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古川雄輝インタビュー! WOWOW連続ドラマ「悪の波動 殺人分析班スピンオフ」 彼はどうして猟奇的な殺人鬼になったのか・・・誰にも共感できるところがあると思う

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麻見和史著の原作をもとに木村文乃主演で2015年「石の繭」、2016年「水晶の鼓動」として放送された警視庁の犯罪捜査を描くWOWOWオリジナルドラマ「殺人分析班」シリーズ。過去のシリーズ2作で猟奇的な殺人犯トレミーを演じた古川雄輝を主役とした「悪の波動 殺人分析班スピンオフ」が、毎週日曜日22:30より放送中だ。

「石の繭 殺人分析班」での殺人犯トレミーこと八木沼雅人が、いかにして冷徹無比な殺人鬼になったのかが描かれる本作は、原作にはないドラマオリジナルのストーリーとなっている。
キャラクターをより掘り下げていく難しい役どころだが、今作へ特別な思いを持つという古川に話を聞いた。

― 「悪の波動 殺人分析班スピンオフ」の主演ということで、オファーを受けていかがでしたか?

嬉しかったです。最初の「石の繭」では犯人役でしたが、とても好評をいただき、続編の「水晶の鼓動」では僕の役は原作に出ていないのに、脚本につけ加えて書いてくださったんです。それでも勿論嬉しかったのですが、『水晶の鼓動』の打ち上げの時、「まだ犯人の(トレミーの)刑は執行されていませんよね。なぜこういう犯人になったとかが、また出来そうですね」と、スタッフの方と冗談半分で話していたのが実現したんです。そしてWOWOWで初主演。こういう形で犯人がスピンオフ作品になるのは異例だそうですし、3回も同じ役を演じることもなかなかないことですから、今回の出演は本当に嬉しかったですし気合いが入りました。

― 他でもWOWOW作品に出演されている古川さんですが、今回の作品は特別なもの?

僕のファンの皆さんの間でも、「殺人分析班」シリーズは人気なんです。恋愛ものでもなく、普段やらせて頂くことの多い役どころとは違う犯人役というところもあるのか、男性ファンが増えたきっかけでもあります。ダークヒーローというか・・・、もちろん殺しはダメなんですが、ある意味“正義のある殺し”をしていているところが色々な人の心に響いているみたいです。どうしてこうなったのか、という部分を見たかった方も多かったのかもしれません。

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― 共感するのはなかなか難しいキャラクターかもしれませんが、脚本を読まれてどのように人物像を捉えましたか?

最初に脚本を読んだ時は人物像が書かれていなかったので、想像するしかありませんでした。今回演じたことによって、これまでの点と点が繋がってきます。「水晶の鼓動」で「ハンバーグが好きだ」と言っているのですが、そのことが今回も出てきたりして面白いです。彼は復讐心を抱えているところが根底にありますが、作中にはもしかしたら殺人犯にならずにすんだんじゃないかな?と思える瞬間が出てきます。それはSUMIREさん演じる吉佳という人物に出会うことによって、普通の青年としての八木沼雅人が出てくるところです。彼は孤独でかわいそうな人物なんです。もう少し誰かが手を差し伸べてあげていたら、人を殺すまでには至らなかったのかと。だから、誰にでも彼に共感できる部分はあると思います。「スターウォーズ」シリーズに例えてみると、ダースベーダーも最初から悪い人間ではなく、愛する人と上手くいかなくなってダースサイドに行ってしまうかわいそうな人。それにちょっと似ているかもしれません。

― ご自身の実年齢より10歳くらい若い役ですが何か意識されたことはありますか?

