Open Close

遠藤健慎インタビュー! 映画『恋い焦れ歌え』これまでにない難役に挑戦も、得意のラップに想いを込める!

202204_Kenshin_Endo_Astage-(187)

稲葉友主演の映画『恋い焦れ歌え』が、5月27日よりついにシネクイントほかにて公開された。

本作は、Netflix映画部門1位を獲得した記録的BL実写映画『性の劇薬』のフューチャーコミックスと『百円の恋』『アンダードッグ』のスタジオブルーがタッグを組んだ、愛を貫く究極のラブストーリー。原作・脚本・監督を映画『プリテンダーズ』やドラマ「おじさんはカワイイものがお好き。」他の熊坂出監督が務める、葛藤と再生、絶望と希望、憎悪と愛、生き抜く男たちに向き合い社会に投げかける完全オリジナル作品。
身も心も凌辱され、絶望の淵に立った小学校臨時教員役を稲葉友、彼を追い詰める孤高のラッパーを遠藤健慎が演じ、もどかしい世界で貫き通す自尊心と愛、渾身の生き様を描き出す。

Astageでは、1000人を超えるオーディションを勝ち抜きKAI役に抜擢された遠藤健慎さんにインタビューを遂行。難しい役に挑戦した彼に、役へ向き合い方や撮影のエピソードを通して、本作への想いを語ってもらった。

202204_Kenshin_Endo_Astage-(83)

― 今作はディープな作品であり、とてもインパクトのある役に挑戦されましたが、出演が決まったときのお気持ちをお聞かせいただけますか?

1000人を超える中からのオーディションで出演させていただくことが決まったのですが、僕はこのことを誇りにして、役を勝ち得たからにはオーディションを受けた方全員の気持ちを背負って臨まなければいけないと思いました。それはこの作品を撮り切る上での僕の中での一つのプライドに変わりました。

― 遠藤さんがKAIにしか見えないです。KAIは遠藤さんでしか演じられなかったのではないでしょうか。最初に台本を読まれたときの感想をお聞かせください。

そう言っていただけるのが本当に嬉しいです。役を得て嬉しかったのですが、いざ台本を読ませていただくと、自分にできるのかと一瞬躊躇しました。ラップはもともと好きでしたし、この作品に挑戦したい、作品に対する気持ちが伝われば・・・という気持ちはありましたが、想像を超えるレベルだったので。でも、今さら逃げ出すことはできないし、覚悟を決めてまずは台本のストーリーに自分が勝つところからのスタートでした。

202204_Kenshin_Endo_Astage-(112)

― 本当に難しい役どころで、役と向き合っていくのは大変だったと思います。

KAIの行動にはちゃんとした目的があって、それをラップで表現して伝えている。自分の思いをラップにして自分が向き合うことで、自己肯定感を上げているんですが、いざ撮影現場に入ると、心が痛くてかなりしんどかったですね。(稲葉)友くんがいつも本気なので、役作りをするというよりも現場で追い込んでいって出来上がっていた感じです。

― 確かに、KAIを理解しKAIとして生きて演じることは難しいことかと。

どうやってKAIに寄り添えばいいのかもわからなかったし、(僕の)恋愛対象は女性なのでKAIの気持ちを理解できるのか正直不安もありました。でも、そのときに凄く力になったのが友くんの存在でした。友くんや熊坂監督から「これは純粋なラブストーリーだと思って臨めばいいし、台本なんて破っちゃっていいから」と仰っていただいたので、もう自由に動けばいいんだなと開き直ることができました。

202204_Kenshin_Endo_Astage-(54)

― その中で、以前から得意だったラップを披露することも演じる上で救いになっていたのでしょうか?

ラップで仁を罵倒することも、相手に対しての思いがあってからこそ。相手の目を見てラップをしましたが、正直その場面も(精神的に)キツかったです。それでも僕はラップが好きなので、そこは本気でいきました。もちろんラップが上手な人はたくさんいますが、いま俳優の中でラップやらせたら俺が一番だぞ!という気持ちで自信を持ってやらせていただきました。どのラップが一番響くかなと試行錯誤しましたが、ラップに関しては熊坂監督も信頼してくださっていたようです。
映画は僕のアカペラのラップで終わっていくんですが、撮影が終わってから1カ月くらい経って、監督から「また、ラップをお願いしたい。仁のアンサーソングを書いてほしい」と突然連絡が来たんです。台本を読み返して4小節くらい作ったら「もう少し長めにできるかな」と。どこで使うのかなと思っていたら、まさかのラストに使われたので驚きました。

― 遠藤さんが作られたラップなんですね! とても余韻が残る印象的なラップだと思います。

自分の歌声だし、自分で作ったメロディーですが、ラップが好きでよかった、やっていて良かったなと思いました。

202204_Kenshin_Endo_Astage-(136)

― 精神的なこと以外に苦労したことは何かありますか?

