
映画『楓』の生歌唱付き特別試写会(公開直前イベント) が、12月9日、東京・秋葉原UDXシアターにて行われ、W主演の福士蒼汰と福原遥、劇中歌を担当する十明、監督の行定勲が登壇した。
スピッツの名曲「楓(かえで)」を原案に、行定勲監督がメガホンを取り、映画化した本作は、事故で双子の弟・恵を失った涼(福士蒼汰)が、残された恵の恋人・亜子(福原遥)の前で弟のフリをしてしまうところから始まる、切ない運命を描いたラブストーリー。


上映後の余韻が残る会場に、本作の劇中歌「楓」を歌う十明が登場。オファーを受けた時を振り返り、「もうシンプルにびっくりしてしまって。“楓”という曲がどんな映画になるんだろう? 私がイメージしていた“楓”からどんな物語が紡がれるんだろう・・・と、少しワクワクした気持ちでした」と語り、レコーディングには緊張もあったそうだが、「どうやって歌うかを決め込めないで、監督の言葉を受け取り気負わずに挑みました」と回顧。劇場で観たときは「もう涙が止まらなくなってしまって。心動かされるシーンに自分の歌声が聞こえているということが、少し不思議ですごく幸せでした」と微笑んだ。


そこへ、サプライズでW主演を務めた福士と福原、行定勲監督が客席後方からステージに登場。温かい拍手が送られ、中には驚いて涙するファンも。福士は「皆さんの落ちついた表情を見ていると、この映画を観て心が温かくなってくださったのかなと思いました」と会場を見渡し笑顔。


福原は「この作品はそれぞれ色んな受け取り方ができる作品だと思うので、少しでも皆さんに寄り添える作品になっていたらいいなと思っています」と、観客の表情を見つめる。

監督は「ここ(舞台上)から見る限りでは、そんなに暗い顔した人がいないので、ちょっとホッとしています」と安堵の顔を見せ、「“さよなら君の声を抱いて歩いていく・・・”という歌詞を聞くと、少し重く暗いことを想像するかもしれませんが、この映画を観るとそのフレーズが違って聞こえるんじゃないかな。元々、スピッツさんの曲自体が人生の中にある場面を俯瞰で見ていて、温かく包み込んでる感じに描いている曲だと思うので、その気持ちが伝わっているといいなと思います」と伝えた。
そして、いよいよ十明が、観客と福士、福原、行定監督の前で、「楓」を生歌唱。十明の透き通る歌声が会場を包み込み、映画の世界にいざなった。

歌い終えた十明に、「あったかいね」と顔を見合わす福士と福原。福原は「すごく素敵です。もうずっと余韻があって、本当に泣けてくる」と涙をぬぐい、「包み込んでくれる感じがして、これからも頑張れます」と感謝する。福士は「糸を通すような、隙間で歌ってらっしゃるんですけど、その中に芯があって、強さを感じました。やはりこの近さで聴くと一層心に来るものがあるなと。本当に素晴らしかったです」と感動しきり。
監督も「フルコーラスで聴けるというのはなかなか貴重。やっぱりいいですね」としみじみ。十明は「映画の優しくて強い気持ちと繋がれてよかったと思います。本当にありがとうございます」と嬉しそうに返した。

また、イベントでは本作の内容にちなみ「恋人同士の間で一番大切にしたいことは?」という質問が。「A・・・2人で自分の好きなことを熱く語り合える」「B・・・一緒に朝ごはんを食べる毎日の時間を大事にする」「C・・・不安な時は何も聞かずにそっと抱きしめてくれる」の中から選択するのものだが、福士は「A」、福原と十明は「B」を選んだ。

「A」を選んだ福士は、「好きなものとかが一致していて、『これってこうだよね』『俺もそう思った』みたいに、感情の共有ができると凄く楽しいと思う」と説明。十明が「私は朝ごはんを食べる時、だいたい前日の夜に何を食べるか決めているんです。それを一緒にできたらいいなと思って」と語ると、福原も「めっちゃ分かります!私もそう」と共感。「家族もそうですが、一緒にご飯食べる時間がものすごく大事。そこで他愛もない話をしたり、今日何があったかと報告したりとか、そういう話を毎日できるのが本当に幸せだなと思う」と述べると、十明も大きくうなずいていた。

