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山田涼介&土屋太鳳インタビュー!映画『大怪獣のあとしまつ』「最後は誰も予想できないはず!」(山田)、「涼介さんの切なすぎる表情が印象的!」(土屋)

映画『大怪獣のあとしまつ』土屋太鳳さん/Astage-(40)

松竹と東映が史上初のタッグを組んだ完全オリジナル脚本で送る映画『大怪獣のあとしまつ』が2月4日より大ヒット上映中!
特撮映画でお決まりの倒された怪獣。その死体処理はその後どうしたのか?そんな「誰もが知る “巨大怪獣”の、誰も知らない“死んだ後”の物語」を史上初めて描いた本作は、前代未聞の緊急事態を前に立ち上がった、ある男の”極秘ミッション”を巡る、空想特撮エンターテイメント。

今回は、主演の特務隊・帯刀アラタを演じたHey! Say! JUMPの山田涼介さんと、環境大臣秘書官でアラタの元婚約者・雨音ユキノを演じた土屋太鳳さんに、撮影時を振り返りながら本作の見どころを語ってもらった。

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― 最初に出演オファーを受けた時のお気持ちをお聞かせください。

土屋太鳳(以下、土屋):出演のお話をいただいて、すごく嬉しかったです。多くの方が怪獣が出てくる話を一度は見たことがあると思いますが、(怪獣が死んだあとは)粒子になっていなくなったり、そのままウルトラマンとかが宇宙の彼方に連れ去っていくところは見ていても、連れて行かれていない怪獣はその後どうなったのか?・・・と、少しは疑問に思っていたのではないでしょうか。
この作品はそこを追求していく映画。予告編の最後に「倒すよりムズくね?」という言葉が出てきますが、その言葉を作った方はさすがだなと思います。今の時代だからこそ東映さんと松竹さんがタッグすることができたと思うので、そういう機会にご一緒できるのはすごく嬉しいですし、少しおこがましいのですが、涼介さんとずっとご一緒したいと思っていたので、とてもありがたかったです。

山田涼介(以下、山田):ホント? ありがとうございます。嬉しいです。
僕も「『大怪獣のあとしまつ』という作品のオファー来たよ」と聞いたとき、第一に「何それ?」って思いました。でも、タイトルもそうですが、台本を読んでもインパクトがあったので、ぜひ出させて欲しいとお返事しました。

太鳳ちゃんが言う通り、「確かに言われてみれば、あれどうなってる?」と誰もが一度は考えたことがあると思います。それを大の大人が本気でバカバカしく、真剣に悩みながら、この怪獣の処理について会議して、行動して、最後には、結局そうやってあとしまつするのね・・・というオチ。壮大なボケだと思うんです、これ。最後は誰も予想できないと思いますよ。僕もその最後のあとしまつの仕方にすごく驚いたし、それが出演の決め手でもありました。そう来たか!って誰もが感じると思うので、ぜひぜひ楽しんでほしいです。

「大怪獣のあとしまつ」サブ5

― 政府の会議は本当に面白いですね。

山田:僕も太鳳ちゃんも、大臣側のお芝居は直接見てなかったので、完成作品を観たら凄かった(笑)。(土屋に向けて)凄かったよね?

土屋:凄かったです(笑)。

山田:あんなことが行われていたとは(笑)。ユキノとアラタのシーンや特務隊のシーンは、結構真剣にやっていたのですが、大臣側がしっちゃかめっちゃかやってくれていたので、そのコントラストがすごく面白くなっているなと印象を受けました。

土屋:ああいう場面ほど、真剣にやるということが大事なんだなと思いました。真剣な会議で突然変なことを言い出す人がいたりしますよね。それに「ふふふ」って反応する人がいたり。妙にリアルで本当に人間らしく感じました。そのリアルさが心をくすぐるんです。それを大ベテランの方々が熱心に演じられていて、勉強になるというか、強烈なのにリアルに見えるのはどうしてなんだろうと考えさせられました。

映画『大怪獣のあとしまつ』土屋太鳳さん/Astage-(49)

― 今回は特撮映画ということで、実際には見えない怪獣や風景をバックにしての演技の難しさ、そして専門用語も多かったと思いますが苦労した点はありましたか?