特にはないですね。いつも10歳くらい若い役が多いので(笑)。むしろ30歳の役を演じるほうが難しいかもしれません。平埜くんは僕が25歳くらいだと思っていたみたいです(笑)。スーツを着ても新人にしか見られなくて・・・。やっと先日大学生のOB役をやりましたが、刑事とか医者とかの大人の役を早くやりたいですね。弟も親も医者なので、医者役は上手くできるんじゃないかなと思っているんです。分からないことがあったらすぐ聞けますしね(笑)。

― 「石の繭」「水晶の鼓動」で殺人犯を演じているうえで、さらに掘り下げていくという役作りは大変だったのでは?

一番難しかったのは、「石の繭」で猟奇的な殺人犯として最初に登場しているので、そこにどうやって繋げるかいうこと。どの瞬間で、八木沼雅人からトレミーという殺人鬼になるのかを決めなくてはいけなかった。普段の生活が全く見えないキャラクターなので、脚本の中に普通の会話をしているところがあると、そこをどう表現しようかと何度も相談をしました。なるべく目立たないように、人との触れ合いを避けていたキャラクターが普通に他人と会話していたら違和感があるので難しかったです。特に同じアパートに住む老夫婦とのシーンはとても気を使いました。監督とは3作品ご一緒しているので沢山話し合うことが出来ました。

「悪の波動」仮メイン写真

― 役と向き合うことで一番意識したことは?

次の話に繋がる点を見つけること。この作品を観ても、次の作品を観ても違和感がないように繋げるにはどうしたらいいかを意識しました。猟奇的殺人鬼に近い部分とそうではない部分の状況を調整しなくてはならない。多くの場面で周りの役者さんに助けてもらっていました。

― 平埜生成さんや池田鉄洋さんらの怪演も楽しみですが、共演されていかがでしたか?

池田さんとはとても仲良くさせていただきましたね。お芝居の引き出しを沢山持っていらっしゃるので多くの場面で勉強させて頂きました。そして若い世代の役者たちと仲良くなるのが上手です(笑)。平埜くんはクセの強い面白い役だと思います。チンピラっぽい役で「僕、こういう役が多いんです」って言っていましたが、やり慣れているから抜群にハマっているんです。二人の役が八木沼にしっかりと刺激を与えてくれるので演じやすかったです。平埜生くんが演じている役がすっごい嫌な奴なんですよ(笑)。それが抜群だったので、こっちも「こいつ、殺してやろう」ってなるんです。

― 平埜さんは壁ドンする役をやってみたいと仰っていましたが。

ないものねだりですね(笑)。僕には平埜くんのようなチンピラの役は出来ませんからね (笑)。

― 八木沼はハンバーグが好きでした。ちなみに古川さんの勝負飯は?

僕は牛タンです。子供のころから家族で行く外食といえば焼肉だったんですが、親父が上牛タンを注文するんです。海外に住んでいたので、なかなか上牛タンなんて食べられなくて。たまに日本に帰国したときにやっと食べられるご馳走だったんです。
でも大学生くらいになってやっと自分で食べに行くようになっても、高くてなかなか上牛タンには辿りつけなくて。ずっと牛タンが大好きです。1つの作品が終わったときは必ず焼肉を食べに行くくらい。これだけ好きだと言っていたので、クランクアップ弁当に牛タンを出してもらいました。「殺人分析班」のチームは、本当に愛情があり優しいです(笑)。

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― 演技では受身とのことでしたが、主演として組を引っ張っていきましたか?

僕はあまり他の俳優さんとコミュニケーションを取るのは得意ではないんですが、今回、SUMIREさんがドラマもヒロインも初めてということもあり、珍しく僕から声をかけて一緒に食事したりしました。SUMIREさんは目の色がグレーで、ボーイッシュな感じだと思っていたのですが、とても静かで実は緊張していたそうなんです。ギャップが面白くて、それが作品にも上手く生かされているのだと思います。他のキャストの皆さんにも僕から声をかけましたが、平埜くんは敵対する間がらなので、話しかけるタイミングを見計らいました。役がらによっては必ずしもコミュニケーションをとるのがいい場合ばかりではありませんからね。

― そこまでするほど今回の作品は古川さんにとって大きなものだったのでしょうか?

