映画『秒速5センチメートル』の初日舞台挨拶が、10月10日、東京・TOHOシネマズ 日比谷にて行われ、主演の松村北斗(SixTONES)をはじめ、共演の高畑充希、森七菜、青木柚、木竜麻生、上田悠斗、白山乃愛、宮﨑あおいと、奥山由之監督が登壇した。
新海誠監督のアニメーション作品を初の実写映画化。本作は、新海誠の劇場アニメーション『秒速5センチメートル』(2007年)の主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を、幼少期、高校生、社会人の3つの時代で描く。監督は「ポカリスエット」のコマーシャル映像や、米津玄師「感電」「KICK BACK」など、映像監督・写真家として国内外から高い評価を得ている、若き新鋭・奥山由之。本作が初の大型長編商業映画監督作となる。
主人公・遠野貴樹を松村北斗、ヒロイン・篠原明里を高畑充希が演じ、貴樹の幼少期を上田悠斗、明里の幼少期を白山乃愛、貴に想いを寄せる高校の同級生・澄田花苗を森七菜、花苗の姉で、遠野貴樹が通う高校の教員を務める興水美鳥を宮崎あおい、科学館の館長・小川龍一役を吉岡秀隆が扮する。
公開初日を迎え、奥山監督は「本当にこの作品はもう奇跡的な巡り合わせで、素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんと、1カット、1カット大切にていねいに作った作品なので、やっと皆さんにご覧いただけるのが本当に夢のようで嬉しく思います」と感無量の面持ちで挨拶。
松村は「いよいよ公開したんだなという興奮もありますが、不安な気持ちもあります。ただ、これだけたくさんのキャストを束ねた奥山さんがどれだけ凄いかということをずっと現場で感じていたんです。さっき一人ずつ登壇していく中で、監督が入られた時に一段と拍手が大きくなったのを聞いて、僕の感触ですが、一番の正解の届き方をしているんだなと思って安心しました。これから劇場でたくさんの方に観ていただけることを祈るばかりです」と万感の思いを口にした。
そして、観客の顔を見渡しながら、「エンディングを迎えたときに、それがハッピーエンドなのか、何エンドなのかっていうのは、自分たちの中で解釈していくもので、観終わって30分で決められるものじゃなかったりもするかも。じっくり一人で考えたいっていう顔にも見えていて。それだけ真摯に皆さんが受け止めてくれたんだなと、すごく嬉しい気持ちですね」と満足気な顔を浮かべた松村。
高畑は「元々の新海さんのファンの方もたくさんいらっしゃって、日本の方だけじゃなく、違う国の方とかも凄く映画楽しみにしてる方がすごく多いと感じています。公開して、たくさんの方に観ていただいて、どんどんどんどん広がっていったら嬉しい映画です」と自信を持って届け、観客を見て「確かに笑顔になる作品でもない。みんな感じているものが違ったりするのかなと」と考察した。
森は「今日、メイクさんが観たと仰っていて、“いいものを観たな”という顔をされていました」と良い反応を受け取った様子。
青木は「『(公開を)楽しみにしていた』と過去1ぐらい言われた映画です。人肌を感じる現場の作品がこうして大きなスクリーンで上映され、いろんな人に届くっていうのはすごい意味のあることだなって思います」とコメントした。
撮影から公開までを振り返った高畑は、「今回はけっこう不思議な体験だったなという感じ。撮影はわりと孤独な感じで、(ほかのキャストの)皆さんとお会いすることも少なく、静かに淡々と撮影が進んでいったのですが、それから宣伝の間に別のパートの皆さんと会えたりして。スタッフさん含め話ができたりして、公開に向けてどんどんチーム感がギューッとなって。みんなでこの作品を頑張ったんだ、届けようという熱量が目に見えて強くなっていきました。なので、今一番テンションが高いです!」と熱く語る。
また、釜山国際映画祭オープンシネマ部門でも上映され、国内外から注目と期待が高まる本作。映画祭を振り返り、松村は「上映が終わったら、(観客の皆さんに)円のように囲まれて拍手をもらったんです。あの光景は一生忘れない」と、賛美を直に受けた嬉しさを明かした。
青木は「種子島の丘のシーンで観た景色が言葉にならないくらいで感動しました。新海監督の画は実際にあるのだなと。ずっと忘れないです」と感動しきり。
