吉田鋼太郎が芸術監督を務める【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】、藤原竜也が主演する『マクベス』が5月8日に開幕。最終通し稽古が、7日、彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて行われた。(撮影:宮川舞子)5月25日(日)まで埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて上演。その後、宮城・愛知・広島・福岡・大阪にて上演される。
彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd” は、故・蜷川幸雄からその任務を引き継いだ吉田鋼太郎が、昨年2024年5月に新たにスタート。『マクベス』は柿澤勇人主演の1作目『ハムレット』に続くシリーズ2作目。音楽は全編東儀秀樹が担当。幕開けの大迫力の和製ロックが、中世スコットランドの暗い森へ、そしてその奥の城へと我々を導いてくれる。上演時間は休憩含む約3時間10分。
21歳でハムレットを演じて以来、シェイクスピアの世界に挑み続けてきた藤原竜也が43歳になり、この名作名高い『マクベス』のタイトルロールに挑む。
マクベス夫人役には、10代の頃に初めて彩の国シェイクスピア・シリーズに触れ、いつか挑戦したいと願っていたという土屋太鳳を迎える。
演出と上演台本を務める吉田鋼太郎もその一人として演じる三人の魔女に出合い、予言を受けたマクベス。そして、その予言が心に刺さって抜けなくなり膨らませてしまったマクベス夫人。ふたりの互いに引き合い、揺れながらも野望の実現へと突き進んでいく魂の彷徨いが、勢いをもって描かれていく。
マクベスと共に魔女の予言を聞くバンクォー役に河内大和
妻子を殺されマクベスに復讐心を燃やすマクダフ役に廣瀬友祐
ダンカンの息子で後に王となるマルカム役に井上祐貴
スコットランド王ダンカン役にたかお鷹。
マクベスとマクベス夫人を物語の軸として竜巻のように物語を進める。そして、その竜巻に巻き込まれた人物たちの燃え立つ心情を丁寧に描くことで、人物への共感と実感を生み、今の私たちに物語を引き寄せてくれる。
★藤原竜也(マクベス役)開幕に向けたコメント
舞台「マクベス」とうとう初日を迎えます。鋼太郎さんによる大胆かつ緻密な演出のもと、素晴らしい仲間たちと共に厳しい稽古期間を乗り越えてきました。私にとっても挑戦の1作となります。劇場で皆様に観ていただけること楽しみにしております。全身全霊で「マクベス」に挑みたいと思います。
★土屋太鳳(マクベス夫人役)開幕に向けたコメント
舞台「マクベス」初日…この日、私はマクベス夫人の心を通して何を見ることが出来るのか、まだ想像も出来ません。ただ言えるのは、稽古の全てが宝物でした。こんなんじゃダメだと打ちのめされながら、同時に、生まれてきてよかったと思える日々。心から感謝しております。マクベス夫人が何を願い、誰を愛したのか、解釈は様々あると思います。観て下さる方々、ぜひ感想含め、教えて下さい。千穐楽まで、よろしくお願いいたします。
★河内大和(バンクォー役)開幕に向けたコメント
こんなに初日が待ち遠しいシェイクスピア作品はありません!稽古では、生きた人間としてそこに存在し、シェイクスピアの言葉を人間として喋ることに徹底的に向き合ってきました。鋼太郎さんの演出は、400年前のグローブ座を思い起こさせるような、ドキドキとワクワクに溢れていて、僕自身よく知っていると思っていたマクベスが、新作のように目の前に広がっていきます。想像力に満ち溢れたマクベスを、どうぞお楽しみ下さい!
