伊東蒼、河合優実が最優秀新進女優賞受賞！『ハケンアニメ！』『LOVE LIFE』が最優秀作品賞に輝く！第14回TAMA映画賞授賞式

in CINEMA, Report(CINEMA) · 2022/11/28

Tags: 伊東蒼, 吉野耕平, 宮本信子, 小林啓一, 森井勇佑, 河合優実, 深田晃司, 片山慎三, 狩山俊輔, 第14回TAMA映画賞, 芦田愛菜

「第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM」の「第14回TAMA映画賞」の授賞式が、11月26日、東京・多摩市のパルテノン多摩大ホールにて行われ、最優秀新進女優賞の伊東蒼、河合優実、最優秀作品賞に輝いた『ハケンアニメ！』の吉野耕平監督、『LOVE LIFE』の深田晃司監督らが登壇した。

2009 年にスタートしたTAMA映画賞は、前年10月から当年9月に一般劇場で公開される作品及び監督・キャスト・スタッフを対象に、市民ボランティアの実行委員が選考し、「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる＜いきのいい＞作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰。受賞者にはトロフィーは藤原彩人作の「宇宙（SORA）を抱える像」が送られる。

最優秀新進女優賞は、本年度最も飛躍した女優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰する。本年度は、河合優実（『PLAN 75』『愛なのに』『ちょっと思い出しただけ』『女子高生に殺されたい』『百花』『冬薔薇』ほか）と、伊東蒼（『さがす』『恋は光』『MIRRORLIAR FILMS Season4』）が受賞した。

伊藤の受賞理由は「『さがす』において、孤独と不安に苛まれながら思慮深さや健気さを失わず果敢に父の真実をさがし求める姿は、観客の心を強く掴んだ」というもの。

伊藤は、周囲の反響を受け「一つひとつの役を大切にし、周りの方への感謝を忘れずに頑張ります」とコメント。『さがす』では自身の出身地である大阪での撮影となり、「大阪の街で撮影できて楽しかったです」と笑顔を見せながらも「台本を読んで、撮影をしながらも何度も考えながら臨みました」と役と向き合っていたことを明かした。
今後は、「アクションにも挑戦したい」と抱負を述べ、「まずは高校を卒業して、引き続きお芝居を頑張っていきたいです」と声を弾ませていた。

また、河合は「さまざまな役柄で物語を動かす印象的な役作りを行い、洞察力・想像力に裏打ちされたメッセージを籠めた視線が観客の心を射抜いた」という理由から受賞。

河合は「色んな方に観ていただけているんだなと、幸せを噛みしめています」とトロフィーを握る。『PLAN 75』では、最優秀女優賞を受賞した倍賞千恵子とも共演し、「倍賞さんから『頑張っていたら誰かが見ているからね』と言ってハグしてくださったんです」と、倍賞の言葉を思い出して感慨。今年は全8作品に出演した河合だが、「それぞれの作品に心と体を尽くしている俳優さん、スタッフさんに巡り会えたことに感謝しています」とし、「この先、出会える皆さんのことを楽しみにしています。いい未来に向かってみんなで価値あるものを生み出していきたい」と意気込んだ。

最優秀作品賞の受賞に関して、『LOVE LIFE』は、「平和な日常が一転し、深い哀しみやばかばかしいほどの虚しさに覆われたヒロインが、深層にあった愛を選び、踏み出していくさまは人生の本質を映し出していた」、『ハケ！アニメ！』は、「好きを原動力に邁進する登場人物たちと映画製作に関わった人々の情熱がリンクし、大きな共感と明日への希望を見せてくれた」と理由から。

また、映画ファンを魅了した事象に対し表彰する「特別賞」には、『メタモルフォーゼの縁側』より、芦田愛菜・宮本信子、及びスタッフ・キャスト一同、『恋は光』には小林啓一監督、及びスタッフ・キャスト一同が受賞。

年齢差を超えた二人の友情を越えた関係が、前に踏ー出せないている私たちの背中を押してくれた『メタモルフォーゼの縁側』は、「7 歳のまっすぐな「好き」と 17 歳の内に秘めた「好き」の響きあいが、自分らしく自由に生きる喜びを縁側のひだまりのように教えてくれた」という理由から。

この日は宮本信子と狩山俊輔監督が出席。宮本は「1冊の本から友情が芽生えて距離が縮まるという関係って本当に素敵。誰かと『話す』ということがどれくらい大事か。本当に素晴らしい出会いを描いています」と本作の魅力を語った。さらにサプライズで芦田愛菜のメッセージビデオが届き、会場のファンを喜ばせた。

“恋とは何か？”という哲学的なテーマを扱いながら作品世を何度も体験したくなる多幸感に浸れる『恋は光』は、「独自のファンタジー世界を構築し、趣きのあるロケーションや魅力的なキャラクターを活かして、恋愛映画の枠組みを越えた作品を誕生させた」という理由で受賞。小林監督は、最優秀新進女優賞を受賞した伊東蒼とともにステージに立ち、伊東が「常に“ハッピー”を頭に置いて小動物を意識してました」と語ると、監督は「最高の小動物でした」と称賛していた。

また、最優秀新進監督賞は、本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰。片山慎三監督（『さがす』）、森井勇佑監督（『こちらあみ子』）が受賞。
片山監督は「予想できない展開のなかで命の尊厳や家族愛を描く構成力と、衝撃的なシーンや心に残るカットにより、男を狂気の沙汰に追い詰める演出力が絶妙に調和した」、森井は「常識に染まる前のピュ→な心を持ち、自由閤達なあみ子の視点を通して、不条理な出来事を達観して描く世界観が秀逸だった」という理由からそれぞれが選ばれた。