山田:僕はこれまでにVFXを使った作品に出させてもらう機会が多かったので、それに対する抵抗感はあまりなく撮影することができました。特務隊ということで、難しい言葉とかも出てきますが、それほど苦労することはなかったです。どちらかというとポスターにもなっているミサイルを持ちながらの芝居があるんですが、あれ10キロぐらいあるんです。ミサイルを背負いながら作業することのほうが物理的に大変でした。ミサイルを持ちながら怪獣の上から飛び降りるお芝居をしたので。

土屋:あのシーンは、すごくドキドキしました。あそこでとても惹きつけられるんです。

山田:本当? めちゃくちゃ大変だったよ。
この映画はだれも戦ってないんです。でも、みんなが凄く戦ってる感を出すんです(笑)。もう死んでいるんですよ、怪獣は。だけど、みんなが大真面目にやっているから、見てるこっちもハラハラドキドキする。この後どうなるんだろうと、次の展開が楽しみになるんです。やっぱり三木監督すごいな!と思いました。

土屋:私も以前に『ウルトラマンゼロ』という作品に出演させていただいますが、そのときに助監督から言われた「特撮を撮るときに必要なのは、人間がウルトラマンや怪獣よりも大きく感情を表現する芝居をしないと負けちゃうんだよ」という言葉がすごく印象に残っています。なので、アラタが怪獣から落ちる瞬間や草むらを走っているときの気持ちは、その時の言葉を意識しながらお芝居をしていました。
私も(特撮の現場に)違和感はなくて、「ただいま」「久しぶり」という気持ちでした。

映画『大怪獣のあとしまつ』土屋太鳳さん/Astage-(73)

― お互いに共演されてどんな刺激を受けましたか?

山田:刺激というよりも、これまで土屋太鳳という女優さんをずっと見ていましたが、イメージ通りでした。

土屋:(イメージ通りと言う言葉に)つまらないですよね(笑)。

山田:全然つまらなくないよ。いいイメージです。すごく穏やかで、礼儀正しくてこんなにイメージ通りの人いるんだと思いました。芸能人も人間ですからイメージ通りじゃない人もいるわけで、クールだと思ったらすごく明るい人だったりすることもあるんです。でも、彼女は本当にたぶん皆さんの思うイメージ通りの女優さんです。

お芝居に対してすごく真面目で、人間味があって喋っていても楽しいです。冗談を言ったらちゃんと返してくれますし、すごく温かい人。演技については僕が言うのも変ですが、何も言うことなく非常にやりやすい方です。

土屋:涼介さんは、座長としても人としてもコンディションが安定しているんです。多くのキャストの方々がいる現場を引っ張ることはとても難しいことだと思うのですが、引っ張るぞ!という感じではなく、涼介さんがそこにいることで空気感が穏やかになったり、映像に出ることによって観る人たちがその役に愛おしさをより感じるので、本当に素晴らしい方です。

現場でユキノとして感情をぶつけることが多いのですが、常にアラタとして返してくださるので、自然にいられるんです。いい感じに力が抜けていて。あと、お芝居をしていて目に宿りやすい方だなと感じました。

山田:ありがとうございます。なんか恥ずかしいですね(照れ笑)。

「大怪獣のあとしまつ」サブ3

― ほかの共演者の方々もそうそうたる俳優さんが揃いましたが、現場でのエピソードなどありますか?

山田:僕はオダギリジョーさんと初めてご一緒させていただいたんですが、ずっと見てきた方ですし、共演できてすごく嬉しかったです。現場でそれほど会話はなかったんですが、お芝居の中で会話をしていくと、過去に何かがあったんだなというような、ちょっとした違和感みたいなのを出しやすかったです。アラタも少し気まずさも抱えながら接しているけれど、ブルースさん的には、(アラタは)この野郎!なんじゃないかなと。絶妙な距離感を保ちながら現場に居てくださったので、すごくやりやすかった・・・というか、引っ張っていただきました。

土屋:オダギリジョーさんもそうですが、とても不思議な雰囲気をただ漂わせるのがすごく上手いなと思いました。絶対あんな格好してたらおかしいですから。

山田:変な人の集まりだからね、本当に(笑)。

土屋:(濱田岳演じる)雨音さんもそうですし、西田敏行さんも何か違和感を感じる瞬間もあって「あのさあ~」(モノマネをしながら)とか、最高でした。濱田さんと西田さんは現場でもよくお話をされていていいコンビだなと思いました。

山田:「〇〇でさぁ~」(西田のモノオマネしながら)とかね(笑)。あそこ、僕も大好き!

「大怪獣のあとしまつ」サブ2

― 今作は戦ったあとの災害ということで、現代社会を風刺している部分もあるかと思います。完成作品をご覧になってどんなことを感じられましたか?

山田:この撮影もコロナ禍の影響で約2年の時を経て完成に至りました。コロナもパンデミック的なところがありますが、『大怪獣のあとしまつ』も、人間の体にキノコが生えるという不思議なパンデミック現象が現れます。計算してやったわけではないし、最初からそんな意図はなかったのに、妙にリンクしている部分があるんです。観たあとに、不思議な縁がある映画だなと思いました。

渋谷の街に人がいないという情景がこの映画でも表現されてましたが、現実の世界でも一時的に街の中に人がいなかったことがありましたよね。こんなことは起きないと思っていたことも起きうる世の中になってるからこそ、この映画が響きやすくなってるのかもしれません。この映画を角度を変えて観る人も出てくるんじゃないかなと思います。

土屋:私も偶然なのか奇遇なのかどっちなのだろうと考えてしまいます。私は特撮作品が大好きなのですが、特にユーモアの中に一貫した社会風刺が描かれているところがとても好きです。今回はコロナ禍というタイミングで、本当に自分たちが存在している場所と、映画の中の空想である場所がリンクしています。

東日本大震災の問題などにも重なるところがあって、最初に台本を読んだときに、あまりにもリンクしているように感じたので、大丈夫なのかな?と正直思ったこともありました。でも、三木監督や涼介さんをはじめキャストの方々の力で、ちょっと遠い存在に思えた問題を、
自分たちが実感して見ることができるということは、とてもいいことだなと思いました。捉え方は人それぞれなので、映画を観ていただいて、まずは楽しんでいただけたらと思います。

― 特に印象に残ってるシーンがあったら教えてください、ネタバレなしで。

山田:う~ん、どこまで話していいのかな?・・・(笑)。僕がとても好きなシーンですが、最後のユキノの叫びがとても魅力的で、アラタに対するユキノの想いが爆発してる印象でした。何も見ずに、あの叫びができる土屋太鳳ってすげえなと。

アラタが落ちてきたときも、先ほど言っていた助監督さんからの助言があったからだと思いますがオーバーに表現しているんです。でもそれが本当にちょうどよく恋心を抱く女性として心配している様が見えて、すごく印象に残っています。

土屋:ありがとうございます。私は、アラタとユキノがそれぞれ自分の道を選んだときに、それを応援することが愛情じゃないかなと思っていました。ユキノが雨音さんと結婚したことも、自分が幸せであるということがアラタに対して礼儀だと。最後はずっと溜め込んでいた愛情が伝わったらいいなと思っていました。

山田:はい、伝わりましたよ(笑)。

土屋:あと、大臣の方々が会議しているシーンが、もしかしかしたら本当にこうやって会議されてるのかなと思ってすごく好きです。また、アラタが敷島さんに呼び出され、自分が呼ばれた理由を悟るシーンがあるのですが、そのときの表情が切なすぎて、めちゃくちゃ印象に残っています。

