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第29回東京国際映画祭:青木崇高、「監督とはパリの出会いが縁」 映画『雨にゆれる女』

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10月28日、第29回東京国際映画祭「アジアの未来」部門にて『雨にゆれる女』がワールドプレミア上映され、主演の青木崇高、共演の大野いと、監督を務めた半野喜弘がティーチインに出席した。

本作は、パリを拠点にホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクーなどのアジアの巨匠たちと活躍してきた音楽家・半野喜弘の監督デビュー作。本名を隠して、別人として生きる男と、ある夜突然出会った謎の女が描く愛の物語。独特な映像美と世界観に見る者を引き込んでいく。

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まずは、「感無量です」と挨拶した半野監督。「健次(青木)と理美(大野)が僕のところに帰ってきたなという感じです」とこの日を迎えたこと喜んだ。音楽家である半野監督は、本年度も、『聖の青春』『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』の音楽も担当している。「映画音楽を20年近くやって、自分で脚本を書いて映画を撮りたいと話すと、『簡単にできないよ』と言われました。でも、時間を利用して人の心を誘導していく芸術という点では、映画と音楽は近いと思っていた」とコメント。監督にとって、映画を撮ることはごく自然なことだったようだ。
しかし、「音楽を担当するのは、他の人の作品の方が圧倒的にやりやすいですね」と言って笑った。

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また、半野監督との出会いは、青木が役者の仕事を始める前、ヨーロッパ旅行中のパリだったという。「半野さんたちがパリの街角でお食事をしているところに、『こんにちは。旅人なんですが、混ぜていただけないですか?』と話しかけたことが縁なんです」と振り返り、「それから8~9年ぐらい連絡を取らなかったんですが、3年くらい前に偶然レストランで会って、そこから映画を撮ろうという流れになったんです」と経緯を説明。

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監督からセリフ回しのアドバイスをもらった青木。「セリフの出し方で『語尾を切れ』と演出されました。相手を拒絶する精神状態を表すことができるんです」と話す。そんな青木を監督は「撮影に入る時には、すでに健次だった」と絶賛。大野については、「彼女は理想が大きく、追いつくことができずに最初の半分くらいほぼ毎日泣いていました。でも後半は自信を持って演じていました」と明かす。そんな大野は「青木さんとは撮影以外でお話をしてもらえなかったです。青木さんがすごく苦手でした」とびっくり発言。青木は「彼女が頑張っていたので、邪魔してはいけないと思って横で見ていたんですが」と語り、「僕は見守っているつもりだったんですけどね・・・」と苦笑いをしていた。

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映画『雨にゆれる女』
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/ameyure/

11月19日(土)より、テアトル新宿にてレイトロードショー