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浦井健治の初ソロコンサート「KENJI URAI 15th Anniversary Concert ~ Wonderland ~」レポート

2000年にEX『仮面ライダークワガ』の悪役でデビュー以来、15年。ミュージカルでもストレートプレイでも主演を張れるスターとなった浦井健治が、デビュー15周年となった2016年9月29日(木)に初のソロ・コンサートを開いた。

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8月には初・ソロアルバム「Wonderland」をリリース、撮り下ろしグラビアやロングインタビューなど彼の15年間をまとめた初のオフィシャルブック「アシアト」も発売。『王家の紋章』で帝国劇場での初単独主演も飾り、今、もっとも注目されるミュージカル俳優の1人となった浦井健治の、15年の軌跡をたどるライブとなった。

 

オープニングは星空をバックに優しい曲調の「彼方へ」。男らしく『王家の紋章』からの「ファラオとして」、そしてクールに「デスノート」。1曲ごとに歌い方も表情も雰囲気もガラリと変えて聴かせる。それはまるでミュージカルを1曲に濃縮したようだ。

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オープニングの3曲が終わってのMCでは、明るいお茶目な浦井健治の素顔をみせる。井上芳雄、山崎育三郎とのユニットStarSの活動時に、サイリウムに感動したことを知っているファンたちは、今回は真っ白なライトで会場を埋めつくした。それを見た浦井は「白いサイリウム…米粒みたい」と感想を述べて、客席を爆笑の渦に巻き込んだ。

この後も、『マイ・フェア・レディ』『シラノ』『回転木馬』『宝塚BOYS』と出演作から名曲を続々歌う。それは彼が着実に歩みを重ねてきたことを物語る何よりの証だ。

『CHESS THE MUSICAL』では歌だけで「高見沢さん」と呼ばれて人気も高かったアービター役のビジュアルが眼前に浮かび、その姿が一瞬スクリーンに映ると思わず懐かしく幸せな気分になってしまった。

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ここまでソロあり、ゲストボーカルのAKANE LIV、照井裕隆とのデュエットあり。構成・演出の荻田浩一が目指していたのは「脳内コスプレ」で、観客が頭の中で浦井健治を着せ替え人形よろしく変身させることだと聞いて、その罠に見事にはまっていることに気付かされた。

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会場が沸いたのは『美少女戦士セーラームーン』と『仮面ライダークワガ』。「この時代から彼を見守ってきたかった」と大勢のファンが思ったことだろう。

後半は『蜘蛛女のキス』『エリザベート』『二都物語』をじっくり聞かせる。『アルジャーノンに花束を』は初演では菊田一夫演劇賞、再演では読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した彼にとって意味深い作品。浦井はその主演を次回は『王家の紋章』で共演した矢田悠祐にバトンタッチするとのことだが、それは浦井が次のステップに歩みを進めたということだろう。

『デスノート』の再演を告知すると、サプライズなお知らせに会場が沸いた。

着実に演技者として、ミュージカル俳優として自らを高めて来た浦井健治。自らの心情を歌詞にした「Color Of Dream」を真っ白な衣装で歌ってアンコールの舞台に戻ると、川平慈英の息子を演じる次回出演作の川平慈英の息子を演じる「Big Fish」からの曲も披露。最後は『王家の紋章』からの「今日のわたしに」で幕を閉じた。

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翌日出かけた某舞台作品の取材現場では「昨日の浦井さんのコンサートがすごくよかった」と語る声があちこちから聞こえてきた。

Starsとしての活動を通して演技者としてだけでなく、アーティストとしても多くのファンを勝ち得た浦井健治が、このコンサートでまた多くの人を虜にしたようだ。

この日の浦井健治の姿は多くの人に記憶されることであろう。そして、浦井健治の15周年の先にも、ますます期待したい。

<『KENJI URAI 15th Anniversary Concert ~ Wonderland ~』 概要>
【開催日時】 2016年9月29日(木) 18:30~ (マスコミ受付開始/18:00~)
【会 場】 東京国際フォーラム・ホールA (千代田区丸の内3-5-1)
【出 演 者】 浦井健治 <ゲストボーカル> AKANE LIV 照井裕隆 <ダンサー> 加賀谷真聡