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『希望のホシ2018』稽古場取材 「事件解決!」だけじゃない。その向こうに見える景色が楽しみな作品

2015年に初演され好評を博した「希望のホシ」の続編、「希望のホシ2018」の上演が東京・あうるすぽっとで6月13日から始まりました。初演に続いて今回も、ユーモアあふれる人間ドラマの作り手として高い評価を得ている劇団LIVES主宰の大浜直樹が作・演出を務め、元宝塚歌劇団男役スターの緒月遠麻と、石原プロの池田努、金児憲史が演じる3人の刑事が難事件に挑みます。

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池田努   緒月遠麻   金児憲史

なんと今作では難事件の犯人を演じるのは野村宏伸だと、すでに明かされています。

犯人がすでに分かっている難事件とは?!
6月初めに、その稽古場を取材してきました。 (稽古場と舞台、両方の写真と共にご紹介します)

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稽古場風景

稽古場に足を踏み入れると、予想以上に大勢の俳優が自主練習をしていてエネルギーがあふれんばかり。
そこに大浜さんの声がかかると、ピーンと緊張の糸が張られ、稽古が始まりました。

物語の舞台は、数年前に銃撃事件に遭い記憶を失った元暴力団員・沢木(野村宏伸)の働く宿。宿はにぎやかで、宿泊客のリアルでテンポ良い会話にはユーモアいっぱい。観ていて、つい笑ってしまいます。
元ヤクザ・沢木役の野村さん。彼が犯人のはずなのですが、今は穏やかな表情で真面目に働いていて、とても何かの犯人のようには見えません。ただ、ちょっと不思議な空気をまとってミステリアス!

宿にふたりの刑事、中原悠希(緒月遠麻)と相棒の上条光隆(金児憲史)、そしてかつての同僚・国東大(池田努)がやって来ます。
刑事たちは、最近起こった殺人事件について、昔、沢木が関わった銃撃事件とのつながりを調べるため沢木に会いに来たのです。

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バリバリ働く捜査一課主任の女性刑事・中原役を演じる緒月さん。こわもての男たちにもひるまない強い女性ながら…キュートな一面ものぞかせて…魅力的です!
力と勢いでグイグイ事件を解決しそうな上条刑事役は金児さん。実は中原主任をしっかりフォローする優しい面もありそうです。
そして池田さん演じる国東は、今、石渡署でワケあって閑職にいますが、その正義感は筋金入り。
個性的な3人の警官が揃うと、刑事ドラマならではのワクワク感が高まります!

昔起きた銃撃事件では一人が死亡。沢木は怪我し、記憶を失いました。犯人は逃走したらしく、目撃者もいないため、事件は未解決のまま。沢木の記憶が事件解決の糸口になることは間違いないのですが、彼の記憶はまだ戻っていません。

野村さん演じる沢木が、どんどんミステリアスに見えてきます。

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3人が過去の事件を洗い直すうちに、それまでとは違う沢木の姿が見えてきて…衝撃です!

この日の稽古で、作・演出の大浜さんがよく声をかけていたのは、宿泊客の会話のトーンや宿の従業員の動き。
そこで生まれたリアルで自然なストーリーの中に、事件解決への伏線があるのでしょうか?

稽古場では、冒頭の40分ほどを見学したのですが、推理ものとしてのハラハラ感と、テンポいい会話劇の面白さ、そして思わず吹き出してしまうユーモアが満載。
刑事モノといえば、まずは犯人探しが気になるところですが、この作品の面白さは謎解き!そして細かく演じられる人物像と人間関係が、その鍵のようです。
深く仕込まれた物語をどこまで推理できるのか?! そこにはどんな秘密が隠されているのか?!

観終わって謎解きを終えた後でも、きっともう一度たどって観たくなるのだろう…と感じました。

そしてそこでどんな「希望のホシ」が見えるのか。
「無事に事件解決!」だけじゃない。その向こうに見える景色が楽しみな作品になりそうです。

公演は6月17日(日)まで。お見逃しなく!!

公演情報
【作品名】 『希望のホシ2018』
【作・演出】  大浜直樹
【出演】  緒月遠麻 池田努 金児憲史 岩永ジョーイ/野村宏伸

【公演スケジュール】

◆6月 【あうるすぽっと】

2018年6月13日(水)-6月17日(日)
【一般発売】 2018年3月24日(土)販売開始
【公演のお問い合わせ】 ものづくり計画 050-5316-6399
http://mono-dukuri.com