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役所広司「50年後、100年後も観てもらえるような映画に出たい」『PERFECT DAYS』長崎県諫早市の市民栄誉賞を受賞!地元長崎での上映に役所広司・麻生祐未が登壇!

『PERFECT DAYS』(12/22公開)
諫早市 市民栄誉賞授与式開催!

「50年後、100年後も観てもらえるような映画に出たい」(役所)

地元長崎での上映に役所広司・麻生祐未が登壇!
清掃員としての経験(役所)と20年以上振りの共演を振り返る

1202諫早市市民栄誉賞授与式

『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』など、数々の傑作を世に送り出し続けてきた名匠ヴィム・ヴェンダース。彼が長年リスペクトしてやまない役所広司を主演に迎え、東京・渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描いた『PERFECT DAYS』は、1988年にヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』が30週にもわたるロングラン上映で大ヒットを記録した記念すべき映画館、TOHOシネマズ シャンテをメイン館として12月22日(金)より全国公開する。

ヴィム・ヴェンダースが、日本の公共トイレのなかに small sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせもった、ささやかで神聖な場所)を見出し、清掃員の平山という男の日々の小さな揺らぎを丁寧に追いながら紡ぎ、みごと第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したことを皮切りに、第50回テルライド映画祭、第48回トロント国際映画祭、第71回サンセバスチャン映画祭、第60回台北金馬映画祭と名だたる映画祭に招待されるなど、世界中の映画祭を席巻!米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表選出が決定!

また、先日行われた36回東京国際映画祭では、オープニング作品として、ヴィム・ヴェンダース監督を筆頭に主演の役所広司をはじめキャスト、スタッフ総勢11名がレッドカーペットを歩き、その豪華な布陣にファンからの声援を受けて大きな話題となった。

この度、役所広司が、出身の長崎県諫早市の市民栄誉賞を受賞。12月2日(土)諫早市にて、授与式が行われた。
また、同日長崎市内にて特別試写会も開催され、主演の役所広司、そして本作に出演し、同じく長崎県出身の麻生祐未が上映後に登壇し、公開に先駆けて本作を鑑賞した観客に向けて思いを語った。

50年後、100年後も観てもらえるような映画に参加したい
12月2日(土)、諫早文化会館にて行われた市民栄誉賞授与式には、約4000人以上もの応募が殺到、その中から800名ほどの当選者が会場にて参加し、役所広司が登壇した際には割れんばかりの拍手と、「おかえりなさい」という歓声が客席から次々と上がり、和やかに進行した。

この度の受賞を受け、役所は「諫早のみなさん、ご無沙汰してます」という挨拶から、地元諫早での受賞への特別な思いを語った。
「名誉あるこの賞をいただけるとは思っていませんでした。俳優になるときに、師匠の仲代達矢さんが芸名をつけてくれる、という話になりまして、そのなかに『諫早広司』というものがありました。そんな名前をつけたらもう一生諫早には帰れないから、これだけは勘弁してくださいということで、役所広司になりました。
僕が子供のころは映画館が近所に4つぐらいあったんじゃないかと思うのですが、うちは飲料水をいろいろな売店や映画館に配達する仕事をしていましたので、配達にときどき行ってはちらっと映画館の映画の上映を覗いてみたり、映画館のスチル写真を見るのもとても楽しみでしたね。そういった中で、子供のころ映画というのはとても身近にあったように思います。思い出深いのは、兄が黒澤明監督『生きる』を観てきたばかりで、僕に頭から最後までストーリーを話してくれたんです。映画の中に出てくる「ゴンドラの唄」までうたって。東京に行ったときに小さな劇場でその映画を観ると、最初から最後まで兄が語ってくれたストーリー通りの物語があって、映画が終わったときに”あの時、兄貴は本当に真剣に映画を観ていたんだな…“とつくづく感心しました。
これからの俳優人生で、50年後、100年後も観てもらえるような映画に参加したい、それがぼくの夢です。こんなにすばらしい賞をありがとうございました。また帰ってこれるように頑張っていきたいと思います。どうもありがとうございました。」

1202舞台挨拶_①

役所広司×麻生祐未登壇!
清掃員としての経験と20年以上振りの共演を振り返る
諫早市市民栄誉賞授与式と同日、TOHOシネマズ 長崎にてNBC長崎放送が主催する特別試写会を開催。
『PERFECT DAYS』から、長崎県諫早市出身の役所広司と、劇中で役所(平山)の妹・ケイコを演じた長崎市出身の麻生祐未、そして会場に駆けつけていた企画・プロデュースの柳井康治が上映後に登壇した。

1202舞台挨拶_②

冒頭、役所が「諫早の役所広司です。長崎というと、諫早の人間からすると大都会だ…というコンプレックスもありますが、よろしくお願いします」と”地元”トークを展開すると、麻生からは「素晴らしい映画でここ長崎に帰ってくることができて、しかも役所さんと一緒に並ぶことができて、光栄です。お昼には美味しいちゃんぽんをいただいて、幸せでした」と久しぶりの帰郷を楽しんでいることが伺える一言も。