山田:凄いな。そんなところ見てくれていたんだ・・・。セリフもない一瞬のシーンですから。

土屋:全部カッコいい涼介さんのアラタがバーンと出てくる感じではないんですが、スローに流れるだけでこんなにカッコいいんだと。ヒーローとしてとても素敵でした。以上です。

山田:こちらからは以上です。お返しします(笑)。

映画『大怪獣のあとしまつ』土屋太鳳さん/Astage-(79)

― 最後にこれからご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

土屋:空想の世界ではありますが、自分たちが存在している世界とすごくリンクしてる映画になってると思います。音響やCGなど特撮の映像と技術も含めて楽しんでいただけたら嬉しいです。

山田:特撮好きにも映画好きにも刺さる映画になっているのではないかと思いますし、本当に最後の最後にそう来たかと。この最後に対して、いろんな思いがあると思いますが、クレームは受け付けません(笑)。本当に楽しめる映画ができました。何も考えずに劇場に来ていただいて劇場でこのエンターテイメントをぜひぜひ楽しんでいただきたいと思います。

【山田涼介 RYOSUKE YAMADA】
1993年生まれ、東京都出身。 07年、Hey! Say! JUMPのメンバーとしてデビュー。15年「暗殺教室』(羽住英一郎監督)で映画初主演し、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。 同年『グラスホッパー』(瀧本智行監督)で日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞し、17年には『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(廣木隆一監督)と『鋼の錬金術師』(曽利文彦監督)に主演。そのほか「記憶屋 あなたを忘れない』(20/平川雄一朗監督)、『燃えよ剣』(21/原田眞人監督)などがある。

【土屋太鳳 TAO TSUCHIYA】
1995年生まれ、東京都出身。08年『トウキョウソナタ』(黒沢清監督)にてデビュー。
NHK連続テレビ小説「まれ」(15)で主演を務め一躍国民的女優に。『orange-オレンジ』(15/橋本光二郎監督)にて日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、「8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17/瀬々敬久監督)では日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。その他、Netflix「今際の国のアリス」(20/佐藤信介監督)、 「哀愁しんでれら』(21/渡部亮平監督)、『嶋の撃退法」(21/タカハタ秀太監督)などがある。今後は、フジテレビ4月木曜22時「やんごとなき一族」、Netflix「今際の国のアリス」シーズン2が控えている。

インタビュー撮影:ナカムラヨシノーブ

「大怪獣のあとしまつ」WEBメイン(キャストなし)

映画『大怪獣のあとしまつ』
【STORY】
人類を恐怖に陥れた巨大怪獣が、ある日突然、死んだ。――この死体、どうする?――
人類を未曽有の恐怖に陥れた巨大怪獣が、ある日突然、死んだ。
国民が歓喜に沸き、安堵に浸る一方で、残された巨大な死体は徐々に腐敗・膨張を進めていた。
爆発すれば国家崩壊。終焉へのカウントダウンは始まった。絶望的な時間との闘いの中、
国民の運命を懸けて死体処理を任されたのは、警察でも軍でもなく、3年前に突然姿を消した過去をもつ1人の男…。
彼に託された<使命>とは一体? 果たして、爆発を阻止することができるのか――!?
前代未聞の緊急事態を前に立ち上がった、ある男の”極秘ミッション”を巡る空想特撮エンターテイメントが、今、動き出す。

監督・脚本:三木聡
出演:山田涼介 土屋太鳳
濱田岳 眞島秀和 ふせえり
六角精児 矢柴俊博 有薗芳記 SUMIRE 笠兼三 MEGUMI
岩松了 田中要次 銀粉蝶 嶋田久作 笹野高史
菊地凛子 二階堂ふみ 染谷将太 松重豊
オダギリジョー 西田敏行
怪獣造形:若狭新一(『平成ゴジラ』シリーズ)
企画・配給:松竹 東映
制作スケジュール:撮影① 2020年3月10日~3月末 / 撮影② 2021年1月末~3月上旬
クレジット:(C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会
■公式HP:https://www.daikaijyu-atoshimatsu.jp/
■公式Twitter/Instagram:@daikaijyu_movie

大ヒット上映中!