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奥平大兼、役を通して高校生活を体現!「もっと色々やっておけばよかったな」 デビューから3年、自身の成長も実感! 映画『君は放課後インソムニア』インタビュー!

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“不眠症”(インソムニア)が繋ぐ高校生2人の青春感動作『君は放課後インソムニア』が只今絶賛公開中!本作は、2019年より「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)にて好評連載中のオジロマコトによる大人気漫画「君は放課後インソムニア」を実写映画化。現在、コミックスは第13集まで刊行され、テレビアニメも放送され、漫画、アニメ、映画と続き、“君ソム”施風を巻き起こす勢いだ。

森七菜と奥平大兼がW主演を務め、不眠症に悩む女子高生の曲伊咲(まがり・いさき)と同じく不眠症の男子高生・中見丸太(なかみ・がんた)が天文部の活動から次第に心を通い合わせていく、眠れない高校生を満天の星が優しく包む青春物語。

映画『MOTHER マザー』で鮮烈なデビューを果たした奥平大兼が、今回挑戦した役は普通の高校生。役作りのためにおこなったこととは? 撮影現場を振り返りながら、本作の魅力を語ってくれた。

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― 人には言えない悩みを抱えてる青年役をどのように捉えて向き合い、演じられましたか?

最初に原作を読ませていただいたときに、原作の良さをちゃんと実写の中で出していけたらいいなと思いました。今まで僕が読んだことある漫画よりもとてもリアルで、高校生ならではの空気感や、七尾市でしか見れない風景に魅力を感じました。ありがたいことに実際に七尾市に行かせていただいて、しかも学校もお借りして撮影することができたのでとても役に入りやすくて助かりました。

作品の空気感や、若者の感覚が凄く必要だなと思っていたのですが、監督からも「ちょっと若返ってほしい。高校生のときの感覚に戻ってほしい」と言われて。高校生というのは自分にとっても1~2年前の話ですが(笑)、その感覚を取り戻そうと努めました。丸太の悩みや気持ちを汲み取ることももちろんですが、伊咲がいたからこその丸太もいるので、森さん演じる伊咲から受け取ったものを素直に出すことも大事。丸太として生きるのは当たり前ですが、僕(奥平大兼)としての感覚もちゃんと残そうと考えました。

― 高校生のときの感覚を戻すために、具体的にはどのようなことをされたのでしょうか?

それがちょっと難しくて・・・。ちょうどコロナ禍ということもあって、あまり高校に行ってなくて、高校生活っぽいことをしてなかったんです。なので、中学生の頃を思い出しながら、学生のときは「こんなことをしていたな、部活やっていたときはこういう感覚だったな」と。ほかにも街中を歩いている高校生を観察しましたが、楽しそうな雰囲気とか見ることはできても、それの真似では違うかなと。その楽しさや空気感はその子たちの人間関係から出てくるものなので、自分もキャストのみんなとそういう関係を築くべきだと思って。共演者のみんなは明るい子たちばかりだったので、すぐにその関係値になったので、本当にリアルなお芝居ができて凄く良かったです。ロケ地の環境もとても大きかったですね。

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― 撮影の中で特にキラキラして青春を感じたところはありましたか?

たくさんありますが・・・。僕は今でも、みんなと屋外で撮影しているときに撮った写真を携帯のホーム画面にしているんです。その写真がすごく良くてお気に入りです。たまたまみんなが同じ場所で撮影をしたのですが、ちょうど雨があがった後に太陽の周りに丸い虹の輪が出たんです。“ハロ”というらしいのですが、「え!凄くない?」ってみんなテンション上がっちゃって。そういう何気ない時間も、現場で話したことも、今思い返すと、こういう感覚がたぶん高校生の時の思い出や感覚と一緒なんだろうなと改めて感じました。

