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第 28 回東京国際映画祭プレゼンツ 「歌舞伎座スペシャルナイト」開催!

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10月26日、昨年も大好評だった【歌舞伎座スペシャルナイト】が一夜限りのスペシャルイベントとして開催されました。片岡愛之助さんによる歌舞伎舞踏「雨の五郎」、更に黒澤明監督が第二次世界大戦前後に企画・撮影を行った『虎の尾を踏む男達』がニュープリント上映されました。また、今年 SAMURAI(サムライ)賞を受賞した山田洋次監督とジョン・ウー監督が登壇。スペシャルゲストとして駆けつけた大友啓史監督と吉永小百合さんがサプライズでお二人の受賞を祝福しました。イベントの終わりには、片岡愛之助さんのフォトセッションも行われ、また、あでやかな着物を着たミスインターナショナル 30 人の美女たちや様々な国のお客様も訪れ、有効座席877席が満席になる程の盛り上がりを見せる華やかな一晩になりました。

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登壇者:「雨の五郎」上映 : 片岡愛之助(歌舞伎俳優)
SAMURAI(サムライ)賞受賞者 : 山田洋次監督、ジョン・ウー監督
スペシャルゲスト : 大友啓史監督、吉永小百合

登壇者からのコメント

【ジョン・ウー監督 コメント】
今夜私は、(この賞を受賞して)とても名誉に思っております。私の最も尊敬する“映画の師匠”と共に受賞できたからです。山田監督の映画はいつも“愛”と“人間性”に満ち溢れていて、これこそ普遍性のある価値観であり、これによって世界中の人々に受け入れられる映画になっているのだと思います。私自身も、その“人間性”に心惹かれてこの映画の世界を愛するようになりました。これからも、私の全人生を映画にささげたいと思います。
1960 年代、私が映画を学び始めた頃、特に日本の映画を多く観たんです。日本は、偉大な映画人を輩出していて、有名な監督、俳優、脚本家、これらの人々によって、世界の人々に知られる事になった沢山の映画が生まれました。私もこの日本映画から沢山インスパイアされまして、今尚、それは続いています。私自身は、大した貢献はしていません。ですが、一生懸命、働いてきました。この賞を受賞することは、僕にとって全く想定していなかったこと。この場を借りまして、東京国際映画祭に感謝を申し上げます。そして、私の友人やいつも励ましてくれている人のためにも、沢山働き、多くの良い映画を世の中に送り出したいと思います。
トークセッション時:(大友監督と 17 年前に出会った際にどんなお話をされたのですか?)監督をするのだったら、まずはちゃんとした脚本を書いた方がよいですよ、とお話しました。(今の監督に言えるアドバイスは?)ひたすら映画を撮り続けてください。将来の大友監督の作品に期待して待っています。

【山田洋次監督 コメント】
僕は第一回の映画祭から参加しています。最初の作品は『幸せの黄色いハンカチ』でした。それから 28 年の歳月を経て、今日ここで、SAMURAI(サムライ)賞という素晴らしい賞を頂けたことを非常に光栄に思っております。僕の作品は“SAMURAI”(侍)という言葉にふさわしい程、勇ましいものではないですが、本来、その言葉にふさわしいのは、僕の隣にいるジョン・ウーさんなんではないかと思います。心から彼にお祝いを言いたいと思います。
(吉永さんの印象は?)小百合さんと接していると、この人には大事なことをちゃんと言わないといけない、嘘をつけないし、真実を語らなければならないという気持ちにさせてくれるから、いちいち一生懸命良い事言っちゃうんですよね(笑)小百合さんと仕事をするという事は、僕にとって大変な励みになる訳です。今日はありがとうございました。

【大友啓史監督 コメント】
(ジョン・ウー監督と意外なところで出会われていた、という事ですが?)17 年前、留学先のロサンゼルスのチャイナマーケットで(ジョン・ウー監督が)買い物をされていた時にお会いしまして、そこで「ジョン・ウーさんですか?大ファンです」とお声かけをしました。当時、(ジョン・ウー監督は)ハリウッドで映画を撮影する準備をされていて、アジアの映画人としても、希望であり夢である人に出会えたのが、とても嬉しかったです。
(出会った当時、ちゃんとした脚本をまずは書くべきとジョン・ウー監督にアドバイスされたことを受けて)はい、今もちゃんと脚本を書いています。今回、お会いできるという事で、嬉しすぎて夜通し 5 本のジョン・ウー監督作品を観たのですが、改めて、もの凄いパワーに圧倒されました。ちょっとでもジョン監督に追いつける様に、少しでも多くの作品を観て頂けるように努力します。

【吉永小百合 コメント】
(吉永さんにとって山田監督の存在とは?)先程、ジョン・ウー監督が“映画の師匠”とおっしゃっていましたが、私にとっては山田学校の校長先生であり、“人生の師”でもあります。撮影の合間に、色々楽しいお話などをしてくれて、その一つ一つが心に残っていて。本当に映画の世界で仕事をしていてよかった、と思えるんです。監督のもっている“価値観”がとても素敵で、いつまでも山田学校の生徒であり続けたい、と思っています。

【片岡愛之助さん フォトセッション コメント】
久々の歌舞伎の舞台、更に歌舞伎座での舞台という事もあり、非常に嬉しく思いました。様々な国の方がいらっしゃったり、花道の向こうに華やかな着物の方々(ミスインターナショナルの 30 名)がいたりいつもよりちょっと違う空気を感じましたが、要所要所できっちり拍手をしてくださったりして、皆さん意外と良く(歌舞伎を)観られているのかな、と思いました。外国の方からは、なんだか歌舞伎って、敷居が高そうとか、難しそうとか思われがちなんですが、全くそんなことは無いんですよ。歌舞伎座には、英語でご鑑賞できるイヤホンガイドというものもございます。一回、ガイドを聞きながら観て頂き、もう一度ガイドなしで観に来ていただく、そうすると、より深く分かって頂けるのではないかな、と思います。1階席がすべてではなく、2階席、3階席から観る事のできる美しい歌舞伎も魅力。階を変えながら観て頂く楽しみもあるのではないかと思います。
この様な映画祭で演じさせて頂く事は、本当に役者冥利に尽きます。これからも歌舞伎に精進してまいりますし、テレビや歌舞伎以外のお芝居、ミュージカルなんかにも挑戦していこうと思います。また、上方歌舞伎役者・片岡愛之助もお見捨てなく、どうぞよろしくお願いいたします。

第 28 回東京国際映画祭
■開催期間:10 月 22 日(木)~10 月 31 日(土)
■会場:六本木ヒルズ(港区)、新宿バルト 9、新宿ピカデリー、TOHO シネマズ 新宿 他
■オフィシャル HP:http://www.tiff-jp.net