頑張りたいという思いが強かったんだと思います。気合いの入り方が他の作品に比べると少し違うかもしれません。

― スピンオフは、それだけ愛されていないと生まれてこない作品だと思います。キャラクターへの思い入れはより強くなったのではないでしょうか。

基本的に演じたキャラクターへの思い入れは強くなるので、監督以上に自分の考えが先行しまうことも多いのですが、今回はそういうことはなかったです。監督は本当に説得するのが上手なんですよ。(演出に対して)ちゃんと理由をつけて説得してくれるし、人にあわせてアドバイスしてくれます。監督だけでなく、スタッフの皆さんを信頼できる楽しいチームでした。

― もし、これまで出演した中でスピンオフをやってみたいキャラクターはありますか?

そうですね・・・。ライチ☆光クラブ(2016年)のゼラかな、、、。僕は寡黙な役が多いので(笑)。あと、WOWOWだと『連続ドラマW 60 誤判対策室』という作品もやらせて頂いたので、そのスピンオフもやりたいなと思っています。

撮影:ナカムラヨシノーブ

【古川雄輝(ふるかわ・ゆうき)プロフィール】
1987年12月18日生まれ。東京都出身。7 歳のときに家族と共にカナダへ渡り、中学卒業後、単身アメリカのニューヨークと移り住む。日本に帰国すると、慶應義塾大学の理工学部に進学し、2009年にミスター慶應コンテストでグランプリに輝く。翌年には「キャンパスターH★50with メンズノンノ」で審査員特別賞を受賞して、芸能界デビュー。主な出演作は、ドラマ『イタズラなKiss〜Love in TOKYO』(13年)『5→9~私に恋したお坊さん~』(15年)『べっぴんさん』(17年)『ラブリラン』(18年)、映画『脳内ポイズンベリー』(15年)『ライチ☆光クラブ』(16年)『曇天に笑う』(18年)など。

悪の波動 ポスタービジュアル

WOWOW連続ドラマ「悪の波動 殺人分析班スピンオフ」
<ストーリー>
2014年、川崎市内で女性ばかりを狙った連続殺人事件が起きる。被害者は皆、首をつられて殺されており、世間では“首くくり殺人”などと呼ばれていた。犯人の手掛かりがつかめず警察の捜査は難航するが、捜査一課の刑事・井口(池田鉄洋)はこの殺人事件の容疑者として、古びたアパートに暮らす男・野木直哉(古川雄輝)をマークしていた。
野木の本名は八木沼雅人。6歳のときに母親と一緒に誘拐され、瀕死の状態で発見された“昭島母子誘拐事件”の被害者だった。野木は身元を詐称してアパートに暮らし、気配を消して息を潜めながら生活していたのだが、警察はそんな野木への疑いを深めていく。そんな中、野木は隣に住んでいた吉佳(SUMIRE)と接触。お互い恵まれない環境で育った2人に、通じ合う何かが生まれてくるのだが…。

原作:麻見和史「石の繭 警視庁殺人分析班」(講談社文庫刊)
脚本:清水 匡
音楽:諸橋邦行
監督:内片輝 山本大輔
出演:古川雄輝 SUMIRE 深澤辰哉(Snow Man/ジャニーズJr.) 平埜生成 千葉哲也 阿南健治 二階堂 智 鶴見辰吾
池田鉄洋・木村文乃
(C) WOWOW・TBSスパークル/「悪の波動 殺人分析班スピンオフ」パートナーズ
https://www.wowow.co.jp/drama/hadou/
TSUTAYAプレミアム:各話放送終了後より配信
http://tsutaya.tsite.jp/premium/

10月6日(日)よりスタート(全5話)[第1話無料放送]
毎週日曜 夜10時30分よりWOWOWプライムにて放送中
WOWOWメンバーズオンデマンドでは、各話終了後 見逃し配信
TSUTAYAプレミアムでも配信中

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