
映画『クスノキの番人』の完成披露試写会が、1月14日、東京・大手町の日経ホールにて行われ、主演・高橋文哉をはじめ、共演の天海祐希、齋藤飛鳥、宮世琉弥、大沢たかお、監督の伊藤智彦が舞台挨拶に登壇した。
原作累計100万部を突破した小説「クスノキの番人」がアニメーション映画化。東野圭吾 原作作品の初アニメーション映画となる本作は、その木に祈れば願いが叶うと伝えられる神秘的なクスノキと、その番人となった青年のもとで紡がれていく人間ドラマ。
主人公・直井玲斗を長編アニメーション映画初主演となる高橋文哉、そして物語のカギを握る玲斗の伯母・柳澤千舟を 天海祐希が演じ、物語を彩る重要な役どころに、父親の秘密を探る佐治優美を齋藤飛鳥、和菓子老舗メーカーの跡取り息子大場壮貴を宮世琉弥、家族に秘密でクスノキの祈念に通う佐治寿明を大沢たかおが出演し、実力派キャストが勢揃いした。



伊藤監督は、本作との出会いについて「原作を読んだのは2020年ぐらいで、その直後ぐらいに『(映画化を)やりましょう』という話になりました。東野先生の小説の中でもファンタジー度数が高いものだと思っていましたので、これは実写よりもアニメのほうがいいかなという感触がありました」と明かす。そして、「比較的地味な話ではあるのですが、キャラクターをなるべく生き生きと描くこと、地味な日常も楽しく描くこと、そして最後のクライマックスは盛り上がるようなアニメならではの表現などを盛り込んだ構成を心がけました」と話す。


出演が決まったときを振り返り、高橋は「東野先生の初アニメーション作品に、すごく惹かれた自分もいれば、その言葉によってすごくドキドキした自分もいました。そんな作品に主演として僕を選んでいただいたことにすごく嬉しいと率直に感じました」とし、「この作品をやり遂げた後に自分は何を感じるんだろうということを大切にしたいなと思いながら原作から読ませていただきました。東野先生が描く小説の文字一つひとつの情景描写がすごく丁寧で魅力的で、一人ひとりのキャラクターを愛させる能力が文にあり、それぞれのキャラクターに感情移入できるからこそどんどん読み進めていける圧倒的な原作力に惹かれました。これがアニメーション映画になるとどういうものになるんだろうとワクワクしました」と素直な気持ちを口にした。


一方で、伊藤監督の熱烈なオファーにより出演が決まった天海は「ありがたいことに監督から丁寧なメールをいただきまして。もし私が少しでもお力になれるならと思い、ぜひ!と」と話し、「原作は本当に情景が自分の中でワーッと広がるような東野先生の文章でした。この中の千舟さんという方を真摯に演じられたらいいなと思い、私も原作から何かをいただいたので、それがちゃんと観てくださった皆さまに伝わるといいなという思いで声を入れました」とコメントした。


オーディションを経て劇場アニメーションの声優に初挑戦した齋藤は、「声優は初めてでしたし、東野圭吾先生の初のアニメーション作品なので、オーディションに参加するだけでも記念になるかなと思って参加させていただいたのですが、当日の記憶はないです」と言い、「でも監督にいろいろ指示をいただいて声を出したのですが、特に手応えもなく、優しくもなくという感じでした」と出演がきまったことを不思議がる。

監督は「それが良かったんですよね。実は僕はブースの中では心の中でガッツポーズしていました。“きたきたきた!”と」と明かすと、齋藤は「そうだったんですね。嬉しいです。手応えがあるじゃないですか(笑)。ちっとも見せてはくれなかったですけど、今聞いて安心しました」と安堵の顔を浮かべ、「人生の思い出だなと思っていたら急にお知らせをいただいたので、すごく嬉しかったです。あわよくば高橋さんや皆さまの声を現場で聞けたら嬉しいなと思っていました」と笑顔を見せる。齋藤のアフレコの様子を監督は「こちらのリクエストすることをポンポンと返してくれるんです。意外と難しいはずなのに、返ってくるから、むしろそんなに言うことがなかった気がします。ありがたいという気持ちだけでした」と太鼓判を押し、期待以上の結果となったようだ。


海外アニメーションの吹き替え経験を持つ宮世も、同じくオーディションにて選ばれ、邦画アニメーション作品に初出演を果たしたが、「僕も手応えゼロで。オーディションが終わったらマネージャーさんと絶対に電話するというルーティンがあるのですが、その時に『今回のオーディションだけは絶対に落ちたんで』って言っちゃったぐらい自信がなくて。でも、『オーディション受かりました』という連絡がきて『えっ?』という感じでした」と驚きを隠せない。

宮世に対しても絶対的な自信があったという監督は「自信がありそうに来る人は選ばないかもしれないです。自信がなさそうな方が、むしろ役になっていたりする場合もありますから。特に大場壮貴に関しては、自信がありそうに見えない感じがぴったりかなと思いました」と宮世に白羽の矢を当てた理由を述べる。
アフレコの様子を尋ねられると、高橋は「監督が実写のお芝居に近づけるという気遣いをしてくださって、天海さんのお顔を見てお芝居をできることがありました。アフレコは絵を見て当てるものなので、すごく覚えています」と話す。「僕に関しては、(体の)大きいスタッフさんがいて、その人と取っ組み合いをしながらセリフを言って、そこにカメラを回してもらって表情作りなどに活かしたという。普段演じているお芝居に近い状態でやらせていただけたのはありがたかったです」と感謝する。

