映画『孤狼の血』の初日舞台挨拶が、5月12日、東京・丸の内TOEIで行われ、主演の役所広司をはじめ、共演の松坂桃李、真木よう子、中村倫也、音尾琢真、阿部純子、ピエール瀧、江口洋介と、原作者の柚月裕子氏、白石和彌監督が登壇した。
柚月裕子のベストセラー小説「孤狼の血」を原作に、『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』などで知られる白石和彌監督の手で映画化。暴対法成立以前の広島・呉原市を舞台に、暴力団系列の金融会社社員失踪事件をきっかけに捜査する警察と、暴力団組織間の激しい抗争を描く、昭和の熱き男たちの物語。暴力団との癒着を噂される刑事・大上章吾役を役所広司、大上の捜査に戸惑う若き刑事・日岡秀一役を松坂桃李が演じ、個性豊かな実力派俳優陣が脇を固める。
芸能生活40周年という記念すべき節目の年に主演を務めた役所は「ギリギリ体力がもつかな、という作品に40年目で出会えて幸せでした」と、本作への思いと吐露。「松坂くんも40周年のときは全裸で仕事してるんじゃないでしょうか？」と、映画『娼年』に主演した松坂を見やり会場の笑いを誘った。
すかさず「今回そういうシーンないですから(笑)」と返した松坂は、「30歳になるという節目の年に、役所さんともう一度共演でき、早くもまた白石さんと仕事ができて、僕の中では忘れられない、特別な作品になりました」としみじみ。オファーを受けたときは「脚本を読んで作品に力があって面白かった。断る理由がなかったので『やりましょう！』と言いました」と快諾したそうだ。
劇中でバディを組んだ松坂について、役所は「松坂くん、カッコイイですからね～」と微笑みながら、「松坂くんは繊細に役を積み重ねていく、ちゃんとプランを持った素晴らしい俳優さん。真っ直ぐな目の力が頼もしい」と絶賛。その言葉に「恐れ多いです」と恐縮する松坂は、役所の印象について「親のような、師匠のような、それこそ大先輩でもあります。大きく、分厚く、やはり遠い存在だなと感じました。（今回の撮影現場は）かけがえのない大事な時間でした」と語り、敬慕の表情を満面に輝かせる。
本格的なヤクザ役を演じたのは初めてという江口は、「『凶悪』を観たとき、いったいこれは誰が撮っているんだ！？と思っていたら白石監督だった。ぜひやりたいと伝えました」と明かし、「この作品が、ヒリヒリっするような芝居ができるようになる突破口になると思います」と、今後の映画界にも期待を寄せた。
同じくヤクザ役を初めて演じ、強烈なインパクトをあたえる中村は「世代を意識して演じました。先輩俳優の皆さんの中に紛れて消えてしまわないように気をつけました」と、役をやり遂げた。続けて「白石監督は、役者がうずくデレクションをする方です」とコメントも。
瀧から「鬼畜どんぐり」とお茶目なあだ名を付けられた白石監督。瀧は「これまでもショッキングな作品を手がけていますし、今回もバイオレンス描写やエグイ部分が出てきます。でもその時に一番楽しそうにしているのが監督で」と笑いつつ、「そのバイオレンスを可愛らしく撮ってくれるんです。そこは白石さんの専売特許だと思います」と称えた。
原作者の柚月氏も「映画は小説以上の熱量。小説の3倍、4倍熱く作ってくれました。ご覧になった方は、熱さと元気をいただいて劇場を出られると思います」と賛辞を送り、キャスト、原作者から厚い信頼を寄せられる白石監督は、「身を削って、アイディアを絞って演出して作り上げました。330館で公開されたことを本当に嬉しく思います」と公開を迎え万感の面持ちだ。
最後は、役所が「白石監督の下で、スタッフ、キャスト共に伸び伸びと楽しく撮影させていただきました。素晴らしい役者さんたちが、生き生きと演じた映画になっています。女性のお客さまは、ぜひ男たちに『映画館へ行って牙を磨いてこい』とぜひ伝えてください」と呼びかけ、登壇者全員でステージ上からバズーカを撃ち、『孤狼の血、全国制覇じゃ！』と観客と声を揃えて公開を祝った。
映画『孤狼の血』
【ストーリー】
物語の舞台は、昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島。所轄署に配属となった日岡秀一は、暴力団との癒着を噂される刑事・大上章吾とともに、金融会社社員失踪事件の捜査を担当する。常軌を逸した大上の捜査に戸惑う日岡。失踪事件を発端に、対立する暴力団組同士の抗争が激化し…。
第69回日本推理作家協会賞受賞、「このミステリーがすごい！2016年版」国内編3位に輝いたベストセラー小説「孤狼の血」が、2018年5月12日、待望の映画化！
キャスト：役所広司、松坂桃李、真木よう子、音尾琢真、駿河太郎、中村倫也、阿部純子、中村獅童、竹野内豊、滝藤賢一、矢島健一、田口トモロヲ、
ピエール 瀧、石橋蓮司、江口洋介 ほか
原作：柚月裕子「孤狼の血」(角川文庫刊)
監督：白石和彌
配給：東映
コピーライト：©2018「孤狼の血」製作委員会
公式サイト：http://www.korou.jp/
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―日本の映画史を塗り替える―