さらに、12月に入り、クリスマスシーズンも間近。ステージ上にはクリスマスツリーが飾られ、映画で使用された望遠鏡も設置されていた。そこで、「理想のクリスマス」について聞かれると、福原は「私は食べることが好きなので、クリスマスマーケットに行って、シチューとか、温かいご飯を思う存分食べたいです。イルミネーションとか見ながら、食も楽しむと楽しそう」と語ると、十明も激しく同意。「私も食べている時間が一番幸せなので。私もクリスマスマーケット行きたい欲が、いま爆上がりしました(笑)」と楽しそう。

一方で、福士はデートプランを妄想で披露。「2人とも仕事をしているカップル同士で。『じゃあ夜6時半に待ち合わせね』なんて言って、お互い朝からソワソワするわけですよ。で、男性がちょっと仕事で遅れちゃうんです。先輩に言われて『はい、やります!』なんて言いながら終わらせて。急いで退勤して、そこで走るシーンがあります!」そして、「でも、間に合うんです。それでイルミネーションの前で彼女が待っていて、白い息で『ごめん、待った?』『ううん、大丈夫だよ』って。手を繋いで『レストラン行こっか』って。待つ時間も楽しいよね・・・みたいな」と詳細にそのシチュエーションを身振り手振りで説明すると、会場は大盛り上がり。そこに、行定監督が「まあ、ベタだけどね」と感想を述べつつ、「クリスマスツリーの前には彼女が居ないんじゃない?居ないと思って振り返ったら実は居たとか。雨を降らしてみたり?」と続けて演出してみせながらも、「どっちにしてもベタですけどね」と笑っていた。

最後に、福原は「この作品は、1回目と2回目を観た後で全然違う想いになると思います。ぜひ何度も大切な人と一緒に観に来ていただいて、この作品をたくさん愛していただけたら嬉しいです。大切な人をもっと大事にしたくなるような、この冬にぴったりな温かい作品になっているので、皆さんにたくさん広めていただけたら嬉しいです」と挨拶。福士が「『楓』という映画は、観終わった後に心に温かさが残るような作品になっています。この寒い冬、心を温かくするために劇場へ足を運んでくれたら嬉しいです。ホリデーシーズンにぴったりな映画なので、ぜひ劇場でまたご覧ください」とメッセージを送り、イベントを終了した。

【ストーリー】
僕は、弟のフリをした。君に笑っていてほしくて。
須永恵(福士蒼汰)と恋人の木下亜子(福原遥)は、共通の趣味の天文の本や望遠鏡に囲まれながら、幸せに暮らしていた。しかし朝、亜子を見送ると、恵は眼鏡を外し、髪を崩す。実は、彼は双子の弟のフリをした、兄・須永涼だった。1ヶ月前、ニュージーランドで事故に遭い、恵はこの世を去る。ショックで混乱した亜子は、目の前に現れた涼を恵だと思い込んでしまうが、涼は本当のことを言えずにいた。幼馴染の梶野(宮沢氷魚)だけが真実を知り涼を見守っていたが、涼を慕う後輩の日和(石井杏奈)、亜子の行きつけの店の店長・雄介(宮近海斗)が、違和感を抱き始める。二重の生活に戸惑いながらも、明るく真っ直ぐな亜子に惹かれていく涼。いつしか彼にとって、亜子は一番大事な人になっていた。一方、亜子にもまた、打ち明けられない秘密があったー。
愛するからこそ、伝えられなかった想い。
めぐる季節の中で明らかになる、あまりにも切ない真実に、驚きと涙がとまらない。
■タイトル:『楓』
■出演: 福士蒼汰 福原遥
宮沢氷魚 石井杏奈 宮近海斗
大塚寧々 加藤雅也
■監督:行定勲
■脚本:髙橋泉
■原案・主題歌:スピッツ「楓」(Polydor Records)
■音楽:Yaffle
■プロデューサー:井手陽子 八尾香澄
■製作:映画『楓』製作委員会
■制作プロダクション:アスミック・エース C&Iエンタテインメント
■配給:東映 アスミック・エース
■コピーライト:Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会
■公開表記:12月19日(金)全国公開
2025/日本/カラー/120分/シネスコ/Dolby5.1c
公式サイト: https://kaede-movie.asmik-ace.co.jp
公式X/公式Instagram/公式TikTok:@kaede_movie1219
12月19日(金)全国公開

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