作品について話が及ぶと、今回の出演の経緯や役どころについて役所は「この映画の製作者の柳井康治さんが立ち上げられたThe Tokyo Toiletプロジェクトのトイレを舞台とした、清掃員の物語を映画にするという企画でした。このThe Tokyo Toiletというのがとてもすばらしく、東京オリンピックに向けて世界中の方をおもてなししようというコンセプトだったので、この映画を通して僕もなにか力になれればという思いで参加したいと思いました。」と語り、役作りについて聞かれると、「ヴィム・ヴェンダース監督が、実際にトイレの清掃員をしている方をスカウトしてきて映画を作ったんじゃないか、という風に世界中の方に見てもらえたら一番嬉しいなと思っていました。素人の俳優さんのように見えたらいいな、と。それを実現するためにトイレの清掃の練習をしました。2日ほどベテランの清掃員の方に指導してもらいました。すごくこだわりのある清掃の仕方をされていて、1日3回の清掃のなかで、掃除する場所によって洗剤も道具も変えていて、非常に丁寧な仕事をされています。映画に出てくるよりももっとすごいんです。いまだに家でもやっている技もあります」
とこの役ならではの学びも披露した。

1202舞台挨拶_④

これまで数々の名作を世に送り出している名匠・ヴィム・ヴェンダース監督の現場について麻生は「監督はいつもニコニコしていて、“僕はこの瞬間が楽しくてたまらない”というお顔をされていらっしゃる。ひとりひとりにも、何かやりにくいことはないか、など気を使って聞いてくださったり、すごく細かいところまでほめてくださったり。スタッフみんな笑顔にさせてしまうようなパワーあふれる監督だったので、私も緊張せずに夢のような時間を過ごすことが出来ました」と現場を振り返ると、役所は「監督は日本が好きで、日本人が好きなんですよね。撮影が終わるころには自分は前世が日本人だったのかもしれない、と言っていたくらい。だからこそこういう(映画に出てくるような)東京を描けたんだと思います。そして何より映画作りの楽しさをスタッフキャストも改めて教わったような現場でした」 さらに演出方法について「ヴェンダース監督はいつもリハーサルをきっちりやって本番の撮影をするらしいのですが、今回はできるだけテストをしないで、かなりドキュメンタリーのような撮り方を心がけていらっしゃった。監督自身もチャレンジされていたようです」と続け、監督自身の試みからも、映画作りを楽しんでいることが伝わってくる。

役所と麻生は、今作が久しぶりの共演となった。「麻生さん相変わらずきれいだな、妹は美人さんだな、と思いながら撮影していました」と役所が感想を語ると麻生からも、「今回事前にお会いするタイミングがなかったので、撮影日には、“やっと会えた、嬉しいな”という感情でした」と20年以上振りの再会で、兄妹を演じるという関係をしみじみと語った。

トークも佳境のなか、役所から今作の企画・プロデュースを手掛け、会場にも駆けつけていた柳井康治を呼び込むシーンが。きっかけとなったThe Tokyo Toiletについての思いを語った。
「The Tokyo Toiletというプロジェクトを始めたのは、オリンピック、パラリンピックのときに海外から来た人が”日本っていいな”とか”気が利いているな”と思ってくださることを考えて、日本人でもそうでなくでも、男性も女性も、子供もお年寄りも若い人も関係なくみんなにかかわることが、トイレだったら表現できそうだなと思って始めました。素晴らしい方々にご参加いただいて、映画の中にも出てくるようなとても素敵なトイレができました。(この映画を観て)清掃員の方への”ありがたいな”という気持ちを持っていただくだけでもそのあとの使い方がちょっと変わるんじゃないかということを思いながらみんなでつくった作品がみなさんの心に届いているといいなと思います」

1202舞台挨拶_③

最後に麻生から、「私はこの映画は”つながり”に関する映画だな”と思いました。ひとりでいても、大勢でいてもつながっているところはつながっているので、選べる自由が私たちにはあるのだなと感動しました。この映画の平山さんのように、”私はこれで十分、これ以上のものはいらない”というところに到達するのはとても難しいとは思うんですが、日々考えて、幸せになりたいなと思いました。」
役所からは「映画というのは1回だけでは全部を観きれないものだと思っていて、僕はこの映画を3回ぐらい見ていますけれども、本当に毎回新しい発見があります。」と締めくくり、温かい拍手とともにイベントは終了した。

ポスタービジュアル_PERFECT DAYS

『PERFECT DAYS』
東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、静かに淡々とした日々を生きていた。同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働いた。その毎日は同じことの繰り返しに見えるかもしれないが、同じ日は1日としてなく、男は毎日を新しい日として生きていた。その生き方は美しくすらあった。男は木々を愛していた。木々がつくる木漏れ日に目を細めた。そんな男の日々に思いがけない出来事がおきる。それが男の過去を小さく揺らした。

監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ヴィム・ヴェンダース、 高崎卓馬
製作:柳井康治
出演:役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和
製作:MASTER MIND
配給:ビターズ・エンド
2023/日本/カラー/DCP/5.1ch/スタンダード/124分/G
原題:『PERFECT DAYS』  邦題:『PERFECT DAYS』
ⓒ 2023 MASTER MIND Ltd.
perfectdays-movie.jp  #パーフェクトデイズ #PERFECTDAYS
公式X(旧Twitter)アカウント:@perfectdays1222
https://twitter.com/perfectdays1222

12月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー!