映画『ビブリア古書堂の事件手帖』の完成披露試写会が、9月17日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われ、主演の黒木華と野村周平をはじめ、共演の成田凌、夏帆、東出昌大と、三島有紀子監督が舞台挨拶に登壇した。
本作は、三上延・著「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズを三島有紀子監督の手で実写映画化。鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂の店主である篠川栞子（しのかわ しおりこ）が古書にまつわる数々の謎と秘密を解き明かしていく様を描く。
極度の人見知りだが、驚くべき本の知識と優れた洞察力で古書にまつわる謎を解き明かす、若く美しいビブリア古書堂店主・篠川栞子役を黒木、彼女に魅せられて店を手伝うことになる五浦大輔（ごうら だいすけ）役を野村が演じる。さらに、漫画専門のネット販売を行う同業者・稲垣役を成田、大輔の祖母・五浦絹子の若き日を夏帆、絹子に惹かれる小説家志望の田中嘉雄役の東出と豪華実力派キャストが脇を固めている。
黒木が「人見知りな感じとか、（栞子とは）共感するところがありました」と役どころを振り返る。一方、活字恐怖症の青年を演じた野村は「僕も本を読むのが苦手なのでピッタリの役でした」と明かし、「三島監督には、とにかく“可愛く”いてくれと言われました」と微笑むも、三島監督は「そんなこと言ったっけ？」と問われ、「だって、大輔可愛い！って言ってたじゃないですか～」と反論（？）すると、「“太陽みたいな人でいて”とは言ったよね」と監督に言われ、「そう、それ」と苦笑いした。
過去パートを演じる、夏帆と東出について、黒木は「ステキ過ぎて･･･。純文学のような小説を観ている気持ちになりました」と絶賛。野村も「こんなに素晴らしいお二人は見たことがない。こちら（過去パート）がメインじゃないかと思うくらい。昭和の似合うお二人でした」と称えた。
その言葉に謙遜しつつも、東出は「いつか監督とご一緒したいと思っていました。自分にはない、かなりピュアな純愛ができて素敵な撮影の日々でした」としみじみ。夏帆も「（現代パートとは）全く接点がなかったので、完成作品を観てとても新鮮でした。別作品を観ているようでした。嘉雄さんとの関係性を築いていくことを大事にしました」とコメントし、本作の出演を喜んでいた。
作品美術にもこだわりを見せた三島監督は、「（黒木が演じた）栞子が、どこを切り取っても本に囲まれているようにしたかったんです。本棚には背中があるので普通は抜けて見えないのですが、本を通して目線を合わせる構造で撮りたかった」と説明し、「過去と、現代の2つの小さな川が1本の大きな川のように描かれればいいなと思いました」と伝えた。
栞子のキャラクターに絡め「これだけは誰にも負けない！という自慢できることは？」という問いに、黒木は「人に自慢できることを会得してこなかった人生でした･･･」と言いつつ「でも、なで肩ですかね」と答えを絞り出した。すると野村が「僕もなで肩ですよ」とあっさりと明かされ、「じゃあ、やっぱり勝てるものがないです(笑)」と笑った。
同じ質問に、野村は「身体能力」、夏帆は「猫への愛。溺愛です」、東出は「人ごみの中を歩くスピード」と答える。そんな中、この質問の前から大汗をかいていた成田。野村からも「パッと見たら、汗が溜まってる」と。そして、成田は迷いもなく「僕は一択です。汗の量はここにいる誰にも負けません(笑)」と自虐し、会場を沸かせた。
さらに、イベントではミステリーがテーマとなる作品にちなみ、登壇者が謎解きゲームにも挑戦。見事に正解を導き、会場を盛り上げていた。
＜STORY＞
すべては一冊の本をめぐる祖母の遺言から始まった―。
鎌倉の片隅にひそやかに佇む古書店「ビブリア古書堂」。過去の出来事から本が読めなくなった五浦大輔(野村周平)がその店に現れたのには、理由があった。亡き祖母の遺品の中から出てきた、夏目漱石の「それから」に記された著者のサインの真偽を確かめるためだ。磁器のように滑らかな肌と涼やかな瞳が美しい若き店主の篠川栞子(黒木華)は極度の人見知りだったが、ひとたび本を手にすると、その可憐な唇からとめどなく知識が溢れだす。さらに彼女は、優れた洞察力と驚くべき推理力を秘めていた。栞子はたちどころにサインの謎を解き明かし、この本には祖母が死ぬまで守った秘密が隠されていると指摘する。それが縁となって古書堂で働き始めた大輔に、栞子は太宰治の｢晩年｣の希少本をめぐって、謎の人物から脅迫されていると打ち明ける。力を合わせてその正体を探り始めた二人は、やがて知るのであった。漱石と太宰の二冊の本に隠された秘密が、大輔の人生を変える一つの真実につながっていることを―。
原作：三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』（メディアワークス文庫／KADOKAWA 刊）
出演：黒木華 野村周平／成田凌／夏帆 東出昌大
監督：三島有紀子
脚本：渡部亮平、松井香奈
© 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会
配給：20世紀フォックス映画、KADOKAWA
主題歌：サザンオールスターズ「北鎌倉の思い出」（タイシタレーベル／ビクターエンタテインメント）
公式サイト：http://biblia-movie.jp/
11月1日（木） 全国ロードショー