― 同級生のキャストの皆さんとの関係を築くために何か努力されたことはありましたか? 今回は森さんとW主演という立場でしたが。

僕はちょっと人見知りなところがあるんですが、森さんをはじめ、他のキャストのみんなも凄くフラットに話しかけてくれたので楽しく撮影することができました。撮影中は“敬語禁止”だったんです。同級生役ですが実年齢はバラバラなので、“敬語禁止”にしたことでフランクに話せましたし、そういう環境を作ってくださった監督に感謝しました。

あと、撮影クランクインの前日に、七尾市のロケ地ツアーをしたんです。そこで1日みんなと色々話す時間もできたので、とても良かったですね。そういう時間を制作スタッフさんや監督が作ってくださったので、僕が(主演として)何か特別な行動を起こしたというよりみんなが作ってくれたという感覚が大きいです。

― 皆さんとどんなお話しをされていたのですか?

もう全然覚えていないくらい他愛もない話です。お芝居の話を突き詰めて・・・なんて、全然してないです(笑)。良くないかもしれませんが、ふざけまくってました(笑)。そのおかげで楽しく撮影できて、それがリアルに画に出ていると思います。本当の同級生のようでした。

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― W主演された森七菜さんの印象はいかがでしたか?

撮影が始まる前と後の印象があまり変わらないのですが、不思議なところもあれば、凄く大人だなと思うところもあって、なんかつかめない人ですね。それが森さんの魅力だと思います。お芝居に関しては凄くリスペクトしていますし、一緒にお芝居をしていて楽しいです。
撮影中もずっとふざけていたので、本当の友達みたいな感じでした。本当は良くないんですが、告白のシーンの前にもずっとふざけていたので、真剣なシーンで笑いそうになっちゃって。ちゃんと集中しないといけないなと思って頑張りました。

― ロケ地となった石川県ですが、七尾市ほか奥平さんのお勧めスポットを教えてください。

やっぱり海かな。滞在したホテルの近くが断崖絶壁の海だったんです。近くに公園もあったので、僕は空き時間にそこにいって音楽を聴きながらボーっとしていました。能登島に架かる橋と海の景色が本当に綺麗で、海も凪なので凄く落ち着いて、僕のお勧めスポットです。
ほかにも真脇遺跡も良かったです。凄くエネルギーを感じました。森に囲まれたところに柱が立っているんですが、そこのシーンは劇中でも伊咲と丸太の気持ちも深まるシーンなので思い出に残っています。

― お勧めのグルメは?

海鮮が美味しいですね。金沢の近江町市場に行ったときに、今まで見たことないぐらい大きな牡蠣を見つけたんです。凄く食べたかったけれど、撮影中に万が一お腹を壊したら怖いので我慢したんですが、今度行ったらぜひ食べてみたいなと思っています。

― これまで他の映画作品でもメインキャストとして存在感を見せていらっしゃいましたが、今回は主演です。やはり感覚は違いましたか?

感覚は変わらないです。W主演として森さんが頼れる存在としていてくれたので、今まで通りやろう思って臨みました。これまで自分が主演じゃなくても自分が主演だと思って臨んでいましたし、そのキャラクターは自分の人生としての物語なので、演じるうえでは何も変わらなかったです。本当はもっと周りの人たちにも気遣いができたらいいんですが・・・(笑)。この作品のあとにも主演作品に参加させていただいたのですが、みんなと平等でフラットでいようと思っていました。逆に(主演だからといって)気を遣われてしまうのが嫌なので、そういうことは全然気にしないでいてくれると嬉しいなと思っているんですが、まだまだ上手く言えなくて。

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― 劇中では一眼レフカメラを始めることになりますが、カメラ撮影は経験されていたのでしょうか?

もともと撮影の2年前ぐらいからカメラは持っていたんですが、それほど詳しくもなく、星の撮り方なんて知らなかったです。なので、今作でちゃんとカメラの勉強をするきっかけになりました。

― カメラは楽しかったですか?

