アクションをする姿を想像しました。

―ビジュアルからアイデアをもらうこともあるんですね。
ありますね。当て書きさせてもらったのは、城田さんの回の方だけですが、みず江が主人公の回では、足立梨花ちゃんがぴったりのキャスティングでありがたかったです。天真爛漫な暴力(笑)…こっちの嫌味がまったく効かないという。

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―主宰されている「表現・さわやか」の舞台で、9月はちょうど『TanPenChu-』が公演中ですが、9月18日からの大阪公演のためのコメント映像では「壁ドンや肩ズンをやってみたかった」「恋愛ものをやってみたかった」とおっしゃっておられました。それは「わたプロ」の影響がありますか?
あの~、えっ、そうだ、そうですね。「わたプロ」を書かせて頂いたのが1年前で、それから考えていますからね。以前は恋愛モノに興味がなかったのですが、結婚したら自分の恋愛じゃない余裕ができた(笑)。他人の恋愛を見る余裕ができたんですね。

―ご自分の恋愛から得たものも、脚本に込められていますか?
反映はされていますが、書こうと思ったきっかけは、一段階余裕ができたからだと思います。いつかは恋愛モノに挑戦してみたかったのですが、結婚という経験があって、ちょっと上から目線になっているのでしょうね(笑)。

―客観的に書けるようになったと?
今までは照れがありましたね。女性の気持ちを正々堂々と照れくさい台詞にぶつけるのが、想像だから恥ずかしいなぁという気持ちがあったのですが、そこが開き直れたのが大きいなぁと思います。それはもしかしたら、この「わたプロ」の脚本を書かせてもらった経験が大きいかもしれません。

―城田さんの回では壁ドンがニュースにもなっていましたが。
城田さんの回には何回か「ドン」があります(笑)。プロデューサーが「今、壁ドンが来てますよ」とおっしゃっていて、精一杯入れました(笑)。
城田さんの回の女性たちに言ってもらった台詞と、みず江の台詞で女性の気持ちを書く自信…とまでは言えないですが、「こう言えばいいんだ」「このくらいの気持ちなのだな」と少し想像できたのが今の舞台に反映されて、かなりストレートな女性の言葉にしています。

―実は「わたプロ」と舞台の『TanPenChu-』は双子だったかもしれませんね。
そんな感じですね。

―「わたプロ」も『TanPenChu-』も、両方楽しみにしています。ありがとうございました。

池田鉄洋(いけだ てつひろ)
1970.10.31 東京生まれ
俳優としてテレビ、映画、舞台と縦横無尽に活躍する俳優。またドラマや映画の脚本も手がけ、すでに2冊の小説も発表している。
コントユニット「表現・さわやか」では脚本と演出・プロデューサーを兼ね、出演もしている。マルチの才能を持ち、すべてのジャンルから注目される存在である。

「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」シーズン2
CS放送・女性チャンネル♪LaLa TVにて
毎週(水)23:00~/ 毎週(土)(日)23:00~放送
原作:ジェーン・スー「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」(ポプラ社刊)
出演: 浅見れいな、芦名星、池田鉄洋、臼田あさ美、貫地谷しほり、小池栄子、酒井若菜、佐々木希、佐藤仁美、釈由美子、城田優、中村倫也、夏菜、菜々緒、渡部豪太  ほか(五十音順)
Ⓒ女性チャンネル♪LaLa TV
番組ページ:  http://www.lala.tv/watapro2/index.html

“未婚のプロ”ジェーン・スー原作「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」を豪華俳優&スタッフを迎えてドラマ化!シーズン1の大反響を受け、ついに9月より放送開始となった「わたプロ」シーズン2、10月は、シリーズ史上初となる男子主演回で話題急上昇となった第4話(城田優主演)に続き、城田優監督デビュー作となる第8話(渡部豪太主演)も登場♪<イケメン度UP>でますます目が離せない「わたプロ」お見逃しなく!
待望のシーズン2で、ついに101本のエピソードが完結する!