木竜は、「私は会社の中で働いている皆さんが、本当に辛そうで。皆さん、種子島から返ってきたばかりだったので。監督が『種子島が楽しかったでしょうけど、(撮影を)やりますよ!』と言っていた言葉が印象的でした」と話す。
白山は大阪のイベントで松村と上田とともに乗った観覧車と言い、「初めてでしたし、こんなに高いんだっていう驚きもあったし、すごく二人と話せて楽しかったなって思ってます」とニッコリ。一方の上田は「僕はむちゃくちゃカチコチでした。高いところが苦手ななので」と苦笑い。それでも「初めて積もった雪を見て、雪って(本当に)存在するんだ・・・と」と初めての体験を喜んでいた。
宮﨑は高畑と共に宣伝活動の中で、SixTONESの場組に出演したときのことに触れ、「松村さんのチーム?グループ?(SixTONESのこと)が凄く仲良しで、凄く素敵だったんですけど、番組に出させていただいて凄く楽しくて。役者さんとしての松村さんしか知らなかったから、こんな面を持ってらっしゃるんだなと思って。でもそこでも凄くキラキラしていて、チームみんなでフォローし合ったり、みんなで盛り上げあったり・・・あの空気感がすごく素敵だなと思って。いい時間を過ごされているんだなと嬉しくなって。違う一面を見れたことが嬉しかったです」と笑顔。
MCから「俳優としての松村さんと、アイドルとしての松村さんはそんなに違うんですか?」と聞かれた高畑も、「もう1人いるのかなって思うぐらい違って。現場では“松村くん、何を考えているんだろう”と思うくらい静かなのね。なので、弾けてる姿が最高に素敵でした」と驚きの発見に、会場の笑いを誘う場面も。松村はクスクス笑いだすファンたちに「シー!」とポーズを送り「バレるんで静かにしてください(笑)」と慌てる一幕も。
それでも宮崎たちは「あんな信頼できる人たちとか、仲間がずっと横にいてくれるって、いいなって(思った)」と目を細めていた。
◆ストーリー
1991年、春。
東京の小学校で出会った貴樹と明里は、互いの孤独にそっと手を差し伸べるようにして、少しずつ心を通わせていった。
しかし、卒業と同時に、明里は引っ越してしまう。
離れてからも、文通を重ねる二人。
相手の言葉に触れるたび、たしかにつながっていると感じられた。
中学一年の冬。
吹雪の夜、栃木・岩舟で再会を果たした二人は、雪の中に立つ一本の桜の木の下で、最後の約束を交わす。
「2009年3月26日、またここで会おう」
時は流れ、2008年。
東京で働く貴樹は、人と深く関わらず、閉じた日々を送っていた。
30歳を前にして、自分の一部が、遠い時間に取り残されたままだと気づきはじめる。
そんな時にふと胸に浮かぶのは、色褪せない風景と、約束の日の予感。
明里もまた、あの頃の想い出と共に、静かに日常を生きていた。
18年という時を、異なる速さで歩んだ二人が、ひとつの記憶の場所へと向かっていく。
交わらなかった運命の先に、二人を隔てる距離と時間に、今も静かに漂うあの時の言葉。
――いつか、どこかで、あの人に届くことを願うように。
大切な人との巡り合わせを描いた、淡く、静かな、約束の物語。
◆作品概要
■タイトル:『秒速5センチメートル』
■原作:新海誠 劇場アニメーション『秒速5センチメートル』
■監督:奥山由之
■脚本:鈴木史子
■音楽:江﨑文武
■主題歌:米津玄師「1991」
■劇中歌:山崎まさよし
「One more time, One more chance 〜劇場用実写映画『秒速5センチメートル』Remaster〜」
■出演:松村北斗 高畑充希
森七菜 青木柚 木竜麻生 上田悠斗 白山乃愛
岡部たかし 中田青渚 田村健太郎 戸塚純貴 蓮見翔
又吉直樹 堀内敬子 佐藤緋美 白本彩奈
宮﨑あおい 吉岡秀隆
■制作プロダクション:Spoon.
■配給:東宝
■公開日:2025年10月10日(金)
■コピーライト:©2025「秒速5センチメートル」製作委員会
■公式サイト:https://5cm-movie.jp
■公式X(@5cm_movie_2025):https://x.com/5cm_movie_2025
■公式Instagram(@5cm_movie_2025):https://www.instagram.com/5cm_movie_2025/
■公式TikTok(@5cm_movie_2025):https://www.tiktok.com/@5cm_movie_2025
全国公開中!