Open Close

映画『襲名』第83回ヴェネチア国際映画祭公式独立賞 「Cinema & Arts Award」最優秀作品賞を受賞!! 日本映画として同賞初受賞の快挙!市川團十郎囲み取材

「本当に光栄!!この作品を作ってくれた方すべてに
おめでとうという気持ちです。」
日本映画史上初!映画『襲名』
ヴェネチア国際映画祭「Cinema&Arts Awards」最優秀作品賞受賞!

タイトル

第83回ヴェネチア国際映画祭 公式独立賞
「Cinema&Arts Awards」最優秀作品賞受賞!

0912_オフィシャル

9月25日(金)公開の市川團十郎×三池崇史監督初ドキュメンタリー映画『襲名』(インターナショナルタイトル Shumei: The living legacy of Kabuki)が、第83回ヴェネチア国際映画祭 「Cinema&ArtsAwards」最優秀作品賞を受賞し、この受賞にあたり、9月12日、市川團十郎の緊急囲みインタビューが行われた。

・今回、第83回ヴェネチア国際映画祭の「Cinema&ArtsAwards」最優秀賞受賞!を受賞していかがですか?
ヴェネチア国際映画祭に選ばれた時点で、海外の方がこの作品を見たり、多くの方に紹介したいという風にえらんでくださってヴェネチアに行ったので、それだけで大変光栄でした。
家で娘にどうだったか話していたら、事務所から授賞の連絡がありました。

この映画を作るにあたって4年間というすごい時間の中でよく耐えて、困難もたくさんあったんですよね。その困難の中でも心を折れずに、作品と向き合ってくれた方々への授賞だと思っています。
私自身はいつも通りに舞台をして、カメラが撮影していた時にセリフをしゃべっているわけではなく、本当に何もしてないので、私よりもこの作品を作ってくださった方々が喜んでくれていることに嬉しくなりました。

・授賞を聞いた時にやった!とかウソ?なのか、どんな反応でしたか?
おめでとうですね。
自分のことというよりも今申し上げたように、作った方々すべてにおめでとうという気持ちです。
皆が喜んでいる姿を考えると本当にうれしいです。

・新之助さんはどうですか?
ヴェネチアに行くこと自体がやっぱり彼の中ではとても大きなことでしたから。
私も向こうで白塗りの衣裳でレッドカーペットを歩いた時にいろんなことを経験しました、本当にわずかな時間なんですけど。彼自身もそばで感じてくれていた。それが彼の中では大きかったかな。(この賞の受賞は)日本で映画史上初ってお聞きしました。すごいことだと思います。
日本から行かれた監督たちともお会いしたんですけど、本当に日本勢がこのヴェネチア国際映画祭で健闘してとてもよかったなと思います。
私もそれに便乗させていただいて光栄です。
歌舞伎という文化が海外に認められたということもあると思うんですけど、海外の方々、ヨーロッパの方々が、その文化とか伝統などにすごくリスペクトと興味がある。それは例えばオペラ座で公演させていただいたり、シャイヨー宮とロンドンのこれから若手たちが挑戦するサドラーズウェルズも、私も以前一か月くらい公演させていただいて、モナコ、イタリア、オランダなどでも長期の公演もさせていただいたんです。時間がかかりましたけど、そうしてこの映画に興味を持たれたことがわかりました。海外で認められるというこの作品を見ていただいて、日本の文化がどういうものかを日本の方々にも見ていただくことが私としては一番大事なのかなと思います。

・レッドカーペットも大変話題になりましたがどういう思いですか?
レッドカーペットではカメラを撮っている人たちがたくさんいるんですが、興味がない人は誰も撮らないんですよ。つまり
今、マスコミの皆さんが全員平等に撮られますよね。でも、彼らはいるいらないを選択しているんですよね。
そして仕上がった写真が、歌舞伎を撮ったことがないのに、本当に10回20回しかシャッターを押していないはずなのにクォリティがめちゃくちゃ高いのです。こういうバランス感覚で並んでいるカメラマンたちはプロとしてやっているんだなと勉強しましたね。自分のこと以外で注目されるとか、見られるっていう職業の人間は見られることをちゃんと意識しないと成立しないっていうものすごい厳しい世界がある華やかな世界です。その厳しさを感じるうえで紋付の袴、歌舞伎の衣裳を身に着けて、ちゃんと興味をもってもらうことでパフォーマンスとして考えようということで、床山や衣裳のスタッフを結構大勢連れて行った甲斐はあったかと思います。
身内の人たちとやっぱりやりたいとキャッチボールをしながら、紋付がいいかもしれない、いや(衣裳を)着たほうがいいかもしれない、私も着たほうがいいって言う最終的にキャッチボールをしながら、誰かの一存で全て決めたわけではなくやっぱりこのパフォーマンスするということになった。ただ歩くわけではない結構真剣勝負でした。
海外の反応などもあるので、たくさん写真を撮っていただけたことは良かったです。
民族衣装とか、そういう風に見えたくなかったので、なるべくその人間の被写体に近いもので行きたかったんで、「男伊達花廓」は一番良かったかなと思っています。歌舞伎を知っている方は連獅子でいいんですけど、民族的な雰囲気が出るでしょ。そういうのよりも、やっぱりこう一風、真人間としての魅力が出せるものとなると、隈取とかもちょっとそうなるじゃないですか。助六も考えたんですけど、男伊達という自分で作った作品でもありましたし。

