映画『爆弾』の公開記念舞台挨拶が、10月31日、東京・新宿ピカデリーにて行われ、主演の山田裕貴をはじめ、共演の染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、渡部篤郎、佐藤二朗と、永井聡監督が登壇した。
ベストセラー小説「爆弾」を永井聡監督がメガホンをとり映画化。本作は、酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された一人の謎の中年男が都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告していくところから物語が始まり、爆弾の在りかを探す警察と犯人との取調室で行われる先読み不能の謎解きゲームと東京中を駆け巡る爆弾探しがリアルタイムで進行する、極上のミステリーと超ド級のアクションが織り成す究極のエンターテイメント。警視庁捜査一課・強行犯捜査係の刑事で謎の男 “スズキタゴサク”と対峙する交渉人・類家を山田裕貴、スズキタゴサクを佐藤二朗が演じる。
イベントの冒頭では客席通路から登場した登壇者たちが、ハロウィンカラーの花束を客席へ投げ込み、会場は歓声に包まれた。
山田は「皆さんがこの後、どうやってXに『爆弾、マジでヤバかったんだけど』と書き込んでくれるか。その感想を楽しみにしながら、今日を喜びたいと思います」と公開を喜んだ。
佐藤は、「僕はタゴサクを演じましたが、彼が何者かは、僕もいまだにわからないです。わかってしまったら、普通の人間の正気が失われてしまうんじゃないかと。そのくらい底知れない怖さがある人物です」と自身が演じた“スズキタゴサク”を分析。そして、友人の俳優であり脚本家のマギーから感想が届いたことを明かし、「長文の感想が送られてきたねすが、文の最後に『日本映画の最高到達点の1本だと思って、興奮している』と書いてあったんです。クリエイターからそう言われて嬉しかった！」と語り、胸を張る。その言葉に山田が大きくガッツポーズ。「試写会を観た感想で、『邦画史上最高傑作』という言葉もあって、密かにほくそ笑んでいました」とニヤリ。会場の笑いを誘っていた。
沼袋交番勤務の巡査長で、伊藤沙莉演じる同じ交番勤務の巡査・倖田とともに外を駆け巡りながら爆弾探しに奔走する矢吹役の坂東は「「沙莉氏でなければ、矢吹は演じられなかった。沙莉氏の言葉を出す、投げる球のなかに込められている真実味。それに毎回反応していくことで、バディが出来上がった」と伊藤に感謝の気持を表しつつ、「自信があったアドリブのシーンは全カットされて･･･」としょんぼり。監督が「坂東くんはアドリブが多い。沙莉さんにも『使えないアドリブはぶっ込んでくるな』て怒られていたよね」と暴露され、「そうなんです。『絶対に使えないことはするな』って」と明かし、会場を沸かせた。
刑事・等々力を演じた染谷は「面白くて、本当に好きな作品」と出来栄えにご満悦。「撮影は取調室から始まって、皆さんと過ごさせてもらって。ステキな方々といっぱいお芝居をさせていただいて。撮影が始まったのは、1月。最高の2025年になりました」と充実感を滲ませる。
刑事・伊勢を演じた寛一郎も「取り調べ室の一番いい席で、先輩方のお芝居を見られて、本当に幸せでした」と感慨。刑事・清宮を演じた渡部は「今まで自分がやってきた感覚では、勝てないかなと思った。違うパワー、新しい経験値を積んだ気がしました」と、本作への出演でまた新たな経験ができた様子。「裕貴くんとメールのやり取りをしていたとき、『全員野球のようだった』と書いてあった。全員の力で向かっていったと思う」と述懐した。
ジャパンプレミアでは、付き合いが長い佐藤との共演に感極まり、渡部が涙する場面もあったが、佐藤は「今までは渡部さんが主役で、僕が脇で支えることが多かったんですが、今回は、渡部さんが『お前を支える側に立ててうれしい』と言ってくれた」と話し、「この人が本気で支えに来たら、こんなに美しく切なく、カッコよくなるということを痛感しました。その男の哀愁もこの作品の大きな見どころです」と、渡部を称賛していた。
最後に山田は「映画ではSNSで“ある投稿が一定数リポストされると大変なことになる”というシーンがありましたが、映画へのお褒めの言葉のポストは、なんべんでもやっていただきたい。それで爆弾は爆発しません(笑)。僕らチームの力を受け取って、皆さんで爆発させていただければ」とアピール。佐藤は「僕は、李相日監督が個人的にファンと言っていいくらい好きです。その李監督が、今年は『国宝』というとんでもない、化け物みたいなおもしろい作品をつくられて、ますます李相日監督のファンになっている」と称えつつ、「今年、化け物みたいにおもしろい作品は1本だけじゃない。今年は日本映画にとってとても幸せな1年になるんじゃないかと思いますし、なってほしいなと心から祈っています」と、邦画作品に益々の期待を寄せていた。
映画『爆弾』
◇出演：山田裕貴 伊藤沙莉 染谷将太 坂東龍汰 寛一郎 片岡千之助 中田青渚
加藤雅也 正名僕蔵 夏川結衣 渡部篤郎 佐藤二朗
◇原作：呉勝浩「爆弾」（講談社文庫）
◇監督：永井聡
◇脚本：八津弘幸 山浦雅大
◇配給：ワーナー・ブラザース映画
◇公式サイト：bakudan-movie.jp
◇公式X：@bakudan_movie
◇公式Instagram：@bakudan_movie
◇原作クレジット：©表記：呉勝浩／講談社
◇©表記：呉勝浩／講談社 2025映画『爆弾』製作委員会
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