映画『アズミ・ハルコは行方不明』のプレミア試写会が、11月10日、東京・ユナイテッド・シネマ豊洲にて行われ、主演の蒼井優をはじめ、共演の高畑充希、大賀、葉山奨之、石崎ひゅーい、加瀬亮と、松居大悟監督が舞台挨拶に登壇した。
本作は、山内マリコの同名小説を松居大悟監督が映画化。突如、街中に拡散される女の顔のグラフィティアート。独身OL・安曇春子（蒼井）の失踪をきっかけに起こる交差するふたつのいたずらが時間を交差させて描かれていく、女子高生、ハタチ、アラサーと3世代の女性の生きざまが描かれた最強の青春ガールズムービー。春子の顔のグラフィティアートを拡散するギャル・木南愛菜を高畑が演じる。
まずは「色々な熱い人たちの気持ちを集めてできた作品」と、本作にかける熱い思いを述べた松居監督。「この映画自体いい意味で上手にまとめたくない。一秒先が読めない作品にしたいと思ったときに、ずっと見ていてワクワクするような人たちが良いと思い、一緒に何かしたいと思える人たちに声を掛け集めました」と、個性的で勢いのある俳優のキャスティング理由を明かした。
蒼井はオファーを受けたときの気持ちを、「『アズミ・ハルコは行方不明』の安曇春子役と聞いてすごい楽じゃないかと思いました。行方不明で主演だなんて、こんないい話あるんだなって。でも、けっこう出番がありました(笑)」と語り、会場を沸かせた。
さらに、「監督とプロデューサーと私が同い年。そのことを聞いた時点で興味が湧いて期待値が高かった。ワクワクしながら脚本を読んでみて、どういうふうに仕上がるのか想像できなかった。30歳という節目を迎えた3人だから挑戦してもいいんじゃないか。まだまだ守りに入る年齢ではないと言われているような気がした」と振り返った。
NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」のキャラクターとはうって変わり、キャバ嬢のアイナ役を演じた高畑は、そのキャラクターの気持ちがわからなかったという。「（蒼井）優ちゃんに『わからん、わからん』って言ったら、『愛菜も自分のことがわかってないんだから、わからなくていいんじゃない』って返してくれたんです。それで吹っ切ることができました」とエピソードを披露。撮影時も思い切りの演技で臨んだようだが、「振り切って出し惜しみせず頑張ろうと思って。そうしたらけっこう小道具とか壊しちゃって･･･」と苦笑い。「ごめんなさい」と、松居監督に謝っていた。
アイナが思いを寄せる同級生ユキオ役の太賀は、「かなりパワフルに美術の備品をぶっ壊していましたね(笑)」と語り、20代の若いメンバーの勢いの良さをアピール。アイナとユキオの同級生マナブ役を演じた葉山は、劇中で女子高生からボコられるというシーンについて、「本当に殴られてるんですよ。パンチがしっかり顔面に入っています(笑)」と注目ポイントとしてPR。
ハルコが住む町の交番のお巡りさん役の加瀬は「松居監督は今までダメな男を応援する側で映画を作ってと思うが、今回はその真逆で、そこに監督の挑戦と興味を覚えた。徹夜明けは、特にテンションが高くてエネルギッシュな現場でした」と撮影の様子を明かした。
本作で映画初出演を果たした石崎は「監督から出演のオファーを受けた時、『相手は蒼井優だよ』と聞かされ、この人頭イカれちゃってると思った」と告白。続けて「台本の読み合わせでは、人生で一番緊張したってぐらい緊張しました。それでも優ちゃんの顔を見て話そうとしたら、優ちゃんの歯に海苔が挟まっていて･･･(笑)。それで緊張が解けました」と暴露。顔を赤くして恥ずかしがる蒼井は、石崎について「台詞に「あああああ」と書いてあれば普通“絶叫”ってすぐに分かるのに、石崎さんは『あ、あ、あ、あ』と言ったんです。その場にいた全員の目が点になりました」と返し、会場はさらに大きな笑いに包まれた。
完成作品を観たあとの感想を、「観たあとによくわからないという気持ちはあったけれど、なんとも言えないパワーをもらって、特に女子は世界がちょっと明るくなるんじゃないかと思います」と高畑。蒼井は「女祭りみたいな映画になってます」と吐露。最後に「男性はやけ酒を、女性は楽しいお酒を飲んで帰っていただければ」と観客たちに声をかけ、舞台挨拶を締めくくった。
『アズミ・ハルコは行方不明』
出演：蒼井優 高畑充希 太賀 葉山奨之 石崎ひゅーい
菊池亜希子 山田真歩 落合モトキ 芹那 花影香音 ／柳憂怜 国広富之／加瀬亮
劇中アニメーション：ひらのりょう
音楽：環ROY
監督：松居大悟（『ワンダフルワールドエンド』『スイートブールサイド』『私たちのハァハァ』）
原作：「アズミ・ハルコは行方不明」山内マリコ（幻冬舎文庫）
©2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会
公式サイト： http://azumiharuko.com
12月3日より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