・カメラマンの反応もあったと思うんですけど、他の方たちの反応とかってどうでしたか?
みんな見てましたね。日本だと例えばこの化粧で、現場までの移動は車なんですけど、まあいろんな事情もあり、現場まで 15分ぐらい歩くんですよね。あの格好で歩くんです。レッドカーペットよりもみんなが見ますよね。

・新之助さんと共にレッドカーペットとしてイベントに出られたっていうのはどうですか?
とても価値のある体験を彼はさせていただいたなと。ある意味『襲名』という作品は、私と彼が一応ダブル主演という形ですから、初めての映画作品に新之助が携わって、初めての作品がヴェネチア国際映画祭にお招きいただき、そしてそのレッドカーペットに歩かせていただき、しかもこんな素晴らしい賞もいただいて、本当に彼はすごいな。私も何本か(映画に)出させていただいて、何回かチャンスがあったんですけど、舞台の都合で行けなかったりした。彼はもう百発百中で行けてすごいなって思ってました。

ポスターの中ではまだ小さいですけど、すごく今成長して。昨日久々に会ったらちょっと大きくなってました。成長を感じるところですね。

・ヴェネチアに行ったことを新之助さんはどう感じていますか?
彼はそういうところに執着がなくて、綺麗な景色とか食事がどうとか、国柄がどうとか、その映画祭がどうとか、レッドカーペットがどうとか、そういうような場所にまだいないと。強いて言うならば、(映画を)ご覧になった方はわかると思うんですけど、最後の方に 「外郎売」と「助六由縁江戸桜」と「勧進帳」が字幕もなく結構長い場面流れるんです。それは自分が幼いんで、自分のやってる芝居を見て、恥ずかしかったっていうのが彼の一番のコメントでした。

・スタンディングオベーションはすごかったですか?
5分間のスタンディングオベーションもすごいと初めて本当に思いましたね。
いつもそういうのを嘘だろと思いながら見てましたけど、映画っていう例えばカンヌとかヴェネチアとか、そのベルリンの 3大映画祭って、やっぱり映画を愛し、映画のために生きている人間たちが集い、監督や俳優アーティストたちが集うわけで、映画に対するリスペクトがあって、ああ、これはあるべきなんだっていうことも理解したので、体験できてよかったです。

・ちょっと恥ずかしそうに見えたんですが?
私は恥ずかしかった。 5分間もずっとこんなことないので。しかも自分が拍手されている側なんですから。それだけ人の心に響いたと思いたいですよね。ですから、そうやって海外の方々のその技術性の高い部分でコミットを持ったということは、やっぱり日本人としては誇りになりますし、そういうふうに日本人の方々にも見ていただけたら嬉しい。

・もう世界の團十郎って言ってもいいんじゃないですか?
なんかそれ軽いですよ(笑)。よくみんな言うじゃないですか。世界とか。でも僕は日本の團十郎がいいです。

・團十郎さんは海外公演の経験が豊富でいらして、体感的に海外の方もリスペクトがあるというのは、ご存知だと思うんです。一方で、今回は襲名という團十郎という名跡に向き合う姿も描いているところが特徴だと思うんです。その辺が海外の方にもちゃんと伝わってるなっていう感覚はありましたか?
知らないでしょうね。私が團十郎ということも、その前に 12人の團十郎がいることも。それが襲名ということで、世襲してつながっていくことも知らないですから、そういうことを感じてもらうというか。国によってはすごく理解してくださる。例えばイギリスとかそういう文化が実際あるじゃないですか。そういうのはやっぱりすごくわかっていただけるんですけど、日本の歌舞伎っていのはこうやって繋がっていくのか、我々はそう認識するべきなのかっていう初体験だと思うんです。ですから、初体験でいいんじゃないでしょうか。海外に行って、例えばフランスで誰かの公演がある、オペラのこういう人がいるって言って見に行きますけど、オペラのあの人の襲名があるっていうのは聞いたことがない。そういう意味では、この日本の襲名というイベントは歌舞伎のみならず、落語とか文楽とか、お能とか襲名とは言わないにしても、名前を受け継いで行って、芸を残していく、これは非常に日本ならではの考え方で、物を大事にしている。どんどん新しくなる世の中で一つのものにちゃんと重ねていくっていうことは、どれだけ大事なことかっていうことは、世界の方々にも分かっていただいているんじゃないかなと思って見てほしい。