★廣瀬友祐(マクダフ役)開幕に向けたコメント
マクダフ役を努めます廣瀬友祐です。あっという間の稽古期間でした。今は開幕に向けて静かではありながらも熱い高揚を感じております。始まれば終わります。怒涛です。この出逢いに感謝し、全身全霊で最後まで向き合いたいと思います。劇場でお待ちしております。
★井上祐貴(マルカム役)開幕に向けたコメント
いよいよ初日を迎えようとしています。遂に始まるんだなというワクワクと、これで大丈夫なのだろうかという不安が同時に押し寄せてきています。自分だからこそ演じられるマルカムを、少しづつですが見つけられてきている感覚があります。開幕後も日々色々なものを吸収し、まずは埼玉公演の1ヶ月を、全力で楽しみたいと思います。
★たかお鷹(ダンカン王役)開幕に向けたコメント
実に楽しい稽古だった。と言うのも出演者全員が驚く程素直だったからだ。演出家の言う事を素直に聞き、素直に演じていた。我が劇団の先輩である杉村春子の言葉を思い出した。役者は素直のプロなのよ!かなりひねた後期高齢者の僕には心地よい刺激になった。このメンバーで創る芝居はもっともっとよくなると思う。本番の幕が開いても自分に合格点をつけずに芝居に向き合いたいと思う。
★吉田鋼太郎(演出・上演台本、魔女役)開幕に向けたコメント
藤原竜也くんがついにマクベスを演じる。その演出を、この新しいシェイクスピア・シリーズで実現できることに改めて喜びを感じています。『マクベス』という難物にどう挑むのか、4ヶ月前には暗中模索していましたが才能豊かな俳優とスタッフによって光を見出すことができました。この作品は現代の私たちに何を呼びかけるのか。7週間の稽古で我々が見つけたものを、劇場で皆さんにもお届けすることができれば大変嬉しいです。どうぞ、お楽しみください。
<あらすじ>
マクベス(藤原竜也)とバンクォー(河内大和)は荒野で三人の魔女(吉田鋼太郎ほか)と出会う。魔女たちは、
マクベスがコーダーの領主となりやがて国王となることと、バンクォーの子孫が王となることを予言する。夫か
らの手紙で予言について知ったマクベス夫人(土屋太鳳)は、野望を遂げさせようと決意。マクベスはダンカン
王(たかお鷹)を暗殺し王座を手にするが、すぐさま良心の呵責に苛まれていく。不吉な予言に不安と怒りに駆
られ、マクベスはさらに残忍な行為を重ねる。気丈だったはずのマクベス夫人は罪悪感と血の幻影に悶え苦しみ
錯乱状態に陥っていく。マクベスへの復讐に燃えるマクダフ(廣瀬友祐)とマルカム(井上祐貴)の軍勢が攻め
入り、荒唐無稽な予言は現実のものとなっていく――。
彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.2「マクベス」
2025年5月8日(木)〜25日(日)埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
2025年5月30日(金)〜6月1日(日)宮城県 仙台銀行ホール イズミティ21(仙台市泉文化創造センター) 大ホール
2025年6月6日(金)〜8日(日)愛知県 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
2025年6月12日(木)〜14日(土)広島県 広島文化学園HBGホール
2025年6月20日(金)〜22日(日)福岡県 福岡市民ホール 大ホール
2025年6月26日(木)〜30日(月)大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
<キャスト>
藤原竜也・・・マクベス
土屋太鳳・・・マクベス夫人
河内大和・・・バンクォー
廣瀬友祐・・・マクダフ
井上祐貴・・・マルカム
稲荷卓央 / 海津義孝 / 天宮良 / 坪内守 / 塚本幸男 / 鈴木彰紀 / 内田健司 / 堀源起 / 蔵原健 / 松本こうせい / 谷畑聡 / 齋藤慎平 / 伊藤大貴 / 松尾竜兵 / 河村岳司 / 坂田周子 / 近藤陽子 / 佐藤雄大 / 小川向日葵(Wキャスト) / 嶋瀬晴(Wキャスト) / 稲田有梨
たかお鷹・・・ダンカン
吉田鋼太郎・・・魔女1
<スタッフ>
作 W.シェイクスピア
翻訳 小田島雄志
演出・上演台本 吉田鋼太郎 (彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)
音楽 東儀秀樹