すごく楽しかったです。カメラってちょっと難しそうじゃないですか。そんなに上手く撮れたわけではないですが、でも分かってくると楽しいんです。今回も石川県に自分のカメラを持って行きましたが、他の現場でも持っていくようになりました。撮影の合間に風景とかを撮っていましたが、プライベートでも星がちゃんと撮れて嬉しかったですね。本当にこの役のおかげです(笑)。

― ご自分で撮影した写真が劇中で使われることはなかったんですか?

実はエンドロールで僕が撮ったみんなの写真が流れるんです。あれは嬉しかったですね。僕が撮ったので、丸太(僕)は写ってないんですけど(笑)。劇中でもけっこう僕が本当に撮っていることもありました。いい経験ができました。

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― これまで、シリアスな役から明るい役など色々な役を演じてきましたが、今後はどんな役を演じてみたいですか?

本当にありがたいことですが、自分がやってみたいなと思う役をやらせていただく機会が多くて、次にやりたい役を考えるのが追い付かないような感じなんです。自分が考えつかないような役がきたら面白そうだなとは思いますが、今はいただいた役を全力で演じようと考えています。先日撮影が始まった作品でも、初めてアクション作品にチャレンジさせていただいて、とても貴重な体験ができました。

― 奥平さんは中学生のときはバスケ部だったそうですが、今回は天文部です。体育会系と文科系の違いはあると思いますが、共通部分や友達関係で重なるところはありましたか?

何か1つのことをみんなで協力して行動するということは、どの部活にも共通すると思いますが、僕は高校卒業してから、映像作品制作は別として、プライベートでそういう経験がなかった。例えばバスケの大会で優勝したいとか、天文部なら星を撮りたい、写真で入選したいというような、1つの目標をみんなで目指すなど、学校生活ででしか味わえないようなものがあるはず。それが羨ましいし、僕ももっと色々やっておけばよかったなと今さらながら思っちゃいますね。素直に大人の言うことを聞いておけばよかったなと(笑)。今の中高生に「楽しむだけ、楽しんでほしい。自分の時間を大切にしてほしい」と言いたいです。

― 主人公は夜眠れないという悩みを抱えていましたが、奥平さんは眠れないときにどう克服していますか?

実は僕、昨晩寝られなくて3時間しか寝てないです。音楽を聴いて目を瞑る・・・ということもしますが、もう何をしても絶対に眠れないなと思ったら諦めて音楽を聴いています。眠れそうだなと思ったら根性で目を開けないようにします(笑)。

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― ちなみにどんな音楽にハマっていますか?

いろんなジャンルの音楽を聴きますが、昨日はヒップホップを聴いていました。ジャズラップのような静かめのヒップホップですが。基本的にクラシックが好きなので、大体いつもクラシック音楽を良く聞いています。家にレコードがあるので、好きなロックも聴いています。レコードは音を飛ばすことができないので、時間があるときに聴きます。

― レコードはご自分で買われたのですか?

自分で買いました。洋ロックが好きなんです。クラシックは元から好きでしたが、父が「レッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)」好きだったので、その影響もあってアルバムを買うようになりました。そういえば、金沢に凄い品揃えのあるレコード屋さんがあったんです。男性が1人で営まれているんですが、色々優しく教えてくださったので、もう一度行きたいなと思っているです。コレクションは少しずつ増えてきました。今一番多いコレクションは「キング・クリムゾン」です。いわゆるプログレ(プログレッシブ・ロック:1960年代後半のイギリスに登場したロックのジャンル)が好きです。

― ところで、丸太と奥平さんご自身と似ているなと思ったところはどこかありましたか?

それがあまりないんです。今まで演じてきた役ではどこかに共感できるところがあったのですが、丸太は僕とは違うタイプでした。僕は自分の悩みは人に言えるし、家庭環境や友達関係も自分と似てなかったです。原作の中で“丸太”という人物が出来上がっていて、そのイメージを壊してはいけないので、どちらかというとそれに寄せていった感じです。ただ実写ですから、ちゃんと丸太として生きていたかったので、自分の感覚を混ぜていたと思います。

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― この映画は丸太や伊咲たちの成長物語でもあります。映画『MOTHER マザー』でデビューされてから、もうすぐ3年になる奥平さんですが、自分が成長したと感じることはありますか?

