映画『ポンチョに夜明けの風はらませて』の公開初日舞台挨拶が、10月28日、東京・新宿武蔵野館にて行われ、キャストの太賀、中村蒼、矢本悠馬、佐津川愛美、廣原暁監督と、原作者の早見和真氏が登壇した。
本作は、早見和真の同名小説を新鋭・廣原監督の手で映画化。将来に希望を見出せないまま日々を過ごしていた高校生、又八（太賀）、ジン（中村）、ジャンボ（矢本）の行くあてもない“高校最後の旅”を描いた青春ロードムービー。
公開を迎え、感慨もひとしおといった表情の太賀は「無事初日を迎えられて嬉しく思っています」と挨拶。矢本は「太賀が緊張していて、僕まで緊張してきました（笑）。お客さんが入っているかと不安で緊張していたんですけどこんなに来て頂いて」と、満面の笑みを浮かべた。中村は「撮影は本当に楽しい日々だったので、この映画が多くの人に愛されたらと思います」と撮影当時に思いを馳せ、公開を喜んだ。
撮影の思い出に話しが振られると、太賀は「海に飛び込むシーンがあるんですが、それより過酷だったのが、砂浜に横たわるシーン。砂浜っていっても打ち上げられた状態なので、海水を含んだ砂。犬が顔をペロペロなめて起きるというものなんですが、なかなか顔をなめてくれなくて、顔中にバターを塗りまくって犬待ち･･･(笑)。めちゃくちゃ寒かったんですけど、いい思い出です」と振り返った。
中村と矢本は花火をするシーンを挙げ、「花火を持ってナースの格好をした太賀を追いかけるんですが、僕と蒼くんのS心に火がついて、本当に太賀に火傷させようと走って、太賀『マジやめて』って必死に逃げていましたね。(笑)」と、嬉しそうに笑うと、太賀は「ものすごい速さで追いかけ回してきて。2人（矢本と中村）が悪魔のようにしか見えなかったです」と、言い返していた。
さら、佐津川も太賀をいじりのターゲットにしたそうで、砂浜の撮影のあと毛布をかぶって震えている太賀に向かい「次のシーンで海に入らなきゃいけないんだけど太賀くん代わってくれる？って、女子スタッフといたずらで言ったのに、太賀くんはすごく真面目に『監督に相談してみます』って言ってくれて」と明かし、「半笑いで言ったのに、女子スタッフはみんな太賀くんが好きになりました」と話すと、太賀は「どいつもこいつも･･･」と、ため息をついていた。
映画の内容にちなみ「もし青春時代に戻れるとしたら何をしたい？」と問われた太賀は、しばし考えたあと、「学校をバリケ－ド封鎖したいです！」と答えた。一瞬間があき、会場が微妙な空気に。「それ以外に適当な答えが見つからない。それで大丈夫です」と苦笑い。
高校にあまり思い出がないという中村は「サッカーをやっていたんですが、もし戻るなら弓道部に入ってみたいですね。あとバイトもしてみたい。弓道部では凛として、バイトでは『僕がいないと回らない』みたいな･･･」と妄想が始まると、会場からクスクスと笑いが。真剣に話しているつもりの中村は「なんで笑うの？心外だな」とふくれっ面(笑)。矢本は高校時代、テスト中に自分がしてしまったオナラが前の席の人のせいになったという話しを告白。「あの頃に戻って犯人は僕だ、と謝りたい」と伝え、会場を沸かせた。
最後に太賀が「初日を無事迎えてとてもヒリヒリしています。いろんな人とたくさんの時間がかかってようやく今日という日が迎えられました。この作品にはたくさんの熱量がこもっています！」と伝え、舞台挨拶を締めくくった。
映画『ポンチョに夜明けの風はらませて』
＜STORY＞
将来に希望を見出せないまま、ただ何となく日々を過ごしていた高校生の又八（太賀）、ジン（中村蒼）、ジャンボ（矢本悠馬）。卒業を間近に控え、又八だけが進路を決められずにいた。“ありふれた日常から抜け出したい”と、ジャンボの父親の愛車セルシオを拝借して海に向かう3人。途中で凶暴なグラビアアイドルの愛（佐津川愛美）、風俗嬢のマリア（阿部純子）も加わり、ハチャメチャな旅を続ける。一方、3人に置いてけぼりをくらった中田（染谷将太）は、又八と約束した卒業ライブに向けて1人、ギターの練習に明け暮れていた――。
出演：太賀 中村蒼 矢本悠馬 染谷将太 佐津川愛美 阿部純子 / 角田晃広（東京03） / 佐藤二朗 西田尚美
原作：早見和真 「ポンチョに夜明けの風はらませて」（祥伝社刊）
監督：廣原暁
脚本：大浦光太 廣原暁
主題歌：忘れらんねえよ「明日とかどうでもいい」（Bandwagon/UNIVERSAL MUSIC LLC）
製作：「ポンチョに夜明けの風はらませて」製作委員会
企画・制作：ＲＩＫＩプロジェクト
配給・宣伝：ショウゲート
©2017「ポンチョに夜明けの風はらませて」製作委員会
公式サイト：http://poncho-movie.jp/
新宿武蔵野館ほか全国公開中
