13万部を超えるベストセラー「はなちゃんのみそ汁」の映画化が決定し、12月4日、東京・東郷記念館にて製作発表記者会見が開かれ、主要キャストの広末涼子、滝藤賢一、一青窈と、原作者の安武信吾と安武はな、阿久根知昭監督が登壇した。
余命わずかの母親が幼い娘にみそ汁作りを通して愛情と生きる強さを伝えた実話が原作の『はなちゃんのみそ汁』。2014年、日本テレビ系の「24時間テレビ」でもドラマ化され大きな話題となった。乳がんを患い、33歳の若さで愛娘を残したまま亡くなった母・千恵さんを演じる広末は、脚本を読んでたくさん笑い泣きしたという。「はなちゃんはもちろん、空にいるはなちゃんのママにも笑い泣きしてもらえるステキな作品を作れるように精いっぱい演じさせていただきたいと思います」と意気込みを語った。
「たまたまドキュメンタリーの番組で、はなちゃんの小さい頃をお見かけしていて、2つ返事で出演をお受けしました」と出演のきっかけを明かし、「実は、脚本を飛行機の中で読んでいたんですが、笑いながらも涙が止まらなくて･･･メイクさんに怒られちゃうんじゃないかと。悲しい、つらい、苦しいという涙ではないと感じたので、観てくださった方も、そういう気持ちになっていただければ嬉しいです。命をかけて演じたいと思います」と作品への思いを伝えた。
信吾を演じる滝藤は「安武さんの人生を生きたいと、とても強く思いました。安武さん家族に負けないような家族をみんなで作り上げたいです」と、力をこめてコメント。それに対し安武は、「自分の家族の姿をさらけ出すのはとても勇気がいることだったけれど、悲しい物語ではなく、映画を観て“家族の時間を大切にしよう”と感じてくれると思う。きっと千恵も喜んでくれると思うし、彼女が生きた証を残すこともできます」と話す穏やかな笑顔の中に、深い家族への愛が感じられた。
千恵さんが大好きだったという「ハナミズキ」。今回、本作のために主題歌を手がけ、広末の姉役を演じる一青窈は、「はなちゃんとたくさん話をして曲のイメージを膨らませたいです」と目を輝かせる。
この日、広末と初対面となったはなちゃん。「お母さんは広末さんのように美人じゃないけど、笑顔がとても似ていると思います」と広末を見つめ、会場を沸かす場面も。照れながら「勝手に抱きしめたくなっちゃいます」と広末もにっこり。会場があたたかな雰囲気に包まれた。
お母さんが好きだったところは？と聞かれ「厳しかったところ」と答えたはなちゃん。会見では、はなちゃん手作りのみそ汁がキャストや報道陣らに振舞われ、千恵さんと家族への思いをはせていた。
『はなちゃんのみそ汁』
＜STORY＞
余命わずかの母親が5歳の娘に遺した“みそ汁づくり“。それはひとりで生きていく力
25歳のとき乳がんを患った安武千恵さんは、結婚・出産し、娘はなちゃんを奇跡的に授かりました。はなちゃんのためにも元気に生きたいと願いましたが、がんが再発してしまいました。生きることを諦めず、ただ自分がいなくなった後、娘が困らないように「自分で生きる力を遺したい」と、4歳になった娘にみそ汁作りを教えました。
その５ヶ月後、千恵さんはこの世から去りました。はなちゃんは、母との約束を守り、保育園に行く前にみそ汁を作り「ありがとう」と喜ぶパパの笑顔で一日が始まります。この映画は、がんという病気にスポットをあてるのではなく、病を抱えた家族が自分の生き方、家族の在り方を見つめなおしながら成長していく姿を前向きに明るく描き出します。
監督：阿久根知昭（『ペコロスの母に会いに行く』脚本）
脚本：奥寺佐渡子（『八日目の蝉』）
原作：「はなちゃんのみそ汁」（文藝春秋刊）
出演：広末涼子、滝藤賢一ほか
製作：イメージフィールド
2015年秋 全国公開予定