天海も「あるシーンで二人で向き合ってお芝居をさせていただいて。“こっちのテリトリーにきた!”と思って(笑)。すごく印象に残っています」と回顧していた。
アフレコには東野圭吾も訪れたそうで、高橋は天海と東野の会話に触れ、「だから僕らはこんなにやりやすいんだな、だからこんなに観る人の感情が動かされるんだな・・・と感じました」と明かすと、天海は「『なんでこんなに共感というか理解できるんだろう、感情が理解できるんだろう』と質問させていただいたら、『感情にも流れがある。それを食い止めたり堰き止めたりしないように、脇道に逸れないようにしている』とおっしゃって。「そういうことなんだな」と」と説明する。

また、完成作品を観た感想を高橋は「圧倒されました。映像美もそうですが音楽も相まって、目で、耳で、心でも楽しめる作品はこういう作品なんだなと感じて。クスノキがドーンと出てくるシーンの存在感、ファンタジー要素もありながらもどこかにこんなものがあるのかなと思わされるリアリティ、その間を駆け巡る表現に圧倒されながら、あっという間に終わりました」と話す。
天海は「自分でもびっくりするぐらい泣いてしまって。誰の心の中にもクスノキはあるんだろうなと思いながら、何かを受け取って誰かに伝えられたらいいなと思いながら」と吐露。MCが「千舟さんがかっこいいんですよ」と口にすると、監督は「この作品の三本柱のうちの一つが“柳澤千舟さんかっこいい”なんです。なので、天海さんは必須条件でした」と満足気。


さらに、本作のタイトルにちなんで、「自分は◯◯の番人?」と質問が上がると、宮世は「山の番人」、大沢は「このメンバー、この作品が大成功するような番人」と。齋藤は「お風呂の番人」と言い、天海は「天海祐希の番人」と答え、高橋からは「蓋(ふた)の番人」という言葉が返ってきた。「自分のことを押し殺すのが結構得意で。自分の中で心に蓋をする瞬間を使い分けていっているなと」と述べると、天海が「一緒に(蓋を)開けましょうか?」と優しく声をかけ、高橋も「お願いします」と微笑んでいた。


最後に、高橋が「最初に“どうして僕なんだろう”と思いました。でも、玲斗がクスノキの番人に選ばれ、そこから成長していくように、玲斗が千舟さんやそれぞれのキャラクターと出会い成長して、自分のクスノキの番人としての覚悟や責任を感じていく物語を演じていく中で、僕自身も天海さんをはじめとする皆さまと、伊藤監督をはじめとするスタッフの皆さまに、本当にたくさんのお力添えをいただいて作り上げることができました。高橋文哉としての本当に大切な一作になっていると思います。最後は僕らが作ったものを観ていただく皆さまの手で『クスノキの番人』を完成させていただければなと思います」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
映画『クスノキの番人』
【STORY】
理不尽な解雇により職を失った青年・直井玲斗は、追い詰められた末の過ちで逮捕される。運に身を委ね、将来を思い描くことも、人生の選択を自ら決め
る意志もなかった。そんな彼に運命を変える出会いが訪れる。
依頼人の指示に従うなら、釈放する――突如現れそう告げる弁護士の条件を呑んだ玲斗の前に現れたのは柳澤千舟。大企業・柳澤グループの発展に大き
く貢献してきた人物であり、亡き母の腹違いの姉だという。「あなたに、命じたいことがあります」それは、月郷神社に佇む<クスノキの番人>になることだっ
た。戸惑いながらも番人となった玲斗は、さまざまな事情で境内を訪れる人々と出会う。クスノキに定期的に足を運び続ける男・佐治寿明。その娘で父の行
動を不審に思う女子大生・佐治優美。家業の継承に葛藤する青年・大場壮貴、彼らや千舟と関わるうちに、玲斗の世界は、少しずつ色を帯びていく。 ――だが、玲斗はまだ知らなかった。クスノキが持つ<本当の力>を。
やがてその謎は、玲斗の人生をも巻き込みながら、彼を思いもよらぬ真実へと導いていく。
【CAST】
高橋文哉/天海祐希
齋藤飛鳥 宮世琉弥/大沢たかお
【STAFF】
原作:東野圭吾「クスノキの番人」(実業之日本社文庫刊)
監督:伊藤智彦
脚本:岸本卓
キャラクターデザイン:山口つばさ 板垣彰子
音楽:菅野祐悟
美術監督:滝口比呂志
美術設定:末武康光
色彩設計:橋本 賢
衣装デザイン:高橋 毅
CGディレクター:塚本倫基
撮影監督:佐藤哲平
編集:西山 茂
スーパーヴァイジングサウンドエディター:勝俣まさとし
リレコーディングミキサー:藤島敬弘
制作:A-1 Pictures / Psyde Kick Studio
配給:アニプレックス
公式HP:kusunoki-movie.com
公式X:@movie_kusunoki#クスノキの番人
公式Instagram:movie_kusunoki
©東野圭吾/アニメ「クスノキの番人」製作委員会
2026年1月30日(金)公開!




