昔は敬語を使うのが本当に下手だったんですが、少しずつ慣れてきたというか、使えるようになってきたかなと思います。

― そういえば、昔は舞台挨拶で「全然緊張しない」って仰っていたのに、最近「緊張します」と発言されて少し驚きました。

昔は全然緊張していなかったんです。僕も不思議なんですが、先日の舞台挨拶では本当に緊張してしまって。たぶん昔は何も分かってなくて、ただ目の前に人がいっぱいいるとしか思ってなかったので、怖いもの知らずというところがあったのだと思います。

― 大人になった証拠かもしれませんね。

色々なことを知るようになってから、緊張するようになったのかもしれません。戻りたいですね、緊張しなかったころに(笑)。でも、これからもっと成長していけば緊張しなくなるかもしれないですね。頑張ります。

― それでは最後に、これから本作をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

伊咲と丸太の2人が“不眠症”で繋がって、自分たちなりにいろいろ行動していきます。その悩みや、悩んだ末の行動がとても高校生っぽくてリアルに表現されていると思います。現役の高校生や若い方には自分の持つ悩みやそれを打ち明けらないというような、共感できる部分があると思います。大人の方には劇中に2人の環境や親の存在も大きく映し出されていますし、自分の高校生時代を思い返して何か新しい発見や感じるものがあるかもしれません。年齢問わず多くの方にご覧になっていただきたいと思います。

【奥平大兼(Daiken Okudaira)】
2003年9月20日生まれ、東京都出身。映画『MOTHER マザー』(20/大森立嗣監督)で演技未経験ながらメインキャストの周平役に大抜擢され俳優デビュー。この作品で第44 回日本アカデミー賞新人俳優賞、第94 回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第63 回ブルーリボン賞新人賞、第30 回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞し、一躍脚光を浴びる。その他の出演作に第 72 回ベルリン国際映画祭でアムネスティ国際映画賞を授与した『マイスモールランド』(22/監督:川和田恵真)、『早朝始発の殺風景』(WOWOW)など。公開・配信待機作に『ヴィレッジ』(23/監督:藤井道人)、ディズニープラス独占配信ドラマ『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』(監督:萩原健太郎)などがある。

撮影:ナカムラヨシノーブ

【君は放課後インソムニア】本ポスター

映画『君は放課後インソムニア』
◆ストーリー◆
石川県七尾市。高校1年の中見丸太(なかみがんた)は不眠症に悩んでいた。ある日、学校の使われていない天文台で、偶然にも同じ悩みを持つクラスメイト曲伊咲(まがりいさき)と出会う。
クラスではろくに話したこともないけれど、誰にも打ち明けていなかった不眠症という秘密で繋がり、次第に打ち解けていく。
そんな二人が天文台を勝手に使っていた事がばれてしまい、天文台が立ち入り禁止の危機に迫られる。
寂しい表情を浮かべる伊咲を見た丸太は、安らげる場所を守るため、休部となっている天文部の復活を決意する――。

出演:森七菜 奥平大兼
桜井ユキ 萩原みのり 工藤遥
田畑智子 斉藤陽一郎 / 上村海成 安斉星来 永瀬莉子 川﨑帆々花
でんでん MEGUMI 萩原聖人
原作:オジロマコト「君は放課後インソムニア」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
監督:池田千尋
脚本:髙橋泉 池田千尋
主題歌:TOMOO「夜明けの君へ」 (ポニーキャニオン/IRORI Records)
企画・制作プロダクション:UNITED PRODUCTIONS
製作:映画「君ソム」製作委員会
配給:ポニーキャニオン

公式HP:kimisomu-movie.com
公式twitter:@kimisomu_movie
公式Instagram:@kimisomu_movie

©オジロマコト・小学館/映画「君ソム」製作委員会

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