・9/25に日本で公開になりますけど、日本の方に見ていただきたいということで、特に日本の團十郎を知っている人にこういうところを見てほしいっていうの教えてください。
タイミングっていうのは意外と重要だなと思うんですけど、最近ニュースで『国宝』という映画が地上波で流れるというのを知りました。一昨年、大変な話題の中で、小説から映画化されて、多くの方々が興味を持っていただき、歌舞伎座、演舞場また松竹南座、博多座、旅巡業の歌舞伎に日本の方々が興味を持ってくださった 1年間かな、と思いました。そういう中で、エンターテイメントして作られた作品と、リアルに團十郎という名跡の襲名は、裏側ではこういうようなことが行われてたという、ある意味リアリティで本質に近いものが見れるということは何かこう、『国宝』を見た方々、そして歌舞伎をそれで見た方々、もともと歌舞伎が大好きで見た方々が、見たことのない世界観というものが、この映画の中の全般に散りばめられていると思うので、そういう意味で、これは襲名の本物の形ですっていうのをやっぱり見ていただくことが一つの理解につながるのかなと思います。

・三池監督に撮ってもらったことについてはいかがですか?
三池監督との信頼関係は結構大きくて、『一命』とか『喰女』とか、例えば木村さん主演の『無限の住人』などの映画で、ご一緒させていただいたり、舞台も『地球投五郎宇宙荒事』、『座頭市』と一緒に作らせていただいた大先輩ですよね。あの三池崇史という男性が、その当時、海老蔵を異物として見ていて、この生き物は何なんだろう、歌舞伎っていうものをやっているこの若者は何なんだろう。このエネルギーとかこの人の考え何なんだろうと、彼ぐらい尖った芸術家が思っていた人物であったんです。それを興味を持ってやってやろうというふうに思っていただけたことが、私は嬉しかった。そう意味では、三池さんでなければ、成立しない作品であり、三池さんでなければヴェネチアも、この賞も頂戴できないことだったと思うので、大変私はこのことに関して、三池さんに対して尊敬しているし、ありがたく思っています。

・三池さんとはお話になりましたか?
監督とは今回の受賞のことは、何も喋っていません。携帯もLINEも知らないので。会うたびに話しますけど、連絡はマネージャーさんを介しています。撮影中は一緒に過ごすことが多いですし、今回もヴェネチアでは一緒に食事しましたが、意外と寡黙な方なんです。

・三池監督のコメントだと「市川團十郎の快挙だ!」というコメントを出されていたが?
三池監督の快挙じゃないですか。映画は映画監督の世界なので。その中で私は生かされている。そういう意味で、三池監督がこれから世界にさらに飛躍していかれることを切に祈りますし、私自身も歌舞伎というものが世界の方々にも日本の方々にも、もっと面白いものであって、こういう伝統の中で生きている、伝統があるということは世界が平和でなければなかなか紡がれていかないので、世界中の方々に平和であってほしいということを願って、この映画「襲名」という形が届けばいいなと思っています。

★ヴェネチア国際映画祭【アウト・オブ・コンペティション部門】は、すでに実績のある巨匠の新作や賞レースの枠を超えた最重要作が招待される部門。
公式HP:https://www.labiennale.org/en/cinema/2026

▼三池監督 ヴェネチア国際映画祭出品歴
2004年:『IZO』
2004年:『Three… Extremes』(美しい夜、残酷な朝)※オムニバス作品
2007年:『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』
2010年:『十三人の刺客』
2010年:『ゼブラーマン』
2010年:『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』
2026年:『襲名』

ヴェネチア入りポスター

『襲名』
作品概要
2022年に行われた「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」の全貌を真正面から捉えた、壮麗なる歌舞伎記録映画である。監督は世界で知られる三池崇史。祝幕は現代アートの巨匠・村上隆が手がけ、出演には市川團十郎をはじめとする当代随一の名優たちが顔を揃える。豪華絢爛な制作陣と出演者によって、日本の伝統芸能「歌舞伎」の真髄と継承の瞬間を未来へと残し、その魅力を世界へと発信することを目指す。

出演:市川團十郎 市川新之助  杏(ナレーション)
監督:三池崇史
祝幕:村上 隆
製作:紀伊宗之
プロデューサー:田中傳次郎 坂美佐子
制作プロダクション:オー・エル・エム PlanD
協力:日本俳優協会
特別協力:松竹
配給:K2 Pictures
コピーライト:2026 K2 Pictures・3Top

9月25日(金)全国ロードショー