アクションはかなりきつかったです。友くんのほかに翔太役の髙橋里恩くんともアクションシーンがありましたが、2人とも凄く迫力あって。僕はアクションの経験があまりなかったので、どうしてもから動きが小さくなってしまうというか、しっくりこなくて苦労しました。撮影が終わっても悔しく思うところがありますが、体重を落としたり筋肉を落としたり、病的なビジュアルを作らなければならなかったので、心身ともに大変でした。

― 色々なところも走っていましたね(笑)。

いっぱい走りました(笑)。それに衣装が黒色で、撮影が夏だったんです。日光を吸収するからめちゃくちゃ暑くって。汗ひとつかかないクールキャラなので、いろんな人に助けていただいて、なんとかクールなKAIを演じることができました(笑)。

202204_Kenshin_Endo_Astage-(165)

― 遠藤さんの中でKAIをどう捉えて演じたのでしょうか?

KAIってメンヘラ(精神的に不安定な健康状態)なのかなと。少しでも嫉妬したらもの凄く相手をいじめたくなるとか、相手が結婚していること自体も嫉妬していたのかもしれません。僕の中ではKAIは嫉妬深くて凄く子供っぽいところがあると思ったんです。仁が男性風俗に行きそうになる場面があるのですが、台本には「仁を立ち直らせる」としか書いてなかったので、他の方法もあったはず。でも、あの時のKAIの行動で観ている方もKAIの本当の心の部分に触れることができるのではないのかと考えました。

― そうやってKAIという人間が出来上がっていったのですね。他に特に印象に残っているシーンはありますか?

一番印象に残っているのは出会いのシーンです。僕の初登場シーンになりますが、KAIが一番怖く見えるインパクトある大事なシーン。ストーリーの入り口でもあるので、KAIのバックボーンを抱きながら、どういう表情で仁と会ったらいいのかを考えました。色々悩んだ結果いいシーンになったと自信を持って言えるので、ぜひ注目してほしいです。

202204_Kenshin_Endo_Astage-(169)

― 稲葉さんと共演されていかがでしたか。

僕の全てを友くんに預けて撮影に臨みました。もちろん他にも様々なキャストの皆さんがいて、KAIとの繋がりもあるので全てのシーンが大事ですが、KAIが真直ぐに見ているのは仁だけ。撮影中はずっと仁のことを考えていました。

―稲葉さんとは細かくディスカッションをされたのですか?

それがなかったんです。「本気でいくよ」とだけ。お互いが感じたままをそのまま演じました。友くんにいきなり胸ぐらをつかまれることもありました。終わってから「ごめん、大丈夫?」と気を使ってくれましたが、僕にしてみれば「もうどこからでも来てください。ありがとうございます!」っていう感じでしたね。かといっても、緊張していると何もできなくなってしまうので、時々休憩中に友くんが話しかけてくれたりして、いいスタンスでいることができました。友くんには本当に座長として引っ張っていってもらいました。

202204_Kenshin_Endo_Astage-(191)

― 遠藤さんと稲葉さんの演技力はもちろんですが、お二人の相性も良かったんですね。

はい、絶対的に良かったという自信があります。いい化学反応が起きて、作品としてより深い魅力が出たと思っています。友くんと演じて本当に楽しかったです。

― シェルターも不思議な世界ですが、リアル感があります。

現実味がないというか、知らない世界ですよね。でも実際にああいうシェルターってあるらしいんですよ。熊坂監督らしい映像だと思います。

202204_Kenshin_Endo_Astage-(198)

― この作品をご覧になった遠藤さんの感想をお聞かせいただけますか?

台本を読んでいて内容は全て分かっているはずなのに、演じているときは恐怖心とか悲観的なものはあまりなかったんです。でも、映画として完成した作品を観たときに、この映画の結末がこんなに心を動かすんだという感情を覚えました。自分がKAIの気持ちになって涙が止まらなかったし、感動的なラストシーンでした。仁とKAIがメインの物語ではありますが、ほかにも社会的な問題が浮き彫りになっているので、着目するところもたくさんあります。視線を変えると色々な捉え方ができると思います。

― それでは、今後やってみたい役があったら教えてください。

具体的にこの役をやりたいということはありませんが、どんな役にも誠意をもって向き合うことができる自信があるので、何でもやらせていただけたらなと思っています。常にフラットな状態、ニュートラルでいるように努めています。

― 最後に、これからこの映画をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

まずはこの記事や取材の内容に興味を持って読んでくださって本当にありがとうございます。インパクトが強くて、普段だったらなかなか触れにくい作品かもしれませんが、とても純粋に愛を描いています。ポスタービジュアルにも書いてありますが、「このクソみたいな世界で、愛をぶち抜く」という言葉がとても素敵なテーマだと思ってます。今の社会問題に対しても誠実に向き合っているので、ぜひ観ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

202204_Kenshin_Endo_Astage-(122)

【遠藤健慎 Kenshin Endo】
2000年11月24日生まれ、静岡県出身。2011年『スノーフレーク』で映画デビュー。 2016年には第1回ジュブナイル脚本大賞作品 『がらくた』 (名倉良裕監督)で初主演を務め、映画『ミスミソウ』(18年/内藤瑛亮監督)、『望み』(20年/堤幸彦監督)ほか、ドラマ「明日の約束」(17年/KTV・CX)、「カラフルラブ~ジェンダーレス男子に愛されています。~」(21年/YTV・NTV)、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(21年/NHK)など多数出演。
2022年は「復讐の未亡人」(TX)が7月7日より放送、映画『大事なことほど小声でささやく』 (横尾初喜監督) (秋)公開が控えている。趣味はラップ。

スタイリスト:吉田ナオキ
◆コーチジャケット(DEGENDERS) 41,800円・レザーパンツ(remer)7,700円/
Sian PR 03-6662-5525
メイク:岡本典子

撮影:ナカムラヨシノーブ

恋い焦れ歌え_ポスタービジュアル

『恋い焦れ歌え』
<あらすじ>
清廉潔白な小学校臨時教員・桐谷仁(稲葉友)。正規教員の道も見えてきたある夜、暴漢の男に襲われ身も心も凌辱され恐ろしく深い闇に突き落とされる――。
それから3ヶ月経ったある夜、
「覚えてる? 俺のこと」
彼の前に、謎の男「KAI」が現れる。仁が抱える”恐ろしいトラウマ”を容赦なくえぐり、さらにそれをラップで表現するよう挑発する、まるで黒い悪魔の使者のような男――。
KAIはなぜ仁に執着するのか? 仁は自らの”闇”にどう立ち向かっていくのか?
“この街・川崎”で社会からはみ出し、深い傷を負った男たちが再生するために貫き通す自尊心と葛藤、戦い。そしてその向こう側にある真実の愛とは……。

稲葉友
遠藤健慎 さとうほなみ 髙橋里恩
松永拓野 水澤紳吾 瓜生和成 中村まこと 黒沢あすか 小久保寿人
原作・監督・脚本:熊坂出
製作総指揮:石黒健太
エグゼクティブプロディーサー:相良洋一
プロデューサー:平体雄二/宮田幸太郎
音楽:Yuri Shibuichi
ラップ監修:ハハノシキュウ
劇中音楽:熊谷ヤスマサ
製作プロダクション:スタジオブルー
配給:フューチャーコミックス 2021/ 日本 /DCP/117分
© 2021「恋い焦れ歌え」製作委員会

■オフィシャルサイト
https://koi-uta.com(レーベル公式サイト https://boysfan.jp/)

■SNS
Twitter:https://twitter.com/koikogareutae
Instagram:https://www.instagram.com/koikogareutae/

■YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCxQTgYpOA4cFSI686eCyFfw

渋谷シネクイントほか全国順次公開中!

★★遠藤健慎さんが地元・静岡にて凱旋登壇いたします!!★★

『恋い焦れ歌え』静岡公開記念 遠藤健慎 舞台挨拶
http://cineplaza.net/news/archives/7157

場所:静岡シネプラザサントムーン(静岡県駿東郡清水町玉川61-2)
http://cineplaza.net/

日時:
6月10日(金)18:00上映回(上映後)
6月11日(土)18:00上映回(上映後)

登壇:遠藤健慎

【チケット販売】
インターネット予約:6月3日(金)0:00~
窓口販売:6月3日(金)9:30~

遠藤健慎さん直筆サイン付きチェキプレゼント!
応募はこちらから

202204_Kenshin_Endo_